立ち読み
今月は仕事をして、金をあまり使わなかった。そうしたら金が増えていた。ATMから、いつもと違う音が聞こえた。そんな気がした。
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スーツ姿の男と、スーツ姿ではない男が、ビールではない酒を飲みながら、山崎まさよしの話をしていた。非常に山崎まさよし的な光景だな、と思う。僕は燕で、雨の前に、地面すれすれのところを飛ぶ、教科書通りの燕だった。こんなにわかりやすくて、いいのかな。
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頭の悪い貧乏人は金持ちより早く死ぬのである。やりたいことはできずに。できることはやらずに。
しかしまぁ、言いたいことを言うだけなら、頭が悪くてもできるよな。2つ以上の理由で、僕は無視されると思うけど、言おう。はいといいえ以外の、何か、疑問ではない言葉を、答えではない言葉と、つなげよう。
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日本の男性は、鼻血を出しやすいのか。日本のマンガを読んでいる、海外のオタクは、不思議に思うらしい。
不思議には思わないかも知れないけど、まぁ思うぐらいは。
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今を生きる。「今を生きる」なんて格好いい言葉があるけど、僕が今を生きようとしたら、「今」は死んでしまうだろう。僕も死んだふり。
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ギターは遊びだ。ギターは世界を変えるための武器だ。どちらもそうだと思うけど、遊びで世界を変えちゃうやつもいるんだろう。僕は楽しんでるふりだけ。驚いたふりだけ。
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今日は風呂を洗う夢を見た。そのあとで靴を磨く夢も見たけど、自分で自分の靴を磨く夢だったので、いい夢だったと思う。たまに他人に洗ってもらったり、金を払って磨かせたりする夢を見ることもあるけど、そのときは動揺してしまう。金をもらって他人の靴を磨く夢は、まだ一度も見たことがない。
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黒い口紅を塗る夢を見た。僕は男でも女でもなかった。夢の中は、下手くそな映画みたいだった。おかしなところに光源があって、眩しかった。
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行ったことのない人が、行ってきた人と同じ話ができるようになって、世界は少しつまらない場所になった。
昔は違った。行ってきた人の話が、行ったことのない人の話と、同じになることはなかった。
今ある差異は、行ってしまった人と、まだここにいる人、その違いだけである。
がその違いも、遠からず消えてしまうのだろう。みんな行ってしまうのだろう。どこかへ。
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中国人の友達がいて、その友達は女性で、身長175cmで、22歳で、フェイ·ウォンに似ていて、
要するに、未来は彼女のものだ。
彼女のものである未来世界とは、何の関係もないけど、僕は彼女の部屋に招かれて、彼女のTシャツは短くて、へそが見えてて、
僕は手料理とリンゴとメロンと、コーラを御馳走になった。
それが先週のこと。
隣の客はよく柿食う客だ。日本の早口言葉を、2人で練習した。日本の早口言葉は
「ちょうウケる」
彼女にちょうウケた。
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好きな人と同じ部屋で一緒に生活したいとは思わない。好きな人はマンションの隣の部屋にいたらいいと思う。
僕もあなたの隣人になって好かれたい。
どんなに好きでも「同居したい」と思う人はいない。でもこの人が隣の部屋にいたらなぁ、と思う友人はいる。
実際には会ったことがない、ウェブ上の知人の中にも、隣の部屋にいてほしいと思う人は何人かいる。
今は不況で、ルームシェアが流行っているらしい? ホントに? ホントかなぁ? 僕は『ラブシャッフル』方式の、フロア・シェアが流行ればいいと思っている。
いろいろな意味で、あれは夢のようなドラマだった。
同じマンションの同じフロアの、別々の部屋で暮らす友人たちが、エレベーターホールにパジャマ姿で集まるのだ。
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ヘミングウェイの『日はまた昇る』は通して20回以上読んだ。
読み返すたびに新たな発見があった、などという嘘は書かない。1回で把握した。
サガンの『悲しみよ こんにちは』も20回読んだ。
ディックの『パーマー·エルドリッチの三つの聖痕』も、村上春樹の『ダンス·ダンス·ダンス』もそれぐらい読んだ。
読み返すたびに新たな発見ができる、という小説がある。
僕が読んだことのある中では、『失われた時を求めて』や、『ロリータ』などがそうだろう。
事実『失われた時を求めて』は大好きで、何度も読んだけれど、それでもさすがに、20回は読まない。
