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2020年8月31日

熱血指導                                                                  

 

 特に熱を入れて指導していた、実の弟が、暑さのあまり、倒れた。僕は、弟をおぶって、木陰まで連れて行く。

 

 あぁ、滑稽だ。ゴルフなどやったこともない僕が、ゴルフのコーチをしている。

 

 生徒たち(全員大人の男性だ)の、技術的・精神的な問題を指摘し、指導する。

 

 

 

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ソプラノ                                                                  

 

 私は女性だが、気がつくと男性の体に閉じ込められていた。そして私は、ゲイとして、ゲイの男性とつき合っている。みんな、同じだった。町にはもう女の姿はなかった。男同士のカップルが、手をつないだり、腕を組んだりして、堂々と歩いている。変化は、一瞬だった。

 

 私は、女と話したかった。女に会って、女の声を聞きたかった。それで女を真似て、できるだけ高い声を出した。掠れたソプラノで、君の名前を呼び、愛してる、会いたい、と言った。歌うように叫んだ。

 

 

 

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2020年8月30日

パン工房                                                                  

 

 感じのいいおばさんだ。僕もできるだけ感じ良く「ボンジュール」と挨拶した。 

 

 そこはパンを焼く工房のようだった。誰もいなかった。勝手に中に入るかたちになってしまった。さて。

 

 出ようとすると、外は土砂降りの雨だ。小さな子供たちを乗せたバンが入り口に停まり、引率の先生だろうか、年配の女性が2人降りて来た。子供たちに工房の見学をさせるらしい。

 

 

 

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フランス軍                                                                  

 

 本物の軍服なのか、コスプレなのかはわからないが、僕の目には本物に見えるそれを着た、男女のカップルが、日本語で会話をしている。日本語の勉強をしていて、練習で話しているのだろう。「日本語が上手ですね」と話しかけると、「あなたは日本人ですか?」と驚いた様子だった。

 

「日本語上達のためには、日本人との会話が欠かせないと考えます。もしも時間があれば、私たちと会話をして下さい」

 

 そんなわけで、カウンターにいた僕らは、店の奥の、子供の遊具が置いてある場所に移り、話を始めたのだ。

 

 

 ☆

 

 

「私は、タイムスリップして、若いころの父親に会いに行きます。若いとき父が何を考えていたのか、知ることができます。それはいい考えですか?」

 

 コインを入れて遊具を動かそうとしていたときに、軍服を着た彼がいきなりそんな話を始めるので、サイドイッチを落としそうになってしまった。

 

 

 

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錠剤                                                                  

 

 医者の診察を受けようとしている僕のジーンズの膝に、白い米粒のようなものが貼り付いている。手に取ってみるとそれは錠剤で、僕は「おとしものです」と言い医者に渡した。「ここは病院だから」と医者は答えた。「調べれば誰の薬なのかすぐにわかるでしょう」

 

 

 

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夜の黒い鏡                                                                  

 

 夜の黒い窓に、月が映っていて、僕は話しかけられたような気もしたので、振り返ってみたのだが、どこにも月は出てなかった。

 

 それで僕は思わず、鏡に向かって、ひとりごとを言ってしまいそうになったのだ。

 

 

 

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2020年8月29日

世界は世界中にあるから                                                                  

 

 世界は世界中にあるから、と君は言った。

 

 世界は世界中にあるから‥‥? と僕は問いかけた。

 

 だから?

 

 世界は世界中にあるのよ。

 

 

 

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キムタクと、彼の2人の息子                                                                  

 

 キムタクと、彼の2人の息子は言った。 

 

 

 あまりにおおきなものの中に僕はいるので、と彼は言った。

 

 何かの中にいるという感じがしないんだよね。

 

 

 あまりにおおきなものの中に僕はいるので、と彼は言った。

 

 これに外側があるような気がしないんだよね。

 

 

 

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プリン                                                                  

 

 3人がいて、同じプリンを注文した。「こういう場合」と僕は言った。「韓国ではいちばん年上の者が奢らなきゃならないそうだ」

 

 3人は同い年だったので、順に誕生日を言っていった。

 

 

 

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2020年8月28日

灯火管制                                                                  

 

 高級ホテルのスイートが用意されていて、スーツを着た男たちがやって来た。僕に、偽証を頼みたいという話だ。

 

 とある会社の社員証、社員寮の鍵、支給されたガラケー、などを持っていて、それらはすべて僕のものだという。

 

