2020年1月23日

マウスピース

 

 睡眠中激しく咳き込んだ僕は、明日のジョーのように口からマウスピースを吐き出した。綺麗に洗ってからまた装着しようと1階の洗面台に行ったところ、知らない女のコ2人がそこで歯を磨いていた。日本語で「あ、すみません」と言ってから、英語で「ハロ、ハワユー?」と挨拶したが、彼女たちは無言だった。そういう夢。明るい朝の光。

 

 

 

| | コメント (0)

菓子パンカルテット

 

 その太った有名人は菓子パンを食べながら質問に答えている。隣に座ったマネージャーが嗜めるが、言うことを聞かない。その様子を見て、僕たちは取材への興味を失った。会見場を出ようとする。すると後ろからベートーベンの弦楽四重奏曲の演奏が聞こえて来た。アーティストとそのマネージャーたちで結成したカルテットだ‥‥そういう夢。

 

 

 

| | コメント (0)

2020年1月22日

居候

 

 マダムの家に居候させてもらっている。あえて「寄生」とは言わない。あくまで居候だ。

 

 家にはマダムと、マダムのハンサムな息子がいる。彼は口がきけない。僕は手話ができない。それで僕たちは、意思疎通をするのに紙に絵を描く。

 

 僕は「こんなところで何をやっているんだろう?」という絵を描いて彼に見せた。「いつまでもマダムの好意に甘えているわけにはいかない」。そのメッセージが正しく伝わったかどうかはわからない。

 

 すると返答として彼は「僕たちは友達だよ」という絵を描いて僕に見せた。「それに母も君を気に入っているんだ」

 

 彼は驚くほど絵がうまかった。どうしてそんなにうまいんだろうと思っていたら、建築家なのだという。

 

 

 

| | コメント (0)

空き部屋の幽霊

 

 僕は幽霊になって、空き部屋に住んでいる。部屋の前は大通りで、大勢の人が行き交っている。その全員が、僕の部屋の鍵を持っていて、中に入って来ようとする。

 

「出て行ってくれ、ここは僕の部屋だ」と僕は訴える。だがその声は届かない。幽霊の僕は声を持たない。

 

 ドアチェーンを掛けておけばいいだろう、と僕は気づく。しかしチェーンは簡単に引き千切られてしまう。

 

 大通りには交通整理の婦警さんが出ている。警察に訴えてみよう、と僕は決意する。声は届くかも知れないし、届かないかも知れないが。

 

 

 

| | コメント (0)

流れ星

 

 真昼の空にも星は流れている、と君は言うけど。周囲が明るすぎて、見えないだけで。確かにそうだろう。でも僕は僕に見えるものを見る。何が見えたか覚えておいて、君には僕が見たかったものを見せる。

 

 流れ星を見た。僕は生まれて初めて見たのだ。

 

 

 

| | コメント (0)

2020年1月21日

付き人 子供たち

 

 マダムの事務所で働くことになった。といっても大した仕事があるわけではない。事務所のスタッフというわけでもない。僕はマダムの個人的な付き人だった。仕事といっても、マダムのおでかけに付いていって、タクシーを呼び止めるくらいしかやることがない。

 

 それ以外の時間、僕はマダムが保護している難民の子供たちと一緒に、フランス語の絵本を読んで過ごすのだ。子供たちの1人が、僕の滅茶苦茶な発音を聞いて、お姉ちゃん、どうしてそんなにフランス語が下手なの? と訊いてきた。フランス語はともかくとして、僕は男なのだが。

 

 

 

| | コメント (0)

2020年1月20日

駐車禁止

 

 起きてみるといい天気だった。洗濯物を干そうと僕たちはベランダに出た。しかし物干しには既に大量の下着や靴下やタオルが干されていた。ものすごく大きな下着や靴下やタオルが。人間の使用するサイズとは思えなかった。

 

 しかしそれよりも驚いたのは、ベランダに車が駐車していたことだ。白のワンボックスが2台。どこからどうやって入ったのだろう。「たまに停まってることあるけど、謎よね」と君も言った(驚かないようだった)。

 

 

 

| | コメント (0)

How are you

 

 またいつもの挨拶「ハワユー」

 

 何も答えずにいると「ファイン? ファインでしょ」と畳み掛けてくる君を愛している。

 

 

 

| | コメント (0)

パニック

 

