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2019年4月 4日

新幹線

 

 大きなバックパックを背負って、2人で北海道を旅行していた。ローカル線の終点で降りて、1人で改札のところまで行った。が、連れが歩いて来ない。見に行くと、バックパックが重すぎて(でかすぎて)背負えないようだ。ホームの木のベンチに腰掛けたまま、黙って下を向いている。顔が見えない。

 

 僕は彼に地図を開いて見せ、この先の計画を話した。ここから1時間ほど歩いて、今晩の宿まで行く。ローカル線に沿って歩く。自然が美しい。きっといい写真が撮れるだろう。だが彼は黙ったまま、何も言わない。顔も上げない。

 

 何か、気に入らないことでもあるのだろうか。しかしこの旅行は彼が言い出したもので、計画もすべて彼が立てた。

 

 それならこうしよう、と別の地図を広げて僕は言う。ここに新幹線が走っている。新幹線を見に行こう。新幹線に乗ってもいい。

 

 

 

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