2019年10月19日

刀とドローンの夢

 

 ナウシカに出てくるような谷間の村で、決闘が始まった。日本の刀を持った2人の男が、戦った。

 

 勝った男は、ドローンのような1人乗りの小さなヘリコプターに乗って、谷間の空を曲芸飛行した。

 

 

 

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遭難者の夢

 

 君と僕とで、アウトドアに来ていたが、遭難してしまった。岩場を彷徨っていると、いかにもキャンプ上級者な感じの、女性2人組と遭遇した。

 

 初心者・上級者とはいっても、お互い遭難したことには変わりないわけだが、それでもまぁ、心強いことは心強い。

 

 救助隊は余裕で明日呼ぶことにして、4人でキャンプ・ファイヤーを囲んだ。

 

 

 

 

「それでこちらの彼氏は」と僕のことを指して女は言う。「彼女以外のすべての女性が、気になってしかたないのね」

 

「そうみたい」「浮気者ね」

 

 女3人で話が盛り上がっている。ついて行けない。先に寝ることにした。

 

 

 

 朝、ヘリの音で目を覚ました。救助のヘリは、2台やって来て、女性陣と僕とで、分かれて乗ることになった。

 

 並んで飛ぶ2機。向こう側のヘリの中、アウトドア上級者の女性2人が、僕を嫉妬させようとして、君の唇にキスをするふりをした。

 

 君は笑って、僕に手を振る。

 

 

 

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2019年10月17日

ローラースケートの夢

 

 歩いていた僕を、左後方から猛スピードで追い越して行った白いバンは、角を曲がり切れず塀に衝突して止まった。すると車内からローラースケートを履いたおじさんが、叫びながら飛び出してきて、どこかへ向かおうとするのだが、カーブを曲がり切れず、また壁にぶつかり、派手にコケる。

 

 

 

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2019年10月16日

似た人の夢

 

 1人で電車に乗っていると放送があり、次の駅でしばらく停車するとか。その駅は日本でいちばんのマンモス大学校の近くにあって、学生の乗り降りに時間がかかるらしい。僕はその次の次で降りる。杖をついた盲人が乗り込んできたのを見て、僕と隣に座っていた若者も席を立った。盲人は結局別の人が譲った席に座ったが、僕はそのまま反対側のドアの側に立ちつづけて、外の景色を見ていた。

 

 すると突然、セーラー服の高校生が、僕の頭や体を叩いて挨拶する。「何でこんなところにいるの??」驚いて振り向いた僕の顔をじろじろ見て、彼氏と似ていたので間違えた、というのだが、謝りはしない。そのまま僕を相手に、昨夜見たテレビのバラエティ番組の話を始めた。僕はその番組に出ているタレントにも似ているのだという。

 

 

 

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2019年10月15日

夕食の時間の夢

 

 君に連れられて入った部屋には、年配の女性が3人いた。1人はベッドで寝ていた(病気とは思えないけど)。もう2人は椅子に座っていた。挨拶もなしに入っていくのは失礼ではないかと思ったが、誰も僕たちに注意を向けなかった。 

 

 ここはフランスだと思っていたけど、女性たちが話しているのは、フランス語ではなかった。すぐに夕食の時間になった。台所に行っていた君が、みんなに料理を運んで来た。餅米でつくられたお粥のようなものと、それから野菜料理の皿だ。広い部屋のあちこちのテーブルには、サラダの皿もあった。自由に取っていいのだ。

 

 気づくとその部屋には、たくさんの人が集まってきていた。ほぼ全員が女性で、男性は僕の他に1人だけ。誰かのボーイフレンドだろう。原則男性は入れないのだ。シャワールームから出て来た女性が、裸のまま部屋を横切って行く。君は僕のテーブルにやってきて、ミニトマトをつまみながら、しばらくここに滞在しましょうと言った。

 

 

 

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そのときの気分の夢

 

 ビルの1階の管理人室のような部屋で、君は観客を集めてギターを弾いていた。満員で入れなかったので、僕は部屋の外のソファに子供と寝転び、開けられたままのドアの向こうから聞こえてくる、ギター演奏に耳を澄ませていた。

 

 壁にはポスターが貼ってあった。「ギターも弾けるんだね」と子供。「そう、何でもできるんだよ」と僕。

 

