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2019年4月30日

白雪姫の小人

 

 白雪姫の小人のようなおじいさんが台所でカレーを煮ている。できたようだ。鍋と白いご飯を盛った皿を手にどこかへ消えた。次は僕の番だった。スパゲティを茹で始めた。食べたら出かける、と僕は君に話した。帰りは零時を回る。すると眠りのこちら側で声がした。

 

 

 

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2019年4月29日

何か

 

 今の若い人はどうやって音楽を聴くのだろう。CDを買って聴く人はいるのだろうか。僕の音楽の聴き方もこの10年で大きく変わった。CDやレコードを買って部屋のステレオで聴くことはもうなくなってしまった。その代わりにライブに行くようになった。若いクラシックのピアニストを知ったことがきっかけだった。

 

 ピアノにグーパンチを喰らわせたり、頭突きをして音を出す(クラシックの)ピアニストは、僕が10代の頃聴いていたどんなバンドよりも、ずっとパンクでロックでグランジでハードでクレイジーでメタリックで歪んでいて、それでいて端正で美しくて水のように透明で本当に夢中になった。

 

 演奏が始まる前の、あのヒリヒリするするような沈黙を破る、爆発音のようなピアノの音。数十分の演奏の中に、自分が生きてきた数十年という時間を凝縮してぶちまける君に。柔らかい背中に。触れてくる指に。

 

 音楽はCDやレコードのような物質ではなく、流れていく時間を感じられるようにしてくれる非物質の何かだった。ギターやキーボードのような楽器でもなく、楽譜でもなく。何でもない一瞬が永遠のように感じられるときもあるし、その逆ももちろんある。日々が退屈に感じられたり、反対にどうでもいいようなその過去の日々が大切な思い出に感じられたりするのも、音楽のせいなんだろうか。全部その「何か」のせいなんだろうか。

 

 

 

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クッキー

 

 部屋の中にコンセントが1つもなかった。床に掃除機をかけたいのに。しかたなく廊下から繋いだ掃除機で部屋を掃除していると、奥の窓のところに知人がいた。旅行から帰って来たばかりだと言って、お土産に済州島のクッキーをくれた。そうするともう1人の知人が現れて、久留米のお土産をくれた。久留米のクッキーだというが、済州島のクッキーと同じだった。僕は一口だけ齧って、美味しいと言った。

 

 

 

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悪徳警官

 

 警官版の人生ゲームで遊んだ。警視総監になって上がりだ。だがその出世の最後の階段を上がるためには、ワイロを使わなければならない。とても警官の給料で払える額ではなかった。腐敗した組織の中で出世できるのは、不正に蓄財してきた者だけ。正義感溢れるホンモノの警官はどんどん片隅に追いやられていく。

 

 高い脚立の上に立ちゲームの大局を見極めようとする僕に、「そこから飛び降りろ」と声がかけられた。

 

 

 

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2019年4月28日

相撲取り

 

 僕は息子と一緒にいた。息子はThe1975みたいな髪型をした相撲取りだった。太っていて上半身裸だからなのか、息子は蚊に刺されやすい。息子の話を聞きながら、僕は彼の腹の血を吸う蚊を叩き潰している。両手だけでは足りず、足も使って蚊を叩いていく。

 

 背中を向けてみろ、と僕は言う。緑色の蚊が背中にもいる。

 

 

 

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chemise préférée

 

 そこは、中東か東南アジアのリゾートのようだ。町中に君のポスターが貼られている。コンサートが開かれるのは何ヶ月も先なのに。

 

 僕はブカブカのシャツを着て町をぶらつき、人々の贅沢な食事の様子を眺めている。注文した料理を、半分以上残して席を立つ観光客たち。

 

 食べ残しを恵んでもらえませんか? 