「我々に貸しをつくっておいて損はないぞ」

 

 夜景を眺めようとして部屋の明かりを消すと、彼らもどこかへ消えた。だが夜景などなかったのだ、最初から。戦時下のように町の明かりは消されていた。

 

 

 

 翌日、エントランスホールの中2階で本を読んでいると、折りたたみ傘を持ったフロント係がやって来た。「お客様の傘ではありませんか?」

 

 

 

 そうだった。僕はその傘を持って、連れの男と一緒に、あの屋敷の前にいた。重い木の扉が開き、待っていた2人の刑事が、僕たちに何か質問をした。

 

 一緒にいた男は別室に連れていかれた。僕は初老の刑事と部屋のテレビを見て寛いでいた。チャンネル操作の仕方がわからないと、刑事はマニュアルを探しにいった。

 

 僕たちに関する資料が、わざと机の上に投げ出されていた。どうぞ読んで下さい、と言わんばかりに。

 

 

 

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難解ではない                                                                  

 

 僕は「難解」ではない、と「難解」のところだけフランス語で言う。僕は「難解」ではない。僕は「難解」を知っている。僕は「難解」ではない。

 

 それを聞いて君は、「難解」を画像検索する。念のためだ。出て来た画像を2人で見る。もちろんそこに僕は写っていない。「難解」と僕は似ても似つかない。

 

 が、「難解」は少しだけ黒い子犬と似ている。そして僕はほんの少しだけ子犬に似ている。そのことを君は、一言も喋らずに僕に伝える。

 

 

 

 僕は君の手に手を重ねる。君のことはよく知っているよ、と言う。私は「難解」ではないわ、君は言う。

 

 けど僕は君を知っている。「容易」でもないわ、君は言う。

 

 

 

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2020年8月27日

犬と人間たち                                                                  

 

 知能の高い犬が頭の悪い人間を奴隷にしていて、頭のいい人間が知能の低い犬を奴隷にしている世界で、そこそこの知能はあるのに犬を使っていない僕のような人間は、珍しかった。

 

 犬を飼ってない、と言うと、その知能の高い犬は驚いたようだ。私が飼ってあげましょうか、という犬もいたが、断った。犬たちが人間に給仕させているそのカフェで、僕の注文を訊いてくれる人間はいなかったし、犬にコーヒーをいれさせるわけにもいかない。僕はただ1人で腰掛け、周囲の犬と人間たちを眺めていた。

 

 

 

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帰り道                                                                  

 

 カフェの前にいた黒い子犬がどうしても僕の道案内をしたがるので、やらせてみることにしたのだ。

 

 子猫のように首をつかんで、高い位置に抱き上げ、前がよく見えるようにすると、子犬は僕にその先の信号を渡るように言った。

 

 ファッション・ショーを見た帰り道、パリの慣れない界隈で、早くも道に迷いかけている自分に僕は気づいたのである。

 

 

 

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ビリー・ジョエルの「ディス・ナイト」                                                                  

 

 1つの刑務所から、もう1つ別の刑務所に移動する途中には、「人生」がいて、でも「人生」はやっぱり、僕に刑務所の話をしてくるのだ。

 

「私は大罪を犯したので、常に自分で自分を罰している‥‥」

 

 けれど僕もあまりに長く服役しているので、刑務所以外の世界を思い出せないし、移動の途中で見える景色を見ても、「人生」が何をしでかしたのか、まるで見当がつかないのだ。

 

 

 

 

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隠遁生活                                                                  

 

 僕たちは引っ越しの話をしていた、その部屋から一生外に出ないとして、引きこもって暮らすとして、どこに住むか。新鮮な食材をデリバリーしてもらうのには、町の中心部がいいだろうか、田舎がいいのだろうか。‥‥。‥‥。友達が遊びに来やすいように、やはり町中の方がいいのだろう。

 

 友人たちには、僕たちが、どうして閉じこもることにしたのか、説明をする、そういう夢を見た、これは夢を正夢にするゲームなんだ、と言って、彼らが納得するまで、何日、あるいは何年、かかるだろう。

 

 

 

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2020年8月26日

春のカレンダー                                                                  

 

 君は部屋の向こう側で長電話をしている。何もかもが木でできた家で、君は春の暦を見ながらお金の話をしていた。その間僕は果物の種をスプーンで選り分けている。種は木の床に捨てたが、見つかったら酷く怒られるだろう。‥‥。