 出来心でテーブルの上にあったポカリスエット系飲料を一口飲んでしまった。水でも足しておけばわからないだろうと思っていたが、それは甘すぎる見通し。飲料と水が完全に分離してしまい、バレバレである。パニックになって水を捨て飲むヨーグルトを足したら、今度は色が違う。味もおかしくなってしまった。

 

 

 

| | コメント (0)

2020年1月18日

町を見下ろし笑う

 

 以前「殺人者」の夢で見た玉座がどこにあるのかわかった。夢で見たのと同じ階段を50段上った。

 

 町を見下ろすコンサートホール、女王の服を着た君、肩にダウンジャケットを羽織って、高齢の母親とその友人たちに囲まれている。

 

 駐車場の車で帰るという。あなたはどうするの? ホテルまで送っていこうか? タクシーを呼ぶ? いや、ホテルはすぐ近くだから、歩いて帰るよ。わかった。

 

 目で「またね」と言って、階段を下りようとすると、君は駆け寄って来て、僕の手を取った。母親の年配の友人たちを振り返り、韓国語で何か話した‥‥

 

「何て言ったの? 僕のこと?」

 

 それには答えず、「じゃまたね」と耳打ちして、君は玉座に戻った。僕も「またね(アビアントゥ)」とみんなに手を振った。

 

 すると驚いたことに、全員がフランス語でまたねと応えるのだ。これは実話だ。僕は目を丸くした‥‥君は笑う。

 

 

 

| | コメント (1)

2020年1月16日

ジャズ・フェスティバル

 

 広い庭の奥に僕の家はあった。庭は数日前の夢で見た児童公園のようだった。異国風の滑り台とブランコがライトアップされている。もう何日も家には帰っていない。その日もライトアップされた庭を横目で見ながら僕は自分の家を通り過ぎた。ピアノの練習をしにスタジオに行かなければならなかったのだ。

 

 それから何日か過ぎ久しぶりに帰ってみると、僕の家と庭はジャズ・フェスティバルの会場になっていた。ステージの周りに、すり鉢状に客席が積み上げられていて、ほぼ満席である。テレビカメラの中継まで入っていた。カメラを覗いてみると、そこに映っていたのは、ステージでジャズを弾く自分の姿。あんな曲を練習したことはいちどもなく、どうして弾けるのか謎だった。

 

 

 

| | コメント (0)

ゴミ回収

 

 ブルドックと人間が合体したような生物が、空のペットボトルと空き缶を使った斬新な嫌がらせを僕にしてくる。僕も空のペットボトルと空き缶を集めて仕返しをしようとするのだが、難しくてなかなか上手くいかない。それをどうやっても嫌がらせにはならないのだ。ホームレスかゴミ収集人のように、ただペットボトルと缶を回収しているだけになってしまう。嫌がらせとは真逆の社会貢献になってしまうのだ。

 

 

 

| | コメント (0)

2020年1月14日

政治家

 

 政治家の付き人をしていた。していたというか、その日に始めたばかりで、具体的に何をすればいいのかわからず戸惑っていた。政治家の後に付いて事務所に戻ってきたのは真夜中の五分前だったが、そこではたくさんの人が忙しそうに残業をしている。政治家先生は奥の部屋に直行して寛いでいるご様子。事務所内にはまだ僕の席というものはなかった。

 

 

 

| | コメント (0)

公園

 

 住宅団地の、同じ街区に住む3人の女子大生と知り合った。

 

 髪が長い。それ以外の特徴はない。極めて普通っぽい。

 

 休日はどう過ごすの? と訊いてみた。「1人で 公園に行く」

 

 公園って、近所の? あの狭い公園に? 1人で?「そう」

 

 3人とも、近所の児童公園が大好きだと口を揃えた。

 

 

 

| | コメント (0)

2020年1月13日

障害者

 

 ボランティアの人と一緒に、障害者手帳を貰いに行く。気づいてないが、僕には障害があるらしかった。たぶん頭がおかしくなったのだろう。ぼんやりして、喋ったり考えたりすることが難しい。それともそれは、薬の影響だろうか。僕は寝ぼけているみたいだ。

 

 ボランティアの人が、障害者手帳の使い方を説明してくれる。「満席のカフェでも、手帳を見せれば席を譲ってもらえるの」。僕が書いたという作文を、誰かが持って来た。「ボランティアのみなさん、いつもありがとう」という内容だが、そんな文章を書いた覚えはない。

 

 僕は少し腹が立ってきた。悔しい。怒りたい。でも怒れない。薬のせいで、強い感情を持つことができない。

 