誰も知らないだろうけど、ロビンソンという人が書いた、『ゴールド·コースト』というSF小説を、僕は20回以上読んだ。
たぶん読み返すたびに、前回とまったく同じ発見をするのが、おもしろかったんだと思う。
‥‥
映画では『ブレードランナー』『恋する惑星』『バック·トゥ·ザ·フューチャー』『攻殻機動隊』『エンゼル·ハート』『エデンの東』などを20回見た。
見るたびに新たな発見ができそうな優れた映画、また感動した映画、というのは他にもある。
そういうのは別にして、「20回見てしまう映画」があり、
最近のものでは『吠える犬は噛まない』、これは映画館で3回見た。
DVDがあれば、確実に「20回組」入りだろう。
僕は死ぬまで『恋する惑星』を見て、死ぬまで同じことを思っていたい。
同じテーマソングが流れる、小さな世界で、同じことが繰り返し起きて、
僕も同じことをして、同じことを思って‥‥
同じことをしているのに、前と同じものを見ているのに、違う新たな発見など、したくない。
違う新たな発見がしたいなら、「違う新しいもの」を見ればいいだけの話だ。
違う新たな発見ができる、違う新しいものなんて、今じゃ滅多にないけれど。
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同世代の友人と、ガンダムの話をした。歳が近い人と、アムロやシャアの話をするのは、楽しかった。
男のコたちはみんな、同じものを見て、ほぼ同じ思いを抱き、同じ行動に出た。
つまりプラモデルを買うために、おもちゃ屋に並んだ。
今でも多くの人が、同じ一つの映画、同じ一つの曲、同じ一つのゲームを体験することはあるかも知れない。
でもそれについて全員が同じ感想を持つことは、まずないだろうし、その映画やゲームに誘発されて、同じ行動に出ることもないだろう。
ガンダムについては、マニアではなかった人が、マニアだった同世代人と、同じ深さで作品を語れる。
そこが楽しいところ。
‥‥
今の若い人たちの中にも、ガンダムに詳しい人はいる。僕も知らなかった、興味深い裏話とか、監督のインタビューとか、いろいろ読んでいて、本当に知っている。
でもたぶん、彼らは手を動かしていない。実際に足を運んだわけでもない。
僕たちは全員、同じ場所に行ったんだよね。ハマってたやつも、そうでもなかったやつも、同じ場所に行った。連れていかれた。
そして同じことをした(させられたのかも知れないけど、同じこと)。
‥‥
ロックなんかでもそうだけど、昔はロックが好きなやつは、一緒にみんな、同じ場所へ行ったもんだ。
でも今は、その「みんなが行く同じ場所」が、なくなってしまったような気がする。
いやどっちが先だったのかな。ロックの方が「その場所」へ連れていってくれなくなってしまったのか。
それで行ったこともない人が、行ってきた人と、同じ話をし始めた。
行ってきた人の話が、行ったこともない人の話と同じになって、ロックは力を失ったのである。
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僕はフロイトではないので断言はしないが、完全に性欲がない人は夢を見ないのではないか、と思う。
集合無意識やシンクロニシティなど、ユングの語る話の多くは、その「完全に性欲がない人が見た夢」のようだ、と僕は感じる。
完全に性欲がない人間は夢を見ないかも知れないが、完全に性欲が満たされている人間は見ると思う。何かを。
でもそういうのを人に見せてはいけないと思う。
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卒業式があると僕は必ず、力石の葬式を思い出す。卒業式がないと僕は、別の誰かの葬式を思い出したり、出さなかったりする。卒業式がないときの方が、僕は少し自由だと思う。
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ある程度泳げる人って、速く泳いだり、それだけじゃなく、ゆっくり泳いだりすることも、できるんでしょう? 泳げない僕からすれば、信じ難いこと。
それで溺れないの? どうして「ゆっくり」泳げるの? それは「ゆっくり全力疾走する」みたいな、‥‥あからさまな矛盾にも思える。
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どのような姿勢で取り組んでも、同じ結果が出せるものごとを、僕は仕事にして、全力で取り組んだ。手を抜いてもまったく同じ結果を出せるのだが、決して、手は抜かなかった。
まぁ嘘だけど、そういう人間になりたかった。理想の、共産主義者みたいな。
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デイ・ドリーム・ビリーバーじゃなくて、デイ・ビリーブ・ドリーマーって感じなのかな。新しい黄色い耳栓を買ったよ。今日じゃないけどね。
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今朝初めて自分の顔を見たのは、鏡の前に立ってから10分後だった。僕の顔はどこへ行っていたのだろう、と思う。
ずっと現実を見て
感心してたよ僕は
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若い友人がウェイトレスのバイトを始めたので、お店までひやかしに行った。テーブルについた僕たちは小声で「うなずきマーチ」を歌い出したりして、今考えてみれば、迷惑な客だった。