 

 きっとカレンダーをめくるようにして通帳をめくるのだ。起きたときにはもう夢と現実が完全に混じり合っていて、銀行から電話がかかってくることも僕は知っていた。

 

 

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2020年8月25日

義足                                                                  

 

 その女は僕の前で服を脱いだ。裸になって、ベッドに横たわった。そして「これも脱がなきゃ」と言って、義足の左足を外した。

 

「これもつくりものなの」。乳房を外した。外れるものなのか。僕はそれを見て感想を述べようとした。

 

 

 

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サービス券                                                                  

 

 そのレストランは満席で、僕は入り口のところで待つことになったのだが、サービス券を持っていたことに気づいた。芝生の庭を横切って、隣のレストランまで行き、その券を見せる。「皿は持ってます」

 

 僕が持って来たお皿に、レストランの主人は、海鮮チャーハンを大盛りに盛ってくれた。皿を持って隣に戻ると、ちょうど席は空いている。僕は窓際の席でチャーハンを食べながら、料理を待つ客たちの会話を聞いていた。

 

 

 

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4時開店                                                                 

 

 僕と連れの男は、ビルの上の方の階で、いつかの夢を正夢にする遊びをしていたのだが、連れの男には何も知らせてなかったので、彼にしてみれば、ただ「景色を見た」というだけのことだったかも知れない。

 

 ホテルの部屋に戻り、今夜と、明日朝の分の食料を買いに行かなければならない、と僕は言った。それが彼には理解できなかったようだ。そんなにお腹が空いたのなら、ホテルのレストランで食べればいいじゃないか、と言う。

 

 奢ってくれるのかも。

 

 期待と共にもういちどエレベーターに乗り、最上階まで戻った。ディナーは4時からだったので、少し待つことになった。

 

 

 

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フォルテピアノ                                                                  

 

 指揮者がタクトを振って、曲が始まった。ピアノが2台。フォルテピアノと、現代のグランドピアノ。僕は君のグランドの隣の、フォルテピアノの前に座った。グランドより大きな音を出そうと、必死で鍵盤を叩いた。これはそういう競争ではないのだが、僕は真剣だった。

 

 

 

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ドクターマーチン、チャーチ 1年履いてみた                                                                  

 

ブーツだが冬は寒い(耐え切れないほどではないが)

 

消費税増税前に購入

 

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靴はこれ1足

 

実働320日

 

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なぜか右足の紐2回切れる

 

「チャーチ」、もともとは余った革をツギハギして子供用につくられたモデルとか

 

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新品当初

 

 

 

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2020年8月24日

後ろから                                                                  

 

 君に背中から名前を呼んでもらおうと思って、僕は湖に出かけて行き、1人でそれを眺めていた。

 

 途中で城に行き、眺めて待った。

 

 そしてまた湖まで引き返し、もういちど最初から眺めた。すると君はやって来て、僕に声をかけた。

 

 

 

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ダリの絵                                                                  

 

 昼頃起きると、床を見たことのない手足の長い昆虫が歩いていた。ダリの絵みたいな虫だ。僕は興奮してカメラを手に取った。動かないで、そのまま、と虫に声をかけて、ローアングルにカメラを構える僕を、双子の「頬」と「空」が、冷ややかな目で見ていた。

 

 

 

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2020年8月23日

逃走                                                                  

 

 ずっと後になって、爆発の、その瞬間を、偶然捉えた写真を見た。公園の、アンパンマンの後ろに、白い閃光が見える。撮影者は、どうなったのだろう。いや、考えるまでもなく、手遅れだ。

 

 僕たちは、走って逃げた。もう遅い、どうせ死ぬ、並走していた男はそう喚いて、生き残った花壇の花を、踏みつぶしていく。僕には、それが許せなかった。

 

 

 

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頬が先か、空が先か                                                                  

 

 僕は双子の妹たちに、秘密のあだ名をつけていた。1人には「頬」と。頬を触った後に、空を見上げる癖があったからだ。もう1人には「空」と。こちらには空を見た後で頬に触る癖があった。

 

 本人たちには内緒にしていた。言ってしまうと、意識して順番を変えてくるおそれがあったから。

 

 年の離れた2人の兄がいて、彼らが父親代わりだった。本当の父親はどうなったのか知らない。母親もいたはずだが、家の中にはいなかった。

 

 広い家には使ってない部屋がたくさんあって、その部屋には母親の荷物や服が置いてあった‥‥

 