 ライブはすぐに終わった。僕たちは3人で辺りを散歩しながら話をした。

 

「気分が悪くなってきちゃった」と子供が言った。僕たちはベンチに腰掛けた。「良くなるまでここで休んでいればいいよ」と僕は言った‥‥

 

「気分が悪くなったと思ったけど違った」と子供は言った。「それは『気分が良くなった』って意味かな?」「そうかも。わかんないけど」

 

 

 

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2019年10月14日

Y

 

 赤いドレスの女が紹介した、ハチマキをした男は、偽物だった。ハチマキにNの文字がプリントされている、本物ならYのはずだ。僕がそう指摘すると、女は開き直って笑った。「よく気づいたわね‥‥」

 

 僕たちは逃げようとした。しかし他の参加者たちは、バタバタとその場に倒れた。「飲み物に毒を盛っておいたのよ」と女は言った。僕はアルコールが苦手で、飲まなくて助かった。

 

 毒が回ったふりをして、よろけながらその場を離れた。

 

 そして充分に距離ができたところで、僕は全速力で駆け出した。黒服の男たちが追ってくるが、もう遅い。僕は円柱形のビルの中に逃げ込み、匿ってもらうことにした。

 

 

 

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殺人者

 

 上で「今からお前を殺す」という声がした。「ここでお前を殺す」と。僕は慌てて階段を駆け上がり、君のところへ向かおうとした。

 

 しかしその白い石でできた階段を1つ上がると、僕は1つ歳を取ってしまうのだ。段は50近くあった。生きて君の元に辿り着くのは、不可能に思えた。

 

 半分上がったところで、足腰が立たなくなったが、僕は這いつくばって、何とか残りの段を上がりきった。

 

 そうすると、景色はすっかり変わっていた。僕の体の外側でも、実際に50年が流れたみたいだった。建物は柱だけになっていた。天井は崩れていた。空からは小雨が降っていた。

 

 君は玉座で、僕を見ていた。50年前の殺人者がどうなったのかは知らない。杖を頼りに僕は近くまで歩いて行った。

 

「ここはどこなんだろう?」と僕は英語で訊いた。「今はいつなんだろう?」

 

 それには答えず君は僕の腕を取った。そして僕を雨の夜の中へ導いた。君と僕にはまだどこか行くところがあるみたいだった。

 

 

 

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2019年10月13日

クラブの水色のクッション

 

 水色のフェルト地のクッションがスピーカーになっていて、そこから流れてくる音楽は、90年代のUKロックだった。野球帽をかぶったDJが、次々と曲を繋いでいった。僕は全部の曲を知っていて、そのことを誰かに話したくなった。1つひとつの曲に、どれだけ夢中になったかを。

 

 

 

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2019年10月12日

5/8

 

 オーケストラの指揮をすることになった。曲はベートーベン、交響曲第7番。5/8拍子を意識して、もっとリズム感上げていこう、などと団員に声をかける。僕は公演が終る前から、既に大成功した気分で、次は第5番をやりたい、などと言っている。気づくとベッドの上には、買った覚えのないクラシックのCDが何枚も投げてある。

 

 

 

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陸橋の上の満月

 

 鉄道の陸橋の上の満月、という題材で絵を描いていた。実際には月は、空のかなり低い位置に出ていたのだが。絵は現実の光景を写生したものではなかった。別の作家の作品をトレースしただけだった。僕はその陸橋を渡る列車の中で、実際の風景を見ずに描いていた。

 

 

 

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2019年10月11日

引き金

 

 人類とアリの間で勃発した、最終戦争だった。アリはほとんど抵抗できず、敗戦に敗戦を重ねて、残り2匹になった。その最後の2匹を、皆で地下室に追いつめた。僕が抹殺しに行くことになった。

 

 その2匹は、寄り添って立ち、僕に背を向けていた。ずっと、壁の方を向いて、武器を持った僕を振り返ろうとしなかった。一言も発しなかった。地下室の中で、僕は、下がれるだけ後ろに下がろうとした。その2匹から、できる限り遠く離れて、引き金を引きたかった。

 

 

 

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カエル姫

 