 

 

| | コメント (0)

共演

 

 僕の子たち、正妻が産んだ息子と、愛人に産ませた娘が、成長して俳優になり、映画で共演する頃には、僕はもう死んでいた。

 

 笑えない話だったが、笑うやつもいた。

 

 

 

| | コメント (0)

2020年1月12日

酔っ払い

 

 本当に楽しいときは、コカコーラで酔ったりする。

 

 もっと楽しいときには、息を吸って吐いてるだけで、‥‥空気に酔ってしまう。

 

 コンサートが終わり、楽屋の扉のすぐ外で、ステージ衣装のままの君と、話をしていたら、そんなふうになってしまった。

 

 いつものように、フランス語と、英語と、韓国語をごっちゃにして話をしていたら、自分が何を聞いて、何を答えているのか、全然わからなくなってしまった。

 

 まったくいつものことなのだが、ただその夜に関しては、僕がいつも以上に唐突に使用言語を切り替えるので、君まで混乱してしまったようだ。

 

 何が可笑しかったのか、お互い、何も可笑しなことは言ってないのに、すべてが可笑しくてたまらなくなり、笑いが止まらなくなった。

 

「ヤバい、もう戻らなきゃ」と2人同時に言う、笑いを堪えながら、僕たちはキスをする、

 

 そのことが可笑しくて、さらに大きな声で笑った。

 

 

 

| | コメント (0)

オリビアをききながら

 

 引きこもっていたはずの友人が僕をカラオケに誘った。引きこもるのはもうやめたのだろうか。車で迎えに来るというが、いつの間に免許を取ったのだろう。カラオケも苦手なはずだったが?

 

 オリビア・ニュートン・ジョンが「アイ・キャント・ストップ」と歌っている歌が聴きたくて、その歌を伴奏に流しながら、飲み物を飲んで、話をする。彼は「それはオリビアの曲ではない」と言い張った。「こんなのは聴いたことがない」と。

 

 別に誰でもいい。オリビアじゃなくてもいい。特に歌いたい歌があるわけでもない。だからどうでも良かったし、それで良かったのだが。

 

 

 

| | コメント (0)

2020年1月10日

催眠術

 

 僕と目が合うと、人は寝てしまう。小さな子供だと、数秒かからない。大人でも、1分、目を合わせたままだと、だめなようだ。迷惑になるので、人と話すとき、僕は俯いて、自分の靴を見ていた。磨いた革靴に、自分の顔が映っていた。

 

 

 

| | コメント (0)

マーラーの5番

 

 開店前の居酒屋で、マーラーを聴く集まりがあった。クラシック同好会の企画だ。僕は同好会のメンバーではないのだが、そのマーラーの回だけ参加していた。会員である友人に招待され、特別に参加資格をもらったのだ。

 

 約束の時間の5分前に着いたのに、メンバーはまだ誰も来ていないようで、僕は勝手に席に着く。すると居酒屋のマスターから、注意を受けた。そこは誰々さんの席だよ、と。

 

 

 

| | コメント (0)

掃除機

 

 象の鼻の先にプロペラが付いたような機械。それはトイレ専用の掃除機だというが、掃除機には見えない。使い方もよくわからない。たぶん業務用だろう。下水管の奥まで掃除するのだろう。

 

 

 

| | コメント (0)

2020年1月 9日

名言愛好会

 

 メンバーの1人が持ち寄った「愛しているから、放っておけない。放っておけないから、愛している」という名言を皆で鑑賞している。男女7人の弁護士で構成された、名言愛好会だった。温室の中の丸いテーブルを囲んでお茶している。

 

 

 

| | コメント (0)

松本たち

 

 トニー松本のような小男が、ダンプ松本のような大女たちと、船で旅をしている。凶暴な松本たちは、貧相な松本を嫌っていて、ある日彼を海に投げ捨てる。彼は泳げない。

 

 溺れ死んでしまうだろう。

 

 僕は航海士の男と一緒にいた。彼はものすごく目がいい。それで遥か後方、波間で浮き沈みしているトニーを見つけた。助けに行こう! 僕たちは救命ボートで漕ぎ出した。

 

 緑色の海には油が浮いていて、その上を歩くことができた。表面張力が高い。ボートなんか要らない。僕たちは歩いてトニーのところまで行った。トニーも元気にしていて、助けに来た僕たちに、もう凶暴な松本たちの元には戻りたくない、と訴えた。