 僕と妹たちは、成人した後も同じ部屋で寝ていた。それぞれ別の部屋を貰っていたのだが、寝るときになると同じ寝室に集まった。妹たちがダブルベッドを使い、僕はソファで寝る。床で寝ることもあった。ベッドよりもそこが気持ち良かった。

 

 その日は起きると昼過ぎで、完全に寝過ごしてしまった。妹たちもさっき起きたばかりのはずだが、デカい顔をしていた。兄たちも食堂に集まっていて、ひさびさに全員集合だった。

 

 兄たちと双子がつくった極太のうどんが、既に食卓には用意されていた。食べながら双子の1人は、大型バイクの免許を取る話をしている。どうせもう1人も後から同じことをするはずだが、最初にやるのは「頬」だろうか、「空」なのかどっちだろう。

 

 後でシーツを干すときに訊いてみよう。庭の物干しのところに妹の1人を誘って、さりげなく同じ質問をする。頬を触るのが先か、空を見るのが先か、それで判断するのだ。長年一緒に暮らしているけれど、僕は未だに「頬」と「空」の見分けがつかない。‥‥それもまた妹たちには秘密だった。

 

 

 

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ソーリー                                                                  

 

 あとになって思ったが、アイム・ソーリーを機械的に残念だと訳してしまったのかも知れない。

 

 誰かがネットで僕に成りすまして書評を書いているのを見つけた。

 

 そのサイトは人気があった。本人の名前でやればもっと人気が出るだろう。

 

 なぜ僕のふりをするのか理解できなくて、僕が本物の僕だと投稿した。

 

 そうするとたくさんの人から返信のコメントがついた。それはとても残念だというのである。

 

 僕のふりをしているサイトの管理人までがそう言った。

 

 ソーリーだと。

 

 

 

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2020年8月22日

叔母はユーミン                                                                  

 

 叔母はユーミンのような顔をして、「私はもうすぐ死ぬ」と言った。私に財産(株券だった)を遺してくれると言う。夢の中で私はまた女になって、この知らないオバサンの親戚になっていた。時は昭和四十年代。私にはこのオバサン以外に身寄りはないようだ‥‥。

 

 ‥‥

 

 腕に剛毛が生えてきた。毛はヤスリのようで、袖をボロボロにしてしまう。亡くなった叔母の呪いだろうか‥‥。抜くしかなかった。夢の中の私は、剃るという選択肢を思いつかなかった。

 

 

 

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1と1のゾロ目                                                                  

 

 私は小さな女の子になって、戦後の闇市のようなところをうろついていた。

 

 そこは動かない電車の車内だった。何人かの少年が、サイコロを使った賭博をしていた。「私もやりたい」。少年たちに言った。だめだと言われたが、リーダー格の1人が、サイコロを振る役を私に与えてくれた。

 

 私が出したのは、1と1のゾロ目だった。場は大騒ぎになった。リーダー格の少年は、私を「高い高い」して大喜びだ。

 

 しかし不思議なほど私は冷静だった。警察がやってくる。高い位置にいる私には見えた。私は少年たちと反対の方向に逃げた。

 

 

 

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2020年8月21日

総菜のコーナー                                                                  

 

 僕はスーパーの店内で寝ていた。床に寝転がっていた。総菜のコーナーに煮込みハンバーグがあった。それを買おうかどうしようかすごく悩んだ。そのうちに眠くなって寝てしまったのだと思う。

 

 脇には僕の買い物カゴが置いたまま。それはそのままで、僕は近くのコンビニに足を運んだ。煮込みハンバーグは既に売り切れていた。

 

 

 

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登山の誘い                                                                  

 

 土曜の午後は山登りに行こう。隣に座った男が僕を誘った。

 

 大学の教室だった。僕はフランス語の教科書を開いていた。

 

 日曜の午後は一緒にフランス語の勉強をしよう。その男は言った。

 

 山登りとフランス語、どっちも楽しそうだ。

 

 30年後、僕は近所の山に1人で登った。

 

 僕はもうハタチの大学生ではない。フランス語の勉強も1人でやった。なんとか喋れるようになるまで。

 

 

 

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入れ替わり                                                                  

 

 発音を間違えている。店を出るとき、女が僕に言った。あんた、v と u を間違えているよ。

 