 

 すると隣のテーブルから、日本語が聞こえてきた。スーツを着た日本のビジネスマンが2人。酒に酔った上司が、ウェイターに部下の自慢をしている。こいつはすごいんだぞ、何ヶ国語も喋れるんだぞ。

 

 

 

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2019年4月27日

車内コンサート

 

 僕は床で眠っていたようだ。目覚めるとそこは、大きな机と本棚のある書斎のような部屋だった。机の上にもたくさんの本が積んである。読んだことがある小説ばかりだったが、そのどれもがオリジナルより面白く書き直してある。移動中に読み直してみようと思い、僕は『1Q84(改)』を手にとった。

 

 高架を走る無蓋の鉄道の車内でコンサートがある。駅はホテルの目の前にあった。鉄道というよりも、これは巨大なジェットコースターと呼んだ方がいい。正方形の車内には数百人の乗客、兼観客。町の中心部とホテルを結ぶ路線だ。

 

 空気に包まれた空気の中に、僕たちを包みこむような、気持ちのよい夏の午後だった。コンサートはなかなか始まらなかったが、気にする者はなかった。左の列に座った乗客たちが、ヨーロッパの民謡を合唱し始めた。車内放送は最初英語で、その後日本語で、その歌の解説をしてくれた。FMのDJみたいに。

 

 同じ列車で、ホテルに戻った。22時になっていた。結局車内でのコンサートはなかった。乗る列車を間違えたのかも知れない。ホテルの前には、インド料理の出店が。夜も遅いし、もっと軽い食事がしたかったのだが、インド料理以外の選択肢はないようだ。白人の宿泊客は気にせずフルコースの注文をして、食べ切れなかった料理は残している。

 

 

 

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2019年4月24日

通り抜け(夢)

 

 傘をさしたさらりーまん風の男性が、自転車に乗ってこちらに向かってくる。僕たちはゼロ距離ですれ違う。

 

 

 

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おお笑い

 

 茶色いサングラスをかけた妖精のような女が、僕の歳を訊く。正直に答えたのに、「とてもそんな高齢には見えません」

 

 証明してください、と言うので、「あと30年ぐらいしたら老いて君の目の前で死んでみせる」それでいいかな。

 

 すると妖精はこちらをじっと見つめて、僕が目を逸らすと、大笑いした。

 

 

 

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2019年4月23日

ステージの端の

 

 飛行機に乗って遠くに。電車に乗って遠くに。そこからさらに歩いて遠くに。声のするところまで来たのに、声はむしろ聞き取り難くなっている。離れていたときの方が、僕の妄想の力で、声は増幅されて、まるで歌のようになっていた。それは僕のために作曲された音楽だった。

 

 今や声は、歌であることをやめた詩だった。元々は英語の歌だった。僕は即興で日本語の歌詞を声に乗せる。いちばん遠いところにいる人に向けて歌うのだ。

 

 

 

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2019年4月22日

配達物

 

 朝起きると右手がなくなっていた。ベッドの周りを探したが見つからなかった。そういえば昨夜、靴を磨くのに使ってそのままにしてたんだっけ? 玄関を見てみると黒光りする革靴の脇に、新しい右手が配達されていた。

 

 

 

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2019年4月21日

QB

 

 輪になってキャンプファイヤーを囲んで、1人ずつ歌って踊った。僕たちはみんな、不思議な響きの外国語を話している。輪の中に大柄な女のコがいた。僕は彼女を誰だろうと思いながら歌った。誰も知らない、日本語の歌を。

 

 それから君と2人、QBという港(どこだろう?)まで電車で行った。駅を出て、大きな街路樹のある通りを少し歩く。交差点の向こうが、お目当ての商業施設だった。

 

 入り口のところで「お金を払って」と君は言う。僕はくちゃくちゃになった1万円札やユーロやスイスフランやドルを見せる。「これ」と君は緑色のお札を1枚抜き取った。

 

 そこでは写真家の君の作品展が開かれていた。作品はモノクロのポートレートだった。母と子。そして子供たち。あちこちに作品展のポスターが貼ってある。君は施設の管理者と何か話している。