 

 視力のいい航海士と僕とトニーは、そのまま海の上を歩いて行き、辿り着いた島で野人と暮らすことにした。

 

 

 

| | コメント (0)

2020年1月 8日

朝日

 

 なぜか黒い革靴が初日の出的な朝日を浴びて光り輝いている。朝日なんかないのに。靴なんかないのに。

 

 

 

| | コメント (0)

小冊子 ロビー トイレ 生意気な口をきく子供

 

 コンサートの前に変な催しがあった。君に小冊子を3冊渡された。読んで意見を紙に書くのだそうだ。仏語や英語で書くのは無理だと答えた。日本語でも構わない? 構わない。あとで余裕のあるときに訳してくれればいい。

 

 それで細かい字で紙をびっしりと埋めたのだが、他の人の回答を見ると、おもしろかった、とても興味深い、くらいの感想しか書いていないのはどういうわけだ?

 

 まぁいい。感想文の提出を終えて、僕はロビーに出た。トイレに行きたかった。ロビーには信じられないことに日本人がいて、日本語で化粧室の案内をしてくれた‥‥

 

 トイレの鏡に自分が映った。鏡の中の僕は、パーカーのフードを目深に被っている。そんなテロリストみたいな格好でここに来た覚えはないのに。

 

 トイレから出たところで、カートに乗った子供とぶつかった。カートの前輪部分が曲がってしまった、とその子は僕に文句を言う。

 

 

 

| | コメント (0)

2020年1月 7日

ドラミング

 

 みんなで机を手のひらでリズミカルにバンバン叩いて演奏する、そういう集まりだった。どういう仕掛けがあるのか知らないが、そのまま叩きつづけると、机自体もボールのように上下に跳ね始めた。

 

 

 

| | コメント (0)

最後の買い物

 

 空港のテレビジョンで、僕は世界大戦の開始と終了を知った。中東を経由して日本へ向かう帰りの飛行機が、30分遅延し、1時間遅延し、5時間遅延した末に、結局欠航になった。その5時間の間に、日本という国はなくなってしまったらしい。寝て起きたら、国が消えていた、という人もいるのだろう。

 

 電車に乗って、君の住む町へ引き返す。クレジットカードが使える内に、急いで行った方がいいだろう。お腹は減ってなかったけど、チーズとパンを買って、君のためには、チョコと花を買った。一瞬にして世界の半分が消えた、終わりの日、この最後の買い物が、君に贈る花束だったことは、声を大に自慢していいことのように思えた。

 

 

 

| | コメント (0)

柄杓で水汲み

 

 トイレには大きな窓があった。その窓の向こうは夏草の生い茂る平野だった。窓を大きく開けても通る人はいないと思っていた。思ってはいたけど最悪のタイミングで人は来た。柄杓を持ったおばさんが水を汲みにやって来たのである。

 

 

 

| | コメント (0)

野球放送

 

 僕は野球の実況を聞きながら食器を洗い、今日は何をするつもりだったのか、必死に思い出そうとしている。また寝過ごしてしまった。また1日を無駄にしてしまった。いったい何度目の「再度」なのか。すでに寝起きから投げやりな気持ちでいっぱいで。

 

 ノロノロと布団から這い出し、居間に顔を出してみる。友達が勝手に上がり込んでテレビで野球を見ていた。台所には洗いものが溜まっていた。勝手に何か料理して食べたのだろう。

 

 

 

| | コメント (0)

2020年1月 6日

私がまだ男だった頃

 

 私は女になっていて、背の高い男と結婚していた。ある日その夫が浮気している現場を押さえたのだが、私にはまだ男だったときの記憶も残っていたので、気分は複雑だった。

 

 夫の浮気相手は、ぽっちゃり系の若い女性で、私に見られているのに、裸の胸を隠そうともせず、余裕の笑みを浮かべていた。男だった頃の、私好みの身体だった。

 

 

 

| | コメント (0)

約束の地

 

 自転車で旅をしている内に、僕たちはローマに辿り着いた。実際のローマではなく、自らローマを名乗っている、ローマということになっている町で、それはいわば我らの、お約束のローマだ。

 

 そのローマ風の壁が、ローマ風の広場が、苔生した約束の地が、すべて水没しかかっているのを、僕たちは目にした。

 

 

 

| | コメント (0)

「企業」「家庭」「ななみ」

 