 本当だった。僕の頭の中で、すべての v と u の位置がごっそり入れ替わって、せっかく覚えたフランス語が、別の国の言葉になっていた。

 

 vous が uovs になっているのだ。uovs? そう紙に書いた。

 

 その女の前で、繰り返し僕は、uovsと発音した。

 

 

 

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アンケート調査                                                                  

 

 教師がプリントを配った。僕は字が読めないのでわからないが、アンケートのようだ。1か2か3のどれかを選べばいいようだ。

 

 日本人の感覚で予想すると、1が賛成、2が反対、3がどちらとも言えない。

 

 だが僕が自信を持って3番を選択すると、それを見た教師は何ともいえない表情をして、下を向いてしまう。

 

 さらに次の瞬間、僕たちの体は入れ替わり、僕はプリントを回収する側になって、教室の全員が3番を選択しているのを知るのだ。

 

 

 

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2020年8月20日

赤いバス                                                                  

 

 赤いバスに乗って、島へ向かった。バスは夢の途中で、自転車になった。僕は自転車を漕いでいた。そこは島ではなく、都会の町だった。

 

 電柱のような、細長いビルに着いた。そこは放送局で、音楽や動画を電波に乗せて流していた。

 

 僕は島で撮影した写真をたくさん持っていて、それを電波に乗せてもらいに来た。君だけに見せるつもりだったが、あまりにもよく撮れたので、町のみんなにも見てもらおうと思った。

 

 係の人に写真を見せた。写真はプリントアウトして、写真集のように製本して持ってきていた。とても重いと係の人は言った。表紙だけ見て言った。手が疲れる‥‥。

 

 申し訳なかった。僕は乗ってきた赤い自転車に跨がり、島へ帰ることにした。

 

 記憶が少し途切れて、自転車はいつの間にかバスだった。夢の中で見る赤は、現実とは違う色だった。

 

 

 

 

 君が振り向いてウインクした。振り向く前にウインクは始まっていた。どっちだろう。長いポニーテールが揺れた。僕はバスに揺られながら、夢を見る夢を見ていたのだった。

 

 

 

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必殺技                                                                  

 

 メモを見ながら、何日か前の夢を思い出そうとしていたとき、君がウインクをした。

 

 野に咲く花を、写真に撮って、まとめて花束にして、君に贈った。そうしたら君は、ありがとうと言う代わりに、ウインクをした。

 

 よく演奏中、コンサートの最中、最前列の特等席に座った僕に、しつこくウインクしつづけた君。

 

 あの必殺技の、封印は解かれたのか再び?

 

 

 

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お見合いの企画                                                                  

 

 最終日の収録は、ファッション雑誌を見ながら、好きなことを話すというものだった。「ファッション雑誌は、何故こんなに重いのか?」「見てると手が疲れる」。どうせ最後だと思って、投げやりに喋っていたら、意外にも相手は食いついてきて、話は盛り上がった。

 

 テレビのお見合いの企画に出ていた。自転車でスタジオへ向かった。僕のお相手は日本語ペラペラなガイジンだった。何回かデートしたが、会話は弾まなかった。カメラの前で緊張して、お互いに自分のことは何も話さなかった。当然カップル誕生とはならず、このまま別れるものと思っていた。

 

 

 

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熱帯の絵                                                                  

 

 大学の構内のようなところで、バドミントンの試合をした。色んな国の、色んな人と。

 

 食事のテーブルについたのは、その人たちだった。主に僕は向かいに座った「教授」と話をして過ごした。

 

 壁に絵が掛けてある。

 

 よく見るとその絵に描かれているのは、隣に座った女の人だ。ゴーギャンが描いた熱帯の風景の中に、その人は同じ姿勢で腰掛けていた。

 

 

 

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マスクだとか社会的距離とか                                                                  

 

 マスクだとか社会的距離だとか、陽性者隔離とか外出自粛とか、これ以上守るに値しない決まりをつくって、僕に強制するな、と言いたい。ワクチンの強制接種に反対する僕のような人間は、1人ではない。僕たちはただ、人生を生きるに値するものにしたいだけ。世界は美しいと、感じて口にしたいだけ。より良い社会を築きたい、より良い人間関係を築きたいと思っている。

 

 

 

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2020年8月19日

新型コロナのワクチン接種義務化反対の署名運動です。署名しましょう。1人1人が声を上げていきましょう。無症状の人から感染する、は嘘です。STAP細胞レベルのでっちあげです。科学的証拠はどこにもありません。

 