 

 僕はエスカレーターで3階に上がり、階段でまた1階に戻り、作品展の会場を出たり入ったり、そうこうしている内に、3時の飛行機に乗る予定があるのを思い出した。

 

 

 

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2019年4月20日

水 ティッシュ

 

 バーとドンキホーテとディスコが合体したような店のカウンターで水を飲んでいた。水は1円だった。隣のカップルもやはり水を飲んでいた。男の方と目が合った。1円玉と1円玉で乾杯して、僕は席を立った。

 

 店のドンキホーテの部分に痩せこけた若い女が入ってきて僕に言った。「何なのこの店は?」

 

「一緒に飲もう」と僕は女を誘った。「ここで買うより、バーで注文した方が安いよ」

 

 僕たちはテーブルの席で水を飲みながら話した。一緒に来た友達を無視して、僕は1人で飲んでいると話した。「どうしてそんな酷いことをするの?」女は泣いてしまった。

 

 女のために、僕は1箱2000円のティッシュを買った。

 

 もう朝になっていた。僕と僕の友達と、女は店を出て僕の車に乗った。店の隣に、落書きだらけのアパートが建っていた。「従業員用の住宅だろう」と僕は言った。「どうしてそう思うの?」と女は言った。

 

 

 

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2019年4月19日

重機のある丘

 

 巨大な重機のある丘の向こうは、数学と物理学の天才少年少女が集う、夏のキャンプだった。

 

 キャンプ地では大人たちが、製造した爆弾を持って姿をくらました少年を探していた。

 

 てくてくロシアの方へ歩いていると、早足のアメリカ人の少女たちが、僕を追い抜いた。

 

 みんな、足が太い。

 

 

 

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現代アート

 

 僕の家が、「ある現代人の暮らし」という題のアート作品になっている。ときどき玄関から知らない男女が入ってきて、本棚の本や、コタツで紅茶を飲みながらネットで遊んでいる僕の姿を鑑賞して、小さな声で、何やら感想を述べ合っている。

 

 誰かが入ってくる度に、僕は最初から、紅茶を入れるところから始めなければならない。

 

 

 

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2019年4月18日

ボウリング

 

 車道を青いボウリングの球が真っすぐに転がっていく。夢なので僕はそれを大した驚きもなく眺めていた。あぁ、ボウリングの球が転がっていくなぁ、というくらいのもの。しばらく歩くと、道端にボウリングの球が。ぼんやり、あぁ、やっぱりガーターだなぁ、と思う。

 

 

 

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2019年4月17日

駅前

 

 女友達が待ち合わせ場所に指定してきたのは、駅前の「下着館」だった。下着専門の巨大デパートらしい。「駅前」とはいっても、そこは駅から10キロほど離れた場所にある。やたらとスケールの大きな町だ。

 

 駅を出てすぐのところにある、本当の駅前広場には、町のあまりのスケールのでかさに圧倒された観光客たちが、途方に暮れた様子で座り込んでいる。僕ももういちど女友達に電話をかけ、下着館までの詳しい道順を確認したのだが、馬鹿じゃないの、「駅前」にあるんだからすぐわかるでしょ、と言わんばかりの口調だ。

 

 

 

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2019年4月16日

リゾート

 

 真夏の海岸リゾートを、初老の男性とぶらついていた。その雑踏の中を、一緒に。彼の目当てが、僕の体だということはわかっていた。カフェだったりレストランだったりする高床式のログハウスで、豪華な食事を奢ってもらった。

 

 食事をした店の前のスピーカーから、ベートーベンの交響曲が流れてくるのに気づいて、僕は足を止めた。1曲丸々聴いてしまった。第7番を、ピアノ独奏用に編曲したものだった。

 

 嵐が来るという。太陽は雲の影に隠れ、海は荒れていた。それでも海岸には、まだ大勢の海水浴客がいた‥‥。

 