 授業で当てられて、英文和訳をするのだった。1センテンスだけかと思ったら、テキスト全文やれと言われる。そこまで予習してないし、無理だと抗議したが、大体でいいと言うので、仕方なく訳し始めた。こんな話だ。

 

 

 

 トラックの助手席に座っていた。トラックは峠道を上っていく。そこに猛スピードで走って来た赤いスポーツカーが衝突した。車は大破して止まり、僕も衝撃で助手席から外に投げ出された。

 

 道端で仰向けになって目を剥いている僕を、赤い車の運転手が、心配そうに覗き込んでいる。目と目の間が、妙に広く離れた若い女だった。

 

 彼女の目と目の間は、柔らかかった。骨がないみたいに。「カエルのお姫様だ‥‥」心の中で僕は思った。

 

 

 

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2019年10月10日

お笑い芸人 箱詰め 湖面

 

 家にお笑い芸人が招待されていて、テーブルの僕の席で夕食を食べていた。興味がないので誰だかわからないが、2人組の漫才コンビだ。僕の部屋には、彼らの大きなスーツケースが、2つ置いてあった。夕食だけではなく、泊まっていくつもりなのかも知れない。しかもかなり長く。

 

 

 長期滞在していたホテルを、チェックアウトすることになった。僕は地下の駐車場で、滞在中に自分で買った、羽毛の布団や、洋服や椅子を、明らかに小さすぎる箱に詰めようとしていた。新しい滞在先に送ってくれるよう、係の人に頼んだ。部屋にはまだ私物があるけど、全部詰めるのは無理だった。

 

 

 僕は眩しく光る湖を見ていた。月光は太陽のように明るく、湖面に降り注いでいた。僕が到着したのは、そんな夜だった。部屋からは湖が見えた。

 

 

 

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2019年10月 9日

みるもの

 

 僕は僕に見えるものを見る。何が見えたか覚えておいて、君には僕が見たかったものを見せる。

 

 

 

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タマネギ

 

 坂道を上っていくと、駅に出るはずだった。さほど広くない道を、たくさんの人が歩いていた。

 

 飼い主と散歩中の犬がいた。飼い主の男性がちょっと立ち止まると、犬は玉葱に変身して、ピクリとも動かなくなった。

 

 僕はその玉葱の頭を撫でながら、犬だということはもちろんわかっているんで、はい、大丈夫ですよと言った。

 

 頭がおかしくなったわけではない。

 

 

 

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平野

 

 主に平野を、車で走った。というか飛んだ。そのミサイルのような白い車には翼がついていて、タイヤはなかった。前席に誰か1人、後席に君と僕で乗った。

 

 運転席は後席にあり、ほとんど自動運転のようなものなのだが、とりあえず運転手は君だ。どこに向かっているのかは知らない。どこを走っているのかも知らない。ずっとどこまでも平野だった。

 

 

 

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36万枚撮り

 

 36万枚撮りのフィルムを、やっと撮り終えた。25年間、一眼レフに入れっぱなしだったフィルム。ちゃんと写っているか心配だが、とにかく撮り終えた。年間1万枚以上撮影した計算になる。何を撮ったのか、もう覚えていない。巻き取ったフィルムを早く現像して見てみたい。

 

 それで早速「8階」のセブンイレブンにフィルムを持って行ったのだが、そこでは現像もプリントもやっていないという。ローソンかファミマに行けばいいのか。けどせっかく「8階」まで来たのだからと、僕は展望テラスに出てみた。

 

 展望テラスでは父親に連れられた男の子が、まさに目を丸くしていた。相変わらずの絶景だった。周囲には何もなく、緑の草原が地平線まで広がっているのが見えた。ここに来ると、地球は円いのだということが実感できる。そこが好きなのだ。

 

 

 

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2019年10月 8日

ベッド3台

 

 僕と、女房と、娘の3人で、暗くした寝室に、手を繋いで入った。娘への、サプライズのプレゼントを、ベッドの上に用意しておいたのだ。その広い寝室には、ダブルのベッドが3台入れてあった。キャーキャー言いながら手探りで、ベッドの上のプレゼントを探した。

 

 

 

 脱ぎ散らかした僕の靴下に穴が開いているのを見つけた女房が、これはもう捨てなさいと呆れ顔で言う。

 

 

 

