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2020年2月20日

巨大彗星

 

 大勢の人がエレベーターを待っていたが、僕はまだ着替えておらず裸だった。腰に白いタオルを1枚巻いただけだった。着る服を探している間にみんな下りてしまった。海の見えるスイートに残ったのは数人だった。

 

 TVのニュースが地球滅亡まであと何時間、とやっている。空には3つの巨大な彗星が見える。我々もそろそろ宇宙船に向かった方がいいのではないか、と僕が言った瞬間、予定より早く2つが地表に落ちてきた(ように見えた)。

 

 ‥‥結局自分の服は見つからなかった。誰かが残していったダボダボの洋服を着て、僕は1人エレベーターに乗り込む。そこには若い女のコと、スーツを着た男の人がいて、これが最終便だと告げる。だが誰も急いでいる様子はない。

 

 海は大荒れ、船が揺れている。揺れてひっくり返る。外に出て東の空を見上げる。3つの白いアイスクリームのような火の玉は、さっきから少しも動いていないように見える。

 

 

 

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