 連れの男性とは、はぐれてしまった。でもすぐに合流できた、僕たちは石段を下りて、海岸に出た。狭い石段の途中で、白人の男性とすれ違った、その男性は僕の足の膝のあたりを軽く叩いて、合図した。それが何の合図なのか、夢の中ではわかっていた。

 

 

 

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2019年4月15日

正夢

 

「夢が叶う」というのと、「夢が正夢になる」というのとでは、少し意味合いが違うと思う。僕の場合も、夢が叶ったわけではなく、ただ正夢になっただけなのだ。

 

「信じていれば夢は叶う」のかどうかは、ちょっとよくわからない。僕に言えるのは、信じようが信じまいが、夢は勝手に正夢になる、ということだ。それもかなりの高確率で。だったら信じた方が面白いかな。寝てる間の人生まで楽しめるから。

 

 

 

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 玄関から入って、すぐのところにある階段を上ると、2階の僕の部屋だった。というかこの家全部が僕の所有なのだけど、主に使っているのは、2階の1室だけ。他の部屋には、立ち入ったこともない。引っ越してきて、まだ数日だった。

 

 台所があって、食事をするテーブルがあって、ソファもあるから、そこで寝ることができた。食器も調理器具も揃っていたし、とりあえずは、それで充分だった。

 

 部屋の天井はかなり高く、その上の方にある窓を開け閉めするには、ソファの背に乗らなければならなかった。そうやって窓の外を覗くと、向かいの、大きな家が見えた。家に男の人がいるのが見えた。男の足だけが見えた。足が歩き回っている。体の他の部分は、なかった。

 

 

 

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2019年4月14日

ケーキの購入者

 

 広い部屋で、大勢の人と一緒に暮らしていた。夕方に目覚めた僕が、冷蔵庫をチェックすると、買いだめておいた豆腐が、残り1パックになっていた。別の誰かが買ってきたケーキは、まだ幾らか残っていた。それを一切れ食べて出かけようとするところ、購入者本人が入れ違いに部屋に入ってきた。

 

 

 

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殺人者

 

 6時35分に殺人者がやってくるのを、通りの脇の箱の中で、4人の仲間と一緒に待っていた。だが6時30分、結局恐ろしくなって、僕は箱を抜け出し、その通りを見下ろせる自宅のバルコニーに戻った。6時34分、通りに大きな観光バスが停車して、バルコニーからは仲間たちが潜む箱が見えなくなった。

 

 何が起きているのか、わからなくなり、「おれの後ろに立つな」とゴルゴ13のようなことを言いながら、僕は手に持った水色のトンカチを、滅茶苦茶に振り回していた。「バカじゃないの」と部屋の中から女房が僕に声をかけた。

 

 

 

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パズル

 

 何枚ものガラスがパズルのように組み合わされた大きな窓に、水色の小さなカーテンがかかっている。ふと見るとさっきまで袋に入ってテーブルに置かれていたアーモンドが、今は床に散らばっている。いつの間に溢れたんだろう。僕はそれを拾い集めていた。

 

 この家に越してきて、3日目。目と鼻の先に住んでいる君には、まだ知らせてない。驚かせてやろうと思っていたが、そろそろいいだろう。アーモンドやその殻を片付けたところで、部屋の中や窓から見える景色を何枚か写真に撮り、メッセージに添付して送った。

 

 

 

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2019年4月13日

 

 いつも男の肩に乗って移動している、白いドレスを着た妖精のような女が、今日は僕に色目を使ってきた。

 

 

 

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2019年4月12日

大阪

 

 誰かが、女の声で電話をかけてきて、オオサカへ行こうと僕を誘った(夢)。

 

 

 

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ブロッコリー

 

 見知らぬ男女10人が、スイートをシェアしていた。アジア系の女性2人は親子で、他は英語を話す白人の男性だった。1泊だけの予定で予約した、高級ホテル。案内されたのは、そんなスイートルームだった。

 