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占い師

 

 朝、2階の隣の部屋で、ギリシャ神話の女神をイメージした(と思われる)衣装のおばさんの占い師が5人ほど、輪になって手を繋いでいるのを見た。

 

 

 

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2019年10月 7日

 

 川に対して、ずいぶん大袈裟な橋だった。小川にSFのゴールデンゲート・ブリッジが架かっている感じ。川岸を散歩するのも良かったが、向こう岸に何があるのか、見てみたくて僕はその大仰な橋を渡った。

 

 

 

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2019年10月 6日

ミルクティー

 

 机の上に詩集があった。毎日少しずつ読んでいた。文字が大きい。机にはクソ甘いミルクティーもあって、それも毎日少しずつ飲んでいた(今日で飲みきれるだろう)。

 

 部屋に君がやって来て、夕食の時間だと告げた。僕のミルクティーを見て、食事前にそんなものを飲んでいると太ると言った。そのとおりだ。だから何日かに分けて少しずつ飲んでいたのだが、それは黙っていた。

 

 

 

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2019年10月 5日

6月の花嫁

 

 30歳くらい若返って僕は夏のアザラシのように太った。玄関の前の床でアザラシのように寝そべり、アザラシの君と将来の話をしている。君を喜ばせようとして6月に結婚しようと言うのだが、君はジューンブライドを知らない。

 

 すると少し離れたところに寝そべっていたもう1頭の若いアザラシが、「6月の花嫁は特別に幸せになれるって言い伝えられてるのさ」と僕たちに教えてくれた。

 

 

 

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白メダル

 

 スタジアムでサッカーの試合を観戦していた。ドイツ対イタリア。ドイツのチームには日本人が1人、そしてイタリアチームには日本人が2人もいた。試合中日本人選手たちは観客席の僕のところに、次々と割れたメダルを見せにやって来た。割れた白いプラスチックのメダルを。僕がそれを持っているべきなのだと言う。

 

 

 

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2019年10月 4日

望遠レンズ

 

 小学生の頃、友達に一眼レフを持ってる子がいた。その子は(女の子だ)そのカメラに望遠レンズを付けて、僕の家を覗いていた。林に隠れて、僕の家をずっと。

 

 僕たちは暗くなるまで待ったが、家人は帰って来なかった。 その子はグレーの短いスカートを穿いて体育座りをしている。スカートの中が見えそうで見えない。その子は僕に言った。あんたの家の人、帰って来ないね。それで僕はその子の家に行って、夕食をごちそうになった。

 

 

 

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午前4時

 

 明日朝は6時に起きなければならないのに、時計を見ると午前4時を回っていて焦った。僕は8階の資料庫で調べものをしていたのだが、取り組んでいた問題は、結局解決しなかった。けどいい。帰って少しでも寝ようと思う。エレベーターは動いていなかったので、コンクリートの階段を下りて1階まで行った。1階のコンビニのレジの人に声をかけて(お疲れさま、まだいたんですか)、僕はそのビルを出た。

 

 

 

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2019年10月 3日

脱色 ダブルで

 

 店で美容師の友人の仕事が終るのを待っていたら、閉店間際になって予定外の客が入って来た。生意気そうなガキで、金髪にしてくれと言う。態度が悪い。僕が脱色してやることにした。

 

 シングルかダブルかと訊くと、ダブルと答えるので、強烈な匂いの薬品で洗面台を満たして、そこにその客の頭を突っ込み、20分ほどそのままでいるように告げた。

 

 

 

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観覧車

 

 地方の、小さな空港だった。ほとんど人はおらず、着陸から僅か20分で入国ゲートを抜けた。その足で遊園地に行き、観覧車で夜景を眺めよう、と僕たちは計画していたのだが、まだ明るい。先にホテルにチェック・インした方がいいだろう。三日月型の階段を下りて行った。僕の靴は左足だけ踵が高く、フワフワとしていて歩き辛かった。

 

 

 

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2019年10月 2日

靴 反省 ここはどこ 風呂

 

 便器と間違えて、靴の中に用を足してしまった。なぜ間違えたんだろう、まだ新品のコンバースだ。

 

 捨てるのはもったいないので、風呂場で洗うことにした。

 

 すると男性2人が通りがかって、ガラス戸の向こうから、「ここにお1人でお住まいですか‥‥?」

 

「いえ、2人で暮らしてます」と答えたけど、誰と住んでいるのか、僕は思い出せない。そもそも僕は、ここに住んでいるのか?