 どうしてもJRがいいなら、隣の2番ホームで待つといい。「企業」「家庭」「ななみ」といった奇妙な駅名が並ぶ路線図を見せながら、僕は巨人のような駅員さんに、動物園へ行くには何番ホームで乗り換えればいいか質問していたのだが、意外にもその巨人は、都電で行くことを薦めた。間違って空港シャトルに乗らないようにね。

 

 お礼を言って僕は、階段を上がった。

 

 

 

| | コメント (0)

2020年1月 5日

働きアリ

 

 アリの着ぐるみを着てプラカードを持った集団が、向こう岸を行進していた。デモ行進なのだろう。本物の働きアリに似せるために(?)全員ガニマタで歩いているのが面白かった。大人も、子供も、若い女性もみんな。

 

 

 

| | コメント (0)

2020年1月 4日

蒸発

 

 朝食にフライパンで卵を焼いていたのだが、加熱しすぎて蒸発してしまった。ほんのちょっと目を離しただけなのに、その間に卵は蒸気となって消えてしまった。信じられない気持ちでいっぱいだ。

 

 しかたなく代わりにパスタを茹で始めた。少しくらい蒸発してもいいように多めに茹でたのだが、蒸発などするわけない。結果1人では食べ切れない量になってしまった。

 

 

 

| | コメント (0)

ネタ切れ

 

 見たことのないお笑い芸人が炊飯器をネタにしたギャグをやっているが全然おもしろくない。

 

 

 

| | コメント (0)

2020年1月 2日

2020年初夢(その6、コンクール編)

 

 ピアノのコンクールだった。1日かけて予選が終った。夜も遅いので、全員が会場に泊まり込む。

 

 食堂のテーブルの上や、床に直接布団を敷いて寝ろ、ということらしい。寝具を探してあちこちの部屋のドアを開けてまわった。

 

 そのときに入った部屋で、僕は偶然、採点を見てしまった。本選に残ったのは8人。やはり、あの中国人の女のコが本命だ。

 

 

 

| | コメント (0)

2020年初夢(その5、家庭教師の男編)

 

 部屋の木のドアが壊れ、枠から外れてしまった。プライバシーが保てなくなるのは、困る。自分で修理しようとしたが、無理だった。入り口はとりあえずボール紙で目隠しして、人を呼んだ。だがやって来たのは、家庭教師の男だった。

 

 

 

| | コメント (0)

2020年初夢(その4、ボールペン追跡編)

 

 胸ポケットから、ボールペンを落とした。ペンは、跳ねながら転がっていった。僕はそれを、どこまでも追いかけた。結局掴まえることはできず、見失ってしまった。そして顔を上げると、夢から醒めた。辺りを見て、

 

 驚いた。僕が目覚めたのは、全然知らない場所だった。手にボールペンを持ち、今見たばかりの夢をメモしている。その字を読み返そうとすると、すべて消えてしまった。文字以外のものまで、全部。

 

 

 

| | コメント (0)

2020年初夢(その3、イマジン編)

 

 目を閉じてイマジンすると、その人は現実になった。僕のイマジンはずいぶんと雑なイマジンだったので、その女の人も何だか雑だった。大柄で、表情に乏しかった。床に座ったまま、立ち上がろうともしなかった。こんなことなら、もっと丁寧にイマジンすれば良かった。抱いてみても、少し乱暴な言葉をかけても、彼女はその投げやりな表情を変えなかった。

 

 

 

| | コメント (0)

2020年初夢(その2、順番待ち編)

 

 僕は小さな男の子だった。とすると目の前にいる若い女性は母親だろうか。女性は2人いた。髪が長い方と短い方、どちらが僕の母親なのだろうか。2人は女同士でキスをしていた。僕はおとなしく順番を待っていた。キスの順番を待っていた。次に僕にキスしてくれる女性が、きっと僕の母親だろう。

 

 

 

| | コメント (0)

2020年初夢(その1、広場編)

 

 広場観は人それぞれだろう。「広場」と聞いて、どのくらいの広さの場所を思い浮かべるのかは、人によって違うと思う。そして僕のいう「広場」は、世界の誰の広場よりも広い。カルロス・ゴーンの広場より広い。トランプ大統領の広場よりも広い。絶対の自信がある。そんな広場で女房と娘と一緒だった。娘はまだ、小さく、僕たちの側を離れようとしない。女の子って、こんなものなのだろうか。好きなだけ走り回って、ときに転んだりすればいいのに。

 

 

 

| | コメント (0)

2019年12月31日

意見広告

 

 SUV車を買うつもりだ。BMW、トヨタ、幾つか候補がある。スマホで比較検討しながら、雨の町を、タクシーで、1人、移動していた。

 

 車が、大きな看板の下を過ぎた。この国でオープンカーの屋根を開けて走ることができる晴れの日は、400日の内たった3日だけだと書いてある。それなのにあなたは買うのですか?