 リビングには無料のケーキやパンが用意してあった。大量に用意してあったようだが、ほとんどなくなっていた。翌日の朝食には、塩茹でしたブロッコリーが、これまた大量に皿に盛られていた。パンやクッキーは全部なくなっていた。食べる人のない栄養たっぷりのブロッコリーを、僕は1人で全部食べた。

 

 チェックアウトの前にバスルームを使いたかったが、そこはアジア系の親子に占領されていた。毎朝のことなのだろう。椅子に腰掛けて本を読んでいた初老の紳士が、僕に目配せして苦笑いした。

 

 

 

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無風状態

 

 川沿いの参道には、桜の花びらでつくられた、巨大なピラミッドが並んでいた。そよ風が吹けば、崩れてしまう。そこは、完全な無風状態だった。僕は空気の流れを起こさないよう、できる限りゆっくりと歩いたが、駄目だった。背後には、桜のピラミッドが、音もなく崩れていく気配が‥‥。僕に振り返る勇気はなかった。

 

 それから10年も昔のことを思い出して、彼は笑っていた。どんなにか可笑しい思い出があるのか、聞いてみるとどちらかと言えばそれは悲しい話だった。そうだよ、と彼は言った。いかにも。悲しんでいるのさ、おれは。それの何が可笑しいんだ? お前は何を笑っているのだ?

 

 

 

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2019年4月11日

植物学者

 

 小さな恐竜と、始祖鳥と、さらに小さいマンモスとネアンデルタール人が、一緒に楽器を演奏していた。進化論は、何も説明できなかった。最後の曲が終ると、彼らは扉の向こうに姿を消して、そのまま戻って来なかった。

 

 案内板のない空港のような‥‥、無限につづく回廊の、照明は消えていた。この見捨てられた回廊に、古代植物が自生していると聞き、僕たちはやって来た。非常灯を頼りに、僕と女性の植物学者は進んだ。隅の方に生えているのは、雑草のように見えた。埃まみれで、枯れかかっている。

 

 トイレの中に照明のスイッチがあるというので、僕はその扉を開け、中に入った。でも違った。そこはトイレではなかったし、何のスイッチもなかった。戻ると植物学者は、夢中で雑草を採取していた。

 

 

 

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2019年4月10日

bandage

 

 こちら側には、僕と、君と、マム。あちら側には、日本人の男子学生。最上階の、展望レストランのような部屋。ガラスの仕切りでそこを2つに区切って、僕たちは暮らしていた。

 

 その朝は部屋のこちら側で、男子学生も一緒に、簡単な朝食を持ち寄って食べていた。食後、男子学生は自分のコーヒーカップと皿を洗うために、仕切りのあちら側に戻っていった。そしてそのまま、学校に行く。君とマムも出かけようとしていたところに、突然男子学生が手を押さえて戻ってきた。

 

 怪我をして、血が出ている。包帯を巻いて欲しい。でも大したことはない、と言うので、君とマムはそのまま出かけた。部屋の男子学生側で、僕が包帯とハサミを探していると、怪我をしたと言ったのは嘘だ、と彼は言った。出血もしていなかった。

 

 

 

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2019年4月 9日

予約状況(夢)

 

 自分でも1枚買って、客席から眺めるか、それとも、舞台の袖から見るか。僕は、今回のコンサート・ツアーの一切を取り仕切る責任者で、チケットの予約状況をチェックしている。430席のホールの、130席が埋まっている。あと1ヶ月。完売には、ほど遠い。昨日は110だったな。

 

 大きな窓。ベッドの脇の机。覗き込む君。部屋に差し込む、温度のない透明な光。

 

 

 

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2019年4月 7日

丸っこいおばさん

 

 異常に天井の高い巨大なスーパーマーケット。客は小さな丸っこいおばさん1人だけ。買った豆腐を手に、店員に頼みごとをしている。

 

 水切りがしたいんだけど。

 

 今ここで? 