 

 やっと洗い終えた靴を手に持ち、僕は湯に浸かる。老婆とその孫娘が、バスタブのすぐ脇に立ち、そんな僕の様子を眺めていた。何か言いたげだ。

 

 

 

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2019年9月30日

気配たち

 

 半開きになった扉の向こう。部屋に、誰か人のいる気配がした。声や、足音や、何かに体がぶつかる音がした。

 

 僕は、その部屋の外の、階段の脇のテーブルで簡単な朝食を取っていたが、すぐに食べ終わってしまった。

 

 物音はしているのに、その部屋の主は、結局姿を見せなかった。じきに物音もしなくなり、気配も消えた。僕の食事の様子を眺めていた、女の姿も見えなくなった。

 

 湿気と、木の匂い。「もう行かなきゃ」と僕は消えてしまった気配たちに言った。

 

 そしてアパルトマンの自分の部屋へ、荷物を取りに戻った。明るい冬の朝だった。

 

 

 

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春の小川

 

 僕たちの結婚式は、野外で行われた。よく晴れた日、大勢の人がお祝いに集まった。新婦の知り合いだろう、大半が知らない顔だった。彼らに向け、僕は仏語で短いスピーチをしたが、僕の口から出る声は、言語ではなく、小さな川の流れる音だった。

 

 僕が口を閉じるまで、その川はどこまでも流れつづけた。

 

 

 

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2019年9月27日

緑の沼

 

 湯船には緑色に濁った湯が溜まったまま。栓を抜いても流れていかない。銭湯のように広い風呂場。と思ったら違った。リアル沼地だった。緑色の沼に浸かる気はしない。シャワーだけで済まそうと思い、シャワーを探した。

 

 

 

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2019年9月26日

バレリーナのように

 

 しばらく君のコンサートがないのが残念だと話したら、何曲か弾いてあげるから好きなときに部屋に来ればいいのに、と言う。それで花とケーキを買って出向いた。広場を横切って歩いた。すると四方八方から僕の名を呼ぶ声がした。僕はバレリーナのようにクルクル回転し、すべての声に手を振って応えた。

 

 

 

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2019年9月25日

ディナー

 

 そう言えば君も、同じことを言っていた。今度一緒にディナーに行こう、と口に出した途端、一緒にディナーに行きたくなった。

 

 行きたくなかったわけではないけど、でもどうしてあのタイミングで、しかも自分からディナーに誘ってしまったのか、よくわからない。けどディナーの約束をした途端に、ものすごくディナーが楽しみになった。あなたとディナーに行くのを、ずっと以前から夢見ていたようにさえ思える。つまり。

 

 あなたを好きだったから、あなたに好きだと言ったわけではないの。好きだと言ってしまってから、あなたを好きになったのよ。

 

 どうしてそう言ってしまったのかは、自分でもわからない。運命なんて、重い言葉は使わない。

 

 

 

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賭けのオッズ

 

 ソロコンサートの打ち上げを、早々に抜け出して、2人で、夜の町を歩いた。以前から約束していた、「ディナー」に行くのだ。君は、ゾロゾロしたステージ衣装のまま、靴もツルツルと滑りやすそうなヒールのまま。君が、仕事仲間より、プライベート(=僕)を優先するなんて。つき合ってもう長いが、こんなことは初めてだ。

 

 日本から数十時間。空港から、電車を何本も乗り継いで、やっと辿り着いた、ヨーロッパの田舎町。コンサートは終ったが、僕は、しばらく滞在するつもりでいる。フランス在住のスタッフは、翌日撤収予定で、いつもなら、君も同じだろうが、朝イチで自宅に帰ってしまうんだろうが、今回は、違うかも知れない。僕と一緒に、残るつもりなのかも知れない。

 

 それをネタにして毎回、君のスタッフが、賭けをしてるのは知っている。撮影担当に調律師に、オーガナイザーに、あと、誰だっけ? 打ち上げのパーティー会場は、騒ぎになっているだろう。オッズが、急変しているだろう。

