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2005年7月18日

バランスアートの世界

 この宇宙は、ひとりの天才が頭の中で考え出したものだという説がある。いつか誕生するその天才が、宇宙の時間と空間の秘密を全て解きあかした時、彼(彼女)の頭の中でこの世界は終わるのだ、と。時は逆流し、崩れ続けるバランスのもと、ビッグバンに始まる宇宙の全歴史が、ひとりの人間の頭の中に収束する‥‥
 
 テレビで紹介されたこともあるので、御存じの方も多いと思うが、これは「バランシング(Balancing)」という、一種のパフォーマンス・アートである。

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 作品の完成度は「合成写真か?」と疑うくらいのレベルだ。まるで手品だがこれには、超強力な接着剤とかピアノ線とか、そういうちゃちな仕掛けがあるわけではない。作家はオーディエンスの前で、自身のバランス感覚だけを頼りに、岩を積み上げていく‥‥

 あるいは世界のメタファー? それはそうなのだが、僕たちに全く新しい視点を提供してくれるのが優れた芸術であろう。突き詰めた果てに普遍性を獲得するに至った極個人的な衝動。僕たちはそれをファイン・アートと呼ぶのであり、新しい宇宙の誕生とは、もしかすると、そういうものなのかも知れない。

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コメント

ぼくさん、よくぞ見つけてくださいました! 奇跡としか思えませんね。うーん、確かに芸術的。以前、映画のセリフだったのかな?芸術は人をターゲットにするのでは無く神への挑戦なのだと。それを思い出しました。

投稿: 桃組工房 | 2005年7月18日 08:32

うぁっ!!どきどきします!

投稿: ヤヤー | 2005年7月18日 13:40

 この宇宙は、ひとりの天才が頭の中で考え出したものだという説があります。いつか誕生するその天才が、宇宙の空間と時間の秘密を全て解きあかした時、彼(彼女)の頭の中でこの世界は終わるのだという。時は逆流し、崩れ続けるバランスの元、ビッグバンに始まる全宇宙の歴史が、ひとりの人間の頭の中に収束する。

 Zakさんのトラックバックを読み、桃組さんの「神への挑戦」という発言を聞き、ぼくはそんな突拍子もない物理学の理論を思い出しました。

 突き詰めた果てに普遍性を獲得するに至った極個人的な衝動。ぼくたちはそれをファイン・アートと呼ぶのであり、新しい宇宙の誕生とは、そういうものなのかも知れません。

投稿: ぼく | 2005年7月18日 16:51

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» 崩れ続けるバランス。 [人生は雨の日ばかりじゃない]
「ぼくのWeblog」の提供してくれるトピックはいつも新鮮だ。 「バランスアート」そんなジャンルがあることを初めて知った。一見無造作に、しかしおそらく極めて高いバランス感覚によって配置された石達は静止した時間の中で美しく均衡を保ち続ける。 同時にオレはある.... [続きを読む]

受信: 2005年7月18日 08:39

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