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2006年2月24日

やさしい気持ち

 村上龍がよく使う「個」という言葉の意味を、僕はまだ完全には把握できていないような気がする。それは他人とは共有できない人の心の中の「何か」であることは確かなのだが、では僕の中の「個」って‥‥なんだろう、と思う。

 抽象的すぎて難しいのでもっと具体的に、優しさ、ということで考えてみた。優しい気持ちというのは、きっと誰もが持っているものだろう。けれど優しさの形というものは、ひとりひとり違うと思う。それこそ、他人とは決して共有できない個別の何かであり、相手に示すことは、簡単ではない。

 誰か人に優しくすることはとても難しいことだ。

 それで、それが「個」なのかも知れない、と思った。人と人との間にある、脆く、透明な壁のようなもの。見えないし、しかも脆いし、だから初めからないものとして生きている人もいる。個ではなく組織で考え、生きてきた多くの日本人がそうだ、他人の気持ちになって考えることを、その壁を無視することだと、履き違えている輩。

 同一化、なんていうとまた大袈裟だが、ようするに「思い込み」だ。感情移入という、同一化の手段を使って人に働きかけるのは容易いけど。繋ぎ止めてくれる何かとして、僕はそれを信じてはいるが、少なくとも僕にとって、それは優しさではなかった。


Heart_0002


 優しくされる対象として、つまり、他人の欲する自分に僕はなりたくない。僕は僕の欲する僕になりたいのだが、ときどき僕は、「個」からあまりにもかけ離れた遠くへ行ってしまう。


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コメント

「個」は「自分探し」の裏返しかも?・・・

これが私の「個」だと言えるには、他人とぶつからないと見えにくいのでは?

今の子供たちはけんかをしないそうな。
なるべく対立を避けるように、親子でもそうみたいで、
変に悟ったおとな子供が多い。
「他人」の気持ちなんて、話さないと解らないと思う。
対話をしないと自分の気持ちもはっきりしないのでは?
私はいつも「自分の気持ち」で行動して、しゃべります。・・・(^_^;)
自分だったら、こうしたい!自分だったらこうされたい!周りに言いまくる迷惑人です。

・・・気持ちのギブ&テイクが上手くいかなくなっている若者が巷に溢れている日本の未来は危ぶいと?・・・

でも本当にそうなのか?マスコミの扇動やニュースの過剰もあり?・・・かと。

人間の歴史なんてそう変わるものでもなく、昔からそうだったのでは?・・・と、勘ぐりたくなる。
江戸時代だって、機嫌悪けりゃ、悪侍が問答無用でバッサリ・・・が日本の歴史なら、
一方、最近ののらりくらりの行政の方々の厚顔無礼な恥の無さ・・・
もまた日本の歴史だなんて思いたくもないですが(^_^;)

投稿: ロックフリーク | 2006年2月24日 13:10

 非常に示唆的な、コメントを読んで思ったんですけど、自分の中の「他人とは決して共有できない個別の何か」ではなく、むしろ「他人と共有できる部分」にこそ「何か」はあるのかも知れないな、と。

 ギブ・アンド・テイクというより、そのバランスというか。上手く言えないけど。


投稿: ぼく | 2006年2月24日 19:17

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