 

 僕たちが今年結婚する・しないで、毎年賭けてるやつらもいるが、それはいい。今はいい。仕事と私生活の優先順位がどう入れ替わり、それによって、人生がどの程度変化するのかは、まだ誰にもわからない。いろんなことが、始まったばかりだ。

 

 

 

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2019年9月24日

冬の日

 

 鉛筆デッサンと平面構成、なんて今でもやっているのか知らないが、僕は背の高い高校生の男のコに、美大受験のためのアドバイスをしている。

 

 

 

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2019年9月23日

宣誓

 

 戸惑い顔の僕を指し、 3つの異なる言語で君は、「あなたは私の大切な人」「ちょう大切」「マジ大切」などと宣言した。

 

 そして両手で僕の手を取り、瞳をギラギラ輝かせて、「ディナーに行きましょう」「ディネに行くよね」「一緒に夕食」とか誘う。

 

 その様子を見た僕の友人が、「あなたたち2人は結婚しているんですよね?」と小声で訊く。

 

「いえ結婚してません」僕はさらにさらに小さな声で答える。

 

 

 

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2019年9月21日

デートの約束

 

 2人っきりになるのに、「今ここ」を抜け出す必要はない。パーティー会場で、外国で、ここではきっと、誰も理解できないフランス語。僕と君は大勢の人たちに囲まれて、2人だけの国にいるのだから。

 

 デートの最中に、デートの約束をした。また明日。また来週。また来月。また来年。これはこれから起きる、本当の話。

 

 

 

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2019年9月20日

世界の果て

 

 というわけで世界の果てには、空以外には何もない。

 

 だだっ広い駐車場。空の写真を撮っていると、地平線の向こうから、学生が次々と登校してきた。停められた白い車のミラーに、僕の姿が一瞬だけ映る。僕はイレイザーヘッドみたいな髪型をしていた。

 

 教室に入ると、ほとんどの学生が既に着席していた。みんなビニールのレインコートを着て、フードを被っている。スプリンクラーが故障中なのだ。天井から霧雨が降っているのだ。僕は前の方まで行き、デブの隣の席に座った。

 

 授業では演劇部の学生が、シナリオの朗読を始めた。コロラドの砂漠から、世界の果てにやって来た人々の物語だ。人々はコロラドの空を切り取って運んで来た。世界の果てには何もない。きっと空もないと思っていたから。

 

 

 

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2019年9月19日

勝訴

 

 明るいのではなく、ただ白い。白い光が差し込んでくる。部屋もその光に染められて白くなった。同じように白い紙切れが目の前にあり、そこには一言「勝訴」と書かれていた。

 

 

 

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2019年9月18日

月の光

 

 月の光が、奇妙な圧迫感を持って降り注いでいた。身体全体に、柔らかく重みのあるものが覆い被さってくるようなのだ。

 

 掛け布団にはある程度の重さが必要だ。軽すぎる羽毛布団では眠れない。そう考えている僕にとっては、理想の、眠るような月の光だった。

 

 

 

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2019年9月17日

ウィル・スミス

 

 君が「人類の歴史を変えた偉大な10人の女性」を挙げていくのを聞いている。外国の政治家だろうか、知らない名前も多い。つづいて男性。君がウィル・スミスの名前を筆頭で挙げるのを聞いて、僕は驚いてしまう。

 

 

 

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2019年9月15日

ベートーベン

 

 老人からかかってきた電話を、君が受ける。老人は君のファンだ。老人の声はデカい。重い病から回復したことを、君に感謝している。その声が僕にも聞こえる。後になって君は、その老人はベートーベンだったのだと言い出す。

 

 

 

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左手

 

 部屋でピアノを弾いている君を、背後から眺めている。ドアのところに立ったまま、じっと見とれていた。

 

 扉を閉めて、もっと近くに来るように、君は促す。

 

 君はまず左手のパートを弾き、次に右手を弾き、合わせて1つの曲にする。必ず左手からだ。

 

 

 

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ノアの箱船

 

 外は、激しい雨。君は、箱船に乗り遅れた人たちに傘を配るボランティアをしている。傘? そんなことをして何になるんだ、と僕は腹を立て、家に帰ろうとする。もうすぐ世界は終るのに。しかしずぶ濡れになりながらも人々に傘を渡している君の姿を見て、自分が恥ずかしくなり、すぐに引き返す。

