僕たちの暮らしの終わり ‥‥ The end of life as we know it
ベッドルーム→
→独立したバスとトイレ、
→ダイニング・キッチン、
リビング→
窓を開けるとガーデン・テラスに出られる。広さは18畳ぐらい。パソコンがあるリビングとダイニング・キッチンを合わせたより広い。チェアとテーブルを置いて日よけのパラソルを立てれば、きっとオシャレに演出できると思う。
実際、隣では夏になるとよく人を集めてパーティを開いている。ちょっとしたビアガーデンだ。夜な夜な聞こえてくる、陽気な楽の音と笑い声、と。
部屋は3階なので、残念ながら景色はそれほど良くない。
大きな美容院が見える。営業時間が終った後でも、女のコたちは店に残り何時間も、ヘアカットの練習をしている。
幹線道路から一筋奥まった通りは交通量も少なく。
カンカンカンカン‥‥という遠い踏切の音に僕は耳を澄ましている。
当然のことながら家賃は高い。分不相応と言っていいぐらい。
今の稼ぎでは早晩維持できなくなって、新しい部屋を探すか、以前のように家賃を折半してくれる恋人を探すか、選択を迫られることになろう。
この部屋を出たくないと思うなら、女性を探すしかない。
ダブルベッドで一緒に寝てくれるが、恋人である必要はない。歳が同じくらいの自立した女性‥‥それが理想だが、いなければ、しかたない。
☆
ウイークデイも週末もない生活をしている僕だが、日曜日だけは強く意識する。階下にある教会のせいだ。
朝寝坊のベッドの中で、低く聞こえてくる賛美歌とパイプオルガンの音色に僕は耳を傾ける。
隣で寝息を立てていた彼女のことを思い出している。
結局のところ、僕は彼女よりもこの部屋が大事だったのだと考えている。愛なんか初めから、なかった。
それでも僕は彼女の素敵なところを懸命に考えた。
切り離された日曜の朝に相応しい褒め言葉を必死で探してきた。
やがて彼女も目を覚ますだろう。‥‥キスして。僕は考えたばかりの愛の言葉を忘れてしまう。賛美歌を聞きながら泣いてしまう。永遠を誓うキスは決して甘くなく、すぐに彼女も僕たちの暮らしの終わりを知るのだ。
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