 

 そう今ここで。

 

 店員は仕方なくハサミを持ってきて、豆腐のパッケージに穴を開ける。丸っこいおばさんはその場で水を切る。豆腐のパッケージからは緑色のどろどろした液体が流れて落ち、スーパーの床一面に広がる。

 

 

 

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路上ライブ

 

 交差点の向こう側で、路上ライブが行われている。大勢のファンが、こちら側にいて、信号が緑に変わるのを待っている。観客はまだ誰もいない、早く駆けつけたい。が、いつまで経っても、信号は赤のままだ。

 

 

 

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夜行性のキリン

 

 動物園の飼育員が、キリンの赤ちゃんと一緒に、暗い檻の中で生活している。赤ちゃんは10頭、藁の中に潜んでいて、ときどき首をもたげて、警戒するように辺りを伺う。その中心にいる飼育員は、これはどうもキリンの習性とは違うようだ、と不思議に思っている。それにキリンにしては、足が短すぎやしないか?

 

 

 

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2019年4月 6日

占い師のハンマー

 

 5階の友人の部屋に時限爆弾が仕掛けられた。彼は睡眠薬を飲まされて眠っている、と占い師は言う。電話をかけてみたがやはり目を覚まさない。時間がない、と占い師は言う。ドアをぶち破るための大きなハンマーを占い師に借りて、僕は階段を駆け上がった。

 

 

 

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2019年4月 5日

ホームスチール

 

 音の出ないテレビで、名前も顔もない誰かと、一緒に野球の試合を見ていた。その人は野球のルールを知らなくて、僕が説明した。同点の9回裏で、無死の走者3塁だった。犠牲フライでサヨナラの場面だったが、走者は本盗を決めた。

 

 こんなのありえない、と僕は言った。「ホームスチールが成功する確率なんてゼロだ。犠牲フライで1点なのに、バカなことを」

 

 でも上手くいったじゃない、とその人は得意気だった。「まぁピッチャーが左だったし、完全に無警戒だったから‥‥」と僕。

 

 そもそも何で家にテレビがあって、しかもそのテレビで野球を見ているのか、理解できない。消すつもりでリモコンに触れると、ミュート状態が解除になり、突然音が出た。僕たちは、球場の大歓声に包まれた。

 

 

 

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未来(夢)

 

 過去は何度でもリピートできる。タイムマシンをレンタルした僕は、外国の友達のSNSの投稿を試しに未来の機械翻訳にかけてみた。すると「未来にはたくさんの残された日がある」と出てきた。原文よりも遥かにかっこいい言い回しになったので、過去に戻って使ってやろうと思った。

 

 

 

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2019年4月 4日

マム

 

 マムは本気で僕を養子にするつもりらしい。養子ではなくヨシヨシするつもりなのかも知れないが、真意はよくわからない。

 

 

 フランスに何年も住んでいるのに、マムはフランス語が話せない。ボンジューもメルシも言えないのは、娘が代わりに全部言ってしまうからだ。 

 

 

 マムからのメッセージは、余白まで絵文字と写真で埋め尽くされている。文字はほとんどなかった。僕の名前すら絵文字で表現されている。

 

 

 それなのになぜか僕は、その絵文字が自分の名前だとわかる。マムにこの不完全な人間界の言語は必要ないな、という気もする。

 

 

 

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新幹線

 

 大きなバックパックを背負って、2人で北海道を旅行していた。ローカル線の終点で降りて、1人で改札のところまで行った。が、連れが歩いて来ない。見に行くと、バックパックが重すぎて(でかすぎて)背負えないようだ。ホームの木のベンチに腰掛けたまま、黙って下を向いている。顔が見えない。

 

 僕は彼に地図を開いて見せ、この先の計画を話した。ここから1時間ほど歩いて、今晩の宿まで行く。ローカル線に沿って歩く。自然が美しい。きっといい写真が撮れるだろう。だが彼は黙ったまま、何も言わない。顔も上げない。