 

 

 

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1年3組

 

 放送で、1年3組の岡村くんを呼び出す。ナイナイの岡村と同姓同名だな、と思う。僕は教室で、先生の机のところにいる。プリン似のデザートをもらった。窓際の、自分の席で食べようとするが、そこには、誰か他の人の荷物が置いてあった。

 

 

 

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2019年9月13日

読書する

 

 机に向かって、分厚い本を読むことになった。すぐ隣にも1台机があって、そこには日本人の男のコがいた。

 

 僕たちが読んでいたのは、『失われた時を求めて』の第3部と4部。

 

 男のコは大学生。見ると「愛について」とか何とか、メモを取りながら真面目に読んでいる。

 

 僕たちの背後には、君と、それから他に何人か、知らない人がいた。椅子に座り、僕たちの読書の様子を眺めているのだ。

 

 1日8時間ずつ、毎日僕たちは読んだ。1日が終ると、君は席を立ち近くまで来て、ご苦労様、というふうに、両手で僕の肩に触れた。

 

 

 

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2019年9月12日

円形

 

 コンセルヴァトワールのような、円い部屋を、円く囲む廊下を、奥に奥に進む。天井がやけに低く、すれ違う人々は、みんな身を屈めていた。

 

 

 

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2019年9月10日

土曜日の時間割

 

 新学期が始まり、僕は時間割を見ながら、教科書を鞄に詰めている。いったい何の授業なのか、副読本はメンズノンノの特大号だ。肩を脱臼してしまいそうなほど、鞄が重い。明日は土曜日だ。

 

 

 

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基地のある町

 

 航空写真を基に再現された「町」のブラモデルだった。中心部に軍用の滑走路が見える。部品はすべてつや消しの黒で、色をつける必要はなかったのだが、僕は白い塗料で彩色した。白黒写真のようになって、きっと格好いいだろう。そう思ったのだ。

 

 でも、それが失敗だった。夏の暑さで塗料が溶け出し、泥岩流のようになって、町を襲った。大災害のあとのようになってしまった建物や、掻き集められた白い泥に覆われた滑走路を見て、僕は村上龍のデビュー作の、主人公の空想の中の町を連想した。

 

 

 

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2019年9月 9日

合唱

 

 僕はオーケストラの指揮をしている。客席にグランドピアノが置いてあり、君はそこから僕の背中を見上げている。

 

「指揮なんてね、堂々とやればいいのよ、自分を三千歳の大ベテランだと思って」君はそう言う。そのとおりだ。

 

 僕は指揮棒を宙に放り投げ、大声で歌い出す。オーケストラのみんなも、観客も、僕に合わせて大合唱を始める。

 

 

 

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海の夢2つ

 

1、海の中を服を着た女の人が歩いている。ときどき波の上に顔を出して、何か話しかけてくるが、何を言っているのか、波の音でよく聞き取れない。

 

 

2、スーツ姿の政治家たちが、海中から続々と港に上がってくる。スーツはびしょ濡れ。選挙の必勝祈願のために、海で身を清めてきたと言う。浜の神社に、これから皆でお参りするのだ。

 

 

 

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2019年9月 8日

アイゴー

 

「アイゴー」と君は横から入ってきて笑う。それが挨拶なのだ。夢は夢で見たとおりになったが、僕は「アイゴー」と返していいのか迷う。

 

 

 

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2019年9月 7日

フェイク回文

 

 回文のようで回文ではない、フェイク回文を声に出して読んで、やっぱり回文ではないことを確認した。

 

 

 

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ポスター

 

 高校の夏の制服を着た女子。でも彼女は僕なのだという。まぁ悪くはない。「もう1人の自分」は女子高生だったのか。彼女は薄い和紙のポスターを手に持ち、陽の光に透かして見ている。

 

 ポスターを掲げ「このコンサートに行くの?」と彼女(=僕)は僕に訊く。そうだ僕は「この人が好きなの?」と。自分で自分に問いかけているのだ。

 

 

 

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2019年9月 6日

 

