« 空き部屋の幽霊 | トップページ | 菓子パンカルテット »

2020年1月22日

居候

 

 マダムの家に居候させてもらっている。あえて「寄生」とは言わない。あくまで居候だ。

 

 家にはマダムと、マダムのハンサムな息子がいる。彼は口がきけない。僕は手話ができない。それで僕たちは、意思疎通をするのに紙に絵を描く。

 

 僕は「こんなところで何をやっているんだろう?」という絵を描いて彼に見せた。「いつまでもマダムの好意に甘えているわけにはいかない」。そのメッセージが正しく伝わったかどうかはわからない。

 

 すると返答として彼は「僕たちは友達だよ」という絵を描いて僕に見せた。「それに母も君を気に入っているんだ」

 

 彼は驚くほど絵がうまかった。どうしてそんなにうまいんだろうと思っていたら、建築家なのだという。

 

 

 

|

« 空き部屋の幽霊 | トップページ | 菓子パンカルテット »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 空き部屋の幽霊 | トップページ | 菓子パンカルテット »