 

 何か、気に入らないことでもあるのだろうか。しかしこの旅行は彼が言い出したもので、計画もすべて彼が立てた。

 

 それならこうしよう、と別の地図を広げて僕は言う。ここに新幹線が走っている。新幹線を見に行こう。新幹線に乗ってもいい。

 

 

 

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2019年4月 3日

養子

 

 あなたには家族がいなくて、それでもしあなたが家族の記憶が欲しいのなら、私があなたの家族になりましょう、というような意味の話を、君は僕にした。夢の中でさえ外国語は難しくて、僕は直訳でしか意味が取れない。君は僕の養子になるのかな、と思ってしまう。目が覚めてからはずっと、僕が頭の中で変な日本語に訳してしまう前の、元々の君の言葉を、なんとか思い出そうとしていた。

 

 

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嫉妬

 

 郊外型のスーパーマーケットとバブル期のディスコが合体したような、ものすごく大きくてうるさい音楽が流れてる店にいるときに、電話がかかってきた。女の声が聞こえたが、何語で何を喋っているのか、まったく聞き取れない。仏語と英語で適当な相槌を打ちながら、店の前の駐車場に出たが、嫉妬で狂ったようになったお店の音楽は、そこまで僕を追いかけてきた。僕の耳の中に居座り、女と話をさせてくれない。

 

 

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水たまりに深海魚

 

 夜の10時過ぎにもまだ店を開けている本屋さんがあったので、入ってみると、奥ではブドウやオレンジなどの果物を売っていた。値段を見て迷ったが、結局何も買わずに外に出ると、朝になっていて、道路脇には水たまりができていた。

 

 長靴を履いた男の子が水たまりに入って、深海魚のような透明な魚を捕え、父親に見せていた。これは食べられないよ、と父親は言った。

 

 

 

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2019年4月 2日

ジャンプ

 

 手に日本のマンガを持ってバスに乗ったら、知らない男の人に話しかけられた。マンガ好きらしい。実は僕はマンガのことなど何も知らない。手にしているそのマンガもまだ1ページも読んでないし、そもそもなぜそれを持っているのか、自分でもわからない。「ジャンプって雑誌があって、そこに連載されているんだよな」などと男の人はどんどん話しかけてくる。もしかしたらこの夢の中で自分は、女になっているのではないかと思い始めた。

 

 

 

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2019年4月 1日

予告

 

 中国語で書かれたハガキが家に届いた。辞書を引いてみるとそれは爆破予告だった。階下のデパートの中のレストランを爆破すると書いてある。けど予告の日はもうとっくの昔に過ぎていた。だから大丈夫なはずだけど、本当に大丈夫だろうか。何となく気になったので、階段を下りて行ってみることにした。

 

 

 

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2つの暦

 

 壁には、2つのカレンダーが掛かっていた。1つの暦は、11月のものだった。しかし今日は、9月の4日だった。夏休みが終るまで、あと1週間ある。学校が始まる前に、遊びに行くことにした。

 

 布団を干してから、出かけることにした。やけに長い布団で、2階から干すと、先が地面に届いた。

 

 部屋は、映画で見た野戦病院のような部屋で、シングルの簡易ベッドが、無数に並んでいた。綺麗にメイクされていて、使った形跡もない。隅には洗面台があり、そこで歯を磨いた。

 

 キャリーバッグを引いた若い女性が何人も、歯を磨く僕の脇を通り過ぎる。「おれももう行くよ」と若い男性が声をかけてきた。出発するのは、僕が最後になってしまった。

 

 

 

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花火

 

 地上で花火がまとめて爆発した。事故だろうか。火柱が空に向かってまっすぐに立ち上がった。音が凄い。「耳がどうかなってしまうわ」手をひらひらさせながら君はやって来て、僕の鼻をつまんだ。水玉のワンピースを着た少女がやって来て、僕に目隠しをした。

 

 

 

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