それで僕は自分で働くのは嫌いだが、働いている人間を見るのは好きなのだとわかった。
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僕は人類だ。他にも人類はいたけど、彼らのことは、考えないようにした。
僕は生き延びようとした。今日のこの仕事で、いくら稼いで、何を食べるか、それに人類の存続がかかっているのだ。そう考えようとした。
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成功から学ぶ。失敗から学ぶ。僕は成功から学びたいと思う。失敗から学ぶことは、まずない。成功から学ぶことに失敗した経験に学ぶことが、少し、ある程度で。多くは失敗から学ぶことに失敗して、そのままだ。
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スズメは怖くない。むしろ可愛い。しかし顔がスズメ、体がヤクザという生き物がいて、チュンと鳴いたり、小指を詰めたりしたら、ものすごく怖いと思う。
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工業製品とか、そんなもの。中身はよくわからないけど、四角くて、固い箱。チルドレンて言葉は、子供たちじゃなくて、もっと全然違うものを連想させる。
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悪い人を許すのって、動揺する。ちっともいい気持ちなんかじゃない。
私は悪い人で、まだ許されてない。私を許してくれる、私より悪い人を探している。
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僕の言葉は、僕の感情よりも、先に生まれる。だから、先に死ぬんだろう。後になって、自分の気持ちを説明しようとして、できなかった。まず先に、伝えておく必要があった。
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人を許すのって、難しいよな。でもそれ、難しいからやめとけ、と僕に言ってくれる人は、誰もいなかった。なんか動揺する。
手が、‥‥鞄をなくしてしまう。
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部屋を訪ねてみると、そこには、彼の父親だと称する男性や、姉と称する女性などがいて、迷惑そうな顔で、ありえない話をする。今朝、知人が失踪した。事務所に宅急便で、退職願が届いた。「一身上の理由」って、何のことかわからない。彼には仕事のことで、2、3貸しがあった。
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鼻血に無頓着な人間が、鼻血を垂らさないようにしてうどんを食べるのは、不可能だとわかった。一方、鼻血にこだわりのある人間が、鼻血を垂らさないようにしてうどんを食べるのを見るのは、不快だった。
金がもらえるなら、どんな仕事でもする、そういう人たちのことを、僕は軽蔑していた。でも違ったのだ。金がもらえないなら、どんな仕事もしない、そういう人たちのことを、別に尊敬していたわけではない。
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どのような姿勢で取り組んでも、同じ結果が出せるものごとに、僕は全力で取り組んでしまう。なぜだろう。同じ結果が出せるなら、手を抜けばいいのに、そうはしない。
楽しんでやっても、嫌々ながらやっても、出てくる結果は同じなのに、僕は楽しんでしまう。どうして? それを馬鹿馬鹿しいとは思わない。
楽しんでやった方が、いい結果が出る、だから楽しむ、ということができない(そんなの楽しくない)。
一所懸命やった方が、だらだらやるよりも、効果があがる、だから頑張る、という努力を、僕はしない。
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僕には自信がない。それはもうすべてにおいて、自信がない。でも自信なんかなくったって、何とかやっていける。そういう妙な自信はある。僕は自信満々に見えるだろう。
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僕みたいな不勉強な人間が、こんなことを書いてもあまり説得力はないとは思うが、勉強というのは、「わからないことをわかるようにすること」ではない。
僕は昔は、無知を知ること、つまり「自分にはわからないことがある」ということをわかるようになること、
それが勉強だと思っていた。
でも今では、それもまた違うかな、という気がする。自分にはわからないことが、わかることと一緒に、「わからないこと」として目の前にある、その豊かさに気づくこと。
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僕はUFOも、ムー大陸も死後の世界も信じない。ありとあらゆる陰謀説を信じない。集合無意識なんてオカルトも信じないが、沢尻会だけは信じてる。エリカ様、上野樹理、香椎由宇、中川翔子。沢尻会はあったと思う。