 

「オープンカーを? ‥‥何の話?」

 

 

 

| | コメント (0)

2019年12月30日

疲れ

 

 気温と人口密度が低い、外国の町だ。僕は子供だった。子供の頃僕は疲れなかった。車道を走って横断する。走るのは車道だからではない。移動は常に全力疾走だ。どれだけ走っても、全然疲れなかった。

 

 

 

| | コメント (0)

2019年12月29日

形見分け

 

 駅前で瀕死の男に出会った。もうすぐ死ぬという。靴でもコートでも時計でも何でも、欲しいものがあったらやるという。茶の革のブーツが良かったので、試着させてもらった。サイズは24.5cmだというが、ぴったりだ。

 

 お礼を言おうとすると男は死んでいた。

 

 急いで語学学校に行かなければならなかった。教室は駅に停車した電車の中だ。駅員に学生証を見せて改札を抜け、ホームを走った。発車のベルが鳴る‥‥。

 

 

 

| | コメント (0)

2019年12月28日

宿題

 

 ちょっとお行儀が悪かったけど、食事中のテーブルを跨いで乗り越え、その向こうの窓を開けて、ベタンダに出た。ハーブが生い茂っている。隣の家の子が、そこに机を出して宿題をしていた。

 

 

 

| | コメント (0)

 

 着替えをしようと思ったが、その部屋には人がいる。でも気にしないでいいよと言われる。その人は耳が聞こえないから。着替えても大丈夫。

 

 兎や鼠や、象の耳をした小さな人間の子供たちが、はしゃぎ回っている。人間たちにぶつからないように、気をつけて歩いていく。

 

 

 

| | コメント (0)

2019年12月27日

終着駅病

 

 老婆が言った。私はターミナル病なの。ターミナル病。死に至る、不治の病だ。僕たちは言葉もない。各々「お気の毒です」という表情をつくって、それを順に老婆に見せる。

 

 

 

| | コメント (0)

2019年12月26日

本を返す

 

 誰か偉い人が来るとかで、みんな起立した。パラパラと拍手が起きた。僕はスーツの上に、黒っぽいコートを着たままだった。偉いのは誰なのか知らない。どこに来るのかも知らない。もう来ているのかも知れなかったが、僕たちはそのまま、立ったままで雑談をつづけた。

 

 赤ん坊がいたので、笑わせようとした。

 

 すると以前に、僕に占いの本を借りたままだった、という女の人が、すっと隣に来た。本を返しに来たよ、という。

 

 

 

| | コメント (0)

2019年12月24日

formidable

 

 私の大好きな、私の自慢のあなた。君は言う。誰に自慢するの、と僕は訊いた。会う人みんなに、と君は答える。あなたは formidable だって言うの。フォホミダブル。僕は何度もなんども辞書を引く。その度に formidable には新しい意味が付け加えられていく。

 

 

 

| | コメント (0)

コインロッカー駅

 

 電車に乗っていて、わからなかった。いつの間に雨が降り出したのだろう。乗り込んできた男の傘が濡れていた。そいつの傘で、僕の足も濡れてしまった。

 

「ポーシャン・アレ、ガール・コインロッカー、ガール・コインロッカー(次はコインロッカー駅、コインロッカー駅)」僕はやや気分を害したまま、そのコインロッカー駅で降りた。が雨など降ってなかったし、コインロッカーもなかった。

 

 

 

| | コメント (0)

2019年12月23日

青い空気

 

 その惑星の空気には、青く色がついていた。乾燥した砂漠の古い町だったが、そのおかげで水の中にいるように感じられた。

 

 宇宙船から、降下した探索挺。男はその青のせいで寒いと感じた。女は反対に暑いと言って、冷蔵庫の中に手を突っ込んだ。

 

 

 

| | コメント (0)

ジョイ

 

 僕はトレイシーの声で「ジョイ」を歌う。僕は自分の声が別の人の声になっているのに気づかなかった。自分で歌っているのに自分が歌っていると気がつかなかった。どこにスピーカーがあって、どこからこの歌が流れてくるんだろう、と不思議に思っていた。

