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2020年5月31日

集団登校                                                                  

 

 バスタブの中で眠っていると、赤いランドセルを背負った小学校6年の娘がやってきて、集団登校のリーダーになったことを、誇らしげに僕に報告した。

 

 目を開けた。そうすると時間が巻き戻った。僕は高校生になっていた。集団登校? 思い出した。僕は学校に行ってない。ほとんど登校してない。行くのは1ヶ月に1回くらいだ。いずれ退学になるだろう。

 

 湯が冷めてきた。風呂から上がると、僕は裸のまま、床に寝転がり、目を閉じる。また思い出した。記憶が完全に蘇った。1つの国と同じくらいの広さのある大きな家に、僕は1人で住んでいた。そうだった。家の外に出るのに、何千㌔も歩かねばならなかった。

 

 玄関に辿り着くころには、僕は大人になっているだろう。そのときにはもう、高校生でも大学生でもない。扉を開けると、駅だった。電車には乗らず、僕は坂を下りた。夜の湖を目指して、目を閉じたまま歩きつづけた。すぐに着くだろう。

 

 

 

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