 起き出してくると、家には誰もいなくて、食卓に炊いた白米と、おにぎりが用意してあるのだった。おにぎりを分解して、ご飯にかけて食べているとき、隣のリビングの電話に着信があった。園口蛍という名前の人からだ。園口蛍という名前が明滅している。そんな知り合いはいないので無視していると、しばらくして家中の明かりが消え、窓の外には蛍のような光。そのときになって初めて、世界から音が消えていることに僕は気づいた。

 

 

 

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2019年9月 4日

休憩

 

 道端に腰掛けて、行き交う人々を眺めていた。そうすると、母親と手を繋いで歩く、子供たちと目の高さが同じになった。たくさんの子が、僕に手を振ったり、笑いかけたりしていく。

 

 母親たちがどんな顔をしているのかは知らないが。

 

 おじいさんが隣に来て「休憩かい?」と訊いた。そうです。おじいさんは「ならワシも休憩するかの」と言ってビールを飲み始めた。

 

 おじいさんはずいぶん遠いところからやって来たようだ。何しに来たんですか?「休憩しに来たんじゃよ」休んでから帰るんですね?「そうそう」

 

 ビールを飲み終えると、おじいさんはスマホでタクシーを呼んだ。

 

 

 

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2019年9月 3日

悲劇のヒロインごっこ

 

 娘が、入院中の母親の面会に来る。母親は無菌室の、回転する円筒の中で寝ている。娘は「ガラス越しのキスなんて、馬鹿なことはやめて下さいね、親子なんだから」と医者に注意されるが、気にする様子もない。また何か、新しい遊びを考えてきたのだ。

 

 

 

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2019年9月 2日

大の字

 

 べッドで寝ていた。すると人がやってきて、僕の上に布団を敷いて、その上に寝た。どうやら僕は間違ってその人のベッドで寝ていたようだ。しかたなく幽体離脱して、ベッドの上に出た。見てみると、僕の上で大の字になって寝ているのは、やけに腕の長い男女だった。

 

 

 

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2019年8月31日

着替え

 

 そのお店では、客にも清潔感が求められる。先ず買い物の前に、更衣室に用意された白い服に着替えなければならなかった。下着まで替えるのだ、まったく。とにかく着替えて、売り場に向かったが、何が欲しかったのか忘れてしまった。

 

 

 

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2019年8月30日

木 雲

 

 僕は部屋にいた。床に寝転んでいた。たしかに部屋の中だった。でもそこには木が生えていた。床から発生した上昇気流に乗って、白い雲が空に上っていく。雲は木の枝に引っかかって千切れた。起き上がるまでそれが夢だと気づかなかった。

 

 

 

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開店セール

 

 11時、開店と同時に入店した。店はたくさんの人で賑わっていたが、そのほとんどは客ではなく、スタッフだったのかも知れない。僕は棚のいちばん上のガラスの板を、何枚も買い物カゴに入れた。重かったのでレジまで台車で運んだ。

 

 隣には若い夫婦がいた。見たことがある顔だった。さっきまでオープンカーで通りをパレードしていた夫婦だ。あれは随分と派手な結婚式だった。

 

 

 

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2019年8月29日

太宰と女

 

 太宰治の夢を見た。太宰が愛人のナントカさんと一緒に土手で寝転がっている夢だ。女には腕が3本も4本もあったが、太宰の腕は1本しかなかった。腕枕をしてやれればいいんだが、と太宰はすまなそうに言う。気にしないで、と女は答える。

 

 

 

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サイン入りの布団

 

 布団が古くなった。捨てようと思う。面倒くさいのでトイレに流してしまおう。しかし流れなかった。流れなくて当然である。

 

 それによく見ると布団は山口百恵のサイン入りだった。捨てるよりオークションに出した方がいい。きっと高く売れるだろう。

 

 

 

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2019年8月28日

近所の子供

 

 朝遅く起きて一階に下りていくと、リビングには知らない子供が何人かいた。いやそうだった忘れてた、今日は娘が近所の子供たちの勉強を見てやる日だ。娘も子供たちも、だらしない格好で現れた僕を完全に無視している。

 

 食卓のテーブルには朝食が出ていた。僕の分だろう。温めなおして食べようとしていると、どこからか子供たちの父親がやってきて言った、おいしそうですね。

 

 

 

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