 

 トレイシー・ソーンは真っすぐに僕を見つめている。「いい歌ね」と僕の声で言った。それからトレイシーは僕の声でもういちど最初から「ジョイ」を歌った。すると歌詞が少し変わった‥‥。僕はほんの少しの間目を伏せたが、その間も彼女はこちらを見つめていた。

 

 

 

| | コメント (0)

2019年12月22日

メニュー

 

 レストランに行くと君は先に来て待っていて、君はメニューには載っていない料理を、店のシェフに直接注文したようだった。

 

 テーブルについた僕はとりあえず店の人を呼んだ、店の人は丁寧にメニューの説明をしてくれたが、その仏語を僕は半分も理解できず、逐一‥‥君に英語で解説してもらった。

 

 

 

| | コメント (0)

未来

 

 ものすごいスピードで未来がやってくる。その「未来」もあっという間に過去になる。時速300キロで高速道路を疾走する夢を見た。僕はリラックスして運転席に座っている。ほぼ自動運転なので大してやることもないのだ。道路は片側6車線ほどある。車は流線型で、風切り音もなく、ほとんど揺れない。移動の感覚はない。ただ景色だけが変わっていく。

 

 

 

| | コメント (0)

2019年12月20日

棒アイス

 

 世界は君を誇りに思っている、という褒めレターが効いた。破壊的なくらい調和的だ。君の奏でる音はこの世のすべてと美しいハーモニーを、どうたらこうたら。それが効いたらしい。早めのクリスマスプレゼントをもらった。新春コンサートのチケットだ。

 

「ベートーベン好きとか、言ってたよね?」「すごい、交響曲第7番」「これなら寝ないでしょ」「大好きな曲なんだ」 という会話があった次の日、こんな夢を見た。

 

 ‥‥

 

 身長8メートル、巨神兵サイズの女児が、棒アイスを僕に渡そうとする。棒アイスも巨大だ。正直欲しくないが、断り方を間違えたら、泣いて暴れて、町を破壊されそうなので、慎重にいかなければならない。

 

 

 

| | コメント (0)

2019年12月19日

たむろする人たち

 

 忙しいのが嫌い。怠けているのが好き。集まったメンバーは皆ずいぶんと若い格好をしていたが、リーゼントには目立つ白髪があった。

 

 

 

| | コメント (0)

危険なエスカレーター

 

 デパートに来ているときに携帯電話が鳴った。人と会う約束があった。彼らも同じデパートに来ているというので、8階のバルコニーで落ち合うことにした。

 

 その階まで上がるエスカレーターは、とても狭かった。幅が50cmほどしかなかった。フロアは吹き抜けになっていて、足を踏み外せば1階まで落ちてしまう‥‥。言われなくても手すりにしっかりと掴まって1列で乗るしかなかった。

 

 

 

| | コメント (0)

2019年12月17日

放課後

 

 その日の授業が終った。僕は教室を出て、右足だけで階段を下りた。ケンケンケンと、3段抜かしで飛び跳ねていった。僕には左足がなかったのかも知れない。‥‥ よく覚えていない。

 

 校舎を出ると、そこは空港の出発ロビーだった。飛行機に乗り遅れた、という女の人が取り乱していた。空港の職員が何か話しかけていたが、言葉がわからないようだった‥‥ 。職員の制止を振り切り、その女の人は滑走路に飛び出した。そして空を見上げながらどこかへ駆けていった。

 

 ‥‥授業が終った。その後に清掃の時間になった。僕ともう1人の男子生徒は、狭い放送室の担当だった。掃除はすぐに終わり、その男子生徒は先生のところへ終了の報告に行った。僕も「終ったら各自下校してください」と放送して、帰る準備を始めた。

 

 僕たちはベランダから外に出た。そこは懐かしの渋谷のように見える繁華街だった。彼は映画を観ると言い、どこかのビルの中に消えていった。ふと気づくと、路上には僕1人だった。誰もが屋内にいる‥‥ 。繁華街は2倍の広さに感じられた。

 

 

 

| | コメント (0)

褒めレター

 

 またラブレターを書いて、送った。内容は愛の言葉というより、褒め言葉だった。ここを褒めれば喜ぶんじゃないかな、というところを褒めて褒めて褒めまくる。それが上手くツボにハマれば返事が来る。完璧な褒め言葉だわ、と君も僕を褒めてくれる。