僕は仕事をしなかった。僕は仕事を目の前に置いて、見ていた。いつまで経っても、仕事はなくならなったが、今日はそれで良かった。仕事は明日もある。7時ごろ家に帰り、うどんを茹でて、食べた。
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思い出すのにかなり時間がかかってしまったけど、思い出してしまうと、すっきりした。これで忘れられるだろう。例の公然猥褻事件で、思い出したのは、ジョージ·マイケルのことだった。アドンウォンチュー。そうそう。
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「月が死んだ車庫のように輝くとき、ぼくはガソリンの亡霊たちと旅するんだ、彼らの過去の土地を」
「白昼夢は見えない筋肉のように、きみの精神をぴくぴくさせる」
‥‥
昔は彼の、こういう比喩が好きだったけど、今はそうでもない。
今はそうでもなくなってしまったものを、ふたたび好きになることは、絶対にない。宇多田ヒカルの新譜で、村上春樹の新作で、何度も僕は、そう確信した。
完全に嫌いになってしまったものを、もういちど好きになることは、たまにある。だからどうせなら、嫌いになってしまえば良かった、と思う。みんなみんな。好きでいたかった。
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ボウイなんかにしても、あの格好で歌うことに対して、最初は抵抗があったんじゃないか、と思うんだ。聴く僕にしても、まぁ曲はいいんだけど、歌ってるやつらがアレ、というのには、抵抗を感じてた。
グラムは極端な例としても、僕はミュージシャンの、服装や髪型や顔を、心の底から格好いいと思ったことは、一度もない。ビートルズの写真を見て、初めに思ったのは、なんてダサい髪型、ダサい服。ちょっとがっかりしたことを覚えている。
音楽は今では、悪魔の化粧してシャウトしたり、ギンギンに髪染めてシャウトしたりする送り手に、なんの抵抗も感じない人たちのものになっている。だからわからないかも知れないけど、その当時「ロック」ってのは、恥ずかしい音楽だったんだよ。
カラオケが、情けない、オジサンの娯楽だった時代。何を歌うにしても、そもそも「歌う」ということ自体が、恥ずかしい行為だった。尾崎豊なんて、若者の代弁者、教祖みたいに、まつりあげられていたけど、実際にはそんなことはなかった。あれを聴いていたのは、クラスでも浮いている、登校拒否寸前の、気持ち悪い、いじめられっ子だった。
大昔にはロックは、不良の音楽だったらしい。僕が聴き始めたころは、変態の音楽だった。今は伝統芸能だな。それも悪くない。でも思うんだ。近ごろの変態は、何を見て何を聴いているだろう、って。新世紀の変態はもう、何も見ないのかな。それを本当に、変態と、言えるのかどうかは別として。
(あっそうそう、誰かが書いてたな。あのころは、プリンスが変態で、マイケル・ジャクソンは格好いいアイドルだった。でも今じゃ逆だって。マイケルが変態だって。はははは。)
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僕の内面は傷つきやすい少年だったが、外面は違った。傷つきにくい中年だった。そこで中間をとることにした。自分にはそういう器用なことができる、と思い込んでいた。昨夜は『臨場』を見て、そういう気分になっていた。今はパソコンの白い画面を見つめて、そういう気分になっている。明日は何を見れば、そういう気分になれるだろう、と思っている。
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今どき、ベレー帽かぶった画家なんていないよな。バーでくだまいてる作家や、四畳半でカップラーメン食ってるマンガ家とか、まだいるのかも知れないけど、そんなの無視していいと思う。
しかし金髪のロッカーってのはいるよな。革ジャン着たヘビメタとか、化粧してたりとか、要するに「それっぽい」連中。と僕。そういう人たちの歌を聴いている僕。
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また誰かが死んで、僕は不謹慎な人間だよ。楽しそうにしてる人たちの隣でも、僕は不謹慎だよ。何を言っても、何を書いても不謹慎になってしまう。でもそれは僕のせいだよ。
僕は悲しくないんだよ。嬉しくもないんだよ。淡々としていると眠くなった。
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世の中には、孤独な変質者と、孤独じゃない変質者がいる。これ読んでいるのは、あまり孤独じゃない変質者だと思う。孤独じゃない変質者、幸せってことだ。
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背の高いグラスが好きだ。バランス崩れてるやつ、割れそうなやつ。別にグラスじゃなくてもいいんだけどな。背の高い女とか、そんなんでもいいんだけど。
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あなたには中心がない、と昔女が言った。「中身がない」でもなく、「内面がない」でもなく、「中心がない」。ひどく堪える指摘だった。中身がないわけではなかった、と思う。それだけに堪えたのだった。
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