 

 世界にここまで日常的に私を褒めてくれる人はいない、と君は言うが、その言葉だけでは、僕は愛されているのか、ただ単に感謝されているだけなのかわからない。でも君にはわかるのだ。自分は褒められているのか。それとも愛されているのか。そもそもその2つを分けて考える必要はあるのか。

 

 僕には決してわからないその違いが。

 

 君を一生褒めつづけたい、という言葉で僕は、プロポーズした。永遠の愛を僕は誓えない。永遠の褒め言葉なら約束できる。一生の間、毎日欠かさず君を褒める。君は真顔で答えた。私もあなたに永遠に褒められたい。

 

 僕はわからない。僕は愛しているのか。それとも褒めているのか。そもそもその2つを分けて考える必要はあるのか。ただ1つだけわかることがある。誰かを永遠に愛しつづけるのは難しい。しかし君を永遠に褒めつづけることはできるのだ。僕ならば、ごく簡単に。

 

 

 

| | コメント (0)

2019年12月15日

めはくちほどにものをいい

 

 僕はいつものように、表の木のところに歯ブラシを置いていた。

 

 今朝取りに行くと、昨日の雨で木も歯ブラシも流されていた。

 

 僕は手ぶらで洗面所まで戻り、歯ブラシが雨で「流れちゃったんだ」と伝えた。

 

 女房は何も答えなかった。キチガイを見るような目で、僕をちらっと見ただけだった。

 

 

 

| | コメント (0)

バスタブの付き人

 

 バスタブが2つあった。1つには僕が、もう1つには新米の女のコがついた。

 

「もう少し熱くしてくれ」と僕のバスタブに浸かった男が言った。僕は時計回りにバスタブを半周した。「うん、これでいい‥‥」

 

「もっとぬるいのがいいの」と新米の担当するバスタブに浸かった女が言う。「冷ますことはできないんです」と新米は答えた。「どうして? 反時計回りすればいいんじゃないの?」

 

「無理です‥‥」「あんたじゃ話にならないわ。あっちのベテランを呼んで」

 

 というわけで僕が呼ばれた。しかし無理なものは無理なのだ。僕たちは2人でバスタブを何周もした。湯は完全に沸騰し、蒸発した。

 

 

 

| | コメント (0)

診療報酬

 

 僕は病院に呼ばれた。「いつものやつをやってくれ‥‥ 」医者は言う。そこには昏睡状態の患者が寝ていた。「何周まわればいいのかな?」

 

 僕は時間を進めることができた。ベッドの周りを1周、それで1日だ。30周、1ヶ月だ。患者はまだ目を覚まさない。

 

 ベッドの周りを、365周した。患者の時間は1年進んだ。それでも目覚めなかった。

 

 医者はもう諦めるといい、家族も同意した。生命維持装置が外された。‥‥こういう場合、僕は報酬を請求できない。

 

 

 

| | コメント (0)

2019年12月14日

ザード

 

 僕はアスファルトに咲く花だ、とどこかで聞いたようなことを君に言い、

 

 目の前のお花畑ではなく、あえてアスファルトの割れ目に種を蒔いた。種は芽吹いて、淡いピンク色の花が咲いた。

 

 花の季節が終って、お花畑が更地になってしまった後でも、アスファルトに咲く花は、ひっそりと咲きつづけた。

 

 更地には病院が建てられた。僕の友達がそこに入院して、退院した。その間も花は咲いていた。

 

 

 

| | コメント (0)

2019年12月13日

アウトドア・シューズ

 

 夢を見ているときの僕はいったい何歳の何様のつもりなんだろう。いつも昼まで寝ている。そして働いたこともない。今日は大運動会だ。僕も大50m走に出なければならない。だから早起きした。でもクツがない。スニーカーは底に穴が開いてしまった。それで捨ててしまった。

 

 

 

| | コメント (0)

電話係

 

 仲間と身代金目的の誘拐をする。誘拐する係、電話する係、身代金を受け取る係、3班に別れる。

 

 僕はいちばん楽な電話係。

 

 電話係だけで予行演習をする。だがセリフが書かれた台本がみつからない。隣の部屋へ探しにいくと、仲間の1人がヘッドホンで音楽を聴きながら、踊り狂っている。

 

 それで踊り狂う係は楽しそうだな、と‥‥。

 

 何を聴いてるの? 彼女は答えてくれない。

 

 

 

| | コメント (0)

«コースター