新型コロナのワクチン接種義務化反対の署名運動です。ウェブ上で署名できます。

 

https://lifepetitions.com/petition/no-mandatory-vaccine-for-covid-19

 

1人1人が声を上げていきましょう。無症状の人から感染する、は嘘です。STAP細胞レベルのでっちあげです。科学的証拠はどこにもありません。

 

無症状の人から感染しないのであれば、マスク着用に象徴される、新しい生活様式は、する必要がありません。

 

副反応の出るおそれのあるワクチンなど、打つ必要もないのです。

 

この馬鹿げた騒ぎを1日も早く終らせましょう。厚生労働省のホームページにも書いてあるこの言葉がすべてです、「新型コロナは風邪の一種」

 

 

 

加えてこちらも

 

画像


請願:COVID-19ワクチンを拒否した場合の政府および企業の罰則


ここに署名して、COVID-19ワクチンを拒否した場合のいかなるペナルティ(罰則)も容認できないことを政府および企業当局に伝えます。

 

 

 

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2020年8月18日

元バレー部の医者                                                                  

 

 大学のバレー部でその医者はセッターをしていた。補欠だった私とは違い、彼女は1年からレギュラーだった。実業団に行くのだと思っていたが、彼女は卒業後にバレーをやめた。医者になると言って、医学部に入り直した。

 

 久しぶりに彼女に会いに行って、笑ってしまった。内科医である彼女は、カルテを診ながら、背中でナースにフォーメーションのサインを出していた。セッター時代の癖が抜けないのだ。スタッフたちも彼女の指示によく合わせている。馬鹿らしいと思いながらも、「ここで雇ってもらおうかな?」私は言った。

 

 

 

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2020年8月17日

桜吹雪                                                                  

 

 道なき道。車は左ハンドルだった。乗っていたのは若い女、その父親のように見える彼女の年老いた夫、娘、僕。

 

 女が運転していた。

 

 道路ではなく、畑の中を走っている。目の前に壁が迫って来た。

 

「どうしてブレーキを踏まない?」助手席の僕は苛立って女に訊いた。

 

 次の瞬間、車は壁に激突した。

 

 ‥‥

 

 僕は車を運転していた。隣には死んだはずのあの女が乗っている。

 

 壊れた車が道を塞いでいた。僕は運転していた車を降りて、その錆だらけの白い車を手で道の脇にどけた。

 

「こんな車に乗っていたのか?」と訊く。それは玩具のように軽い。

 

 ‥‥  

 

 昨日は吹雪だったらしい。道路が雪で塞がっていた。「ここからは歩いて行く」と言って僕は車を降りた。

 

 女が前を見て言った、「桜が散ってる」

 

「?」

 

「見て。雪じゃないわ、桜が積もってるの」

 

 でも確かに雪だった。

 

 

 

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新婚生活の断片的な記憶                                                                  

 

 ガラスの襖がある和室には何も家具が置かれていない。ここは何に使う部屋だろう? 窓から明るい光が差し込んでくる。

 

 

 月明かりにしては明るすぎる光。君は明日学校の試験があると言う。集中して勉強したいと言う。僕は1人で寝ることにした。

 

 

 気づかなかったが僕は右肩に怪我をして出血していた。夜の間にシーツを血で汚したのは君だと思っていたが、僕だった。

 

 

 君の家で一緒に暮らすことになった。僕たちはまだ10代だが結婚したのだ。

 

 

 

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2020年8月16日

君は過ぎた時間のように美しくなった                                                                                                                                    

 

 君は「時間」になり、僕たちは君がまだそうなる前に出会った。

 

 僕は時間と結婚したのだ。僕たちはいろいろなことをした。どんどん時間は過ぎていき、過ぎた時間は美しくなった。

 

 僕は時間の中で眠った。そうすると本当の夢を見た。何もかもがあまりにも当然のように起こるのを見た。

 

 時間が種を蒔き、時間が育て、時間が収穫するのだ。僕は最後の、食べる部分だけをやった。赤いスイカだった。

 

 

 

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狂った耳                                                                  

 

 君が僕に、「美しい光」と言ったことはない。夢の中でも、現実でも、君が僕に話す言葉は、フランス語だ。でもどうしてかわからないが、君の言う belle lumière は、僕の耳に美しい光と聞こえる。僕は不安になって、辞書を引いてしまう。

 

 あのときもそうだった。君はユー・アー・ノット・アローンとは言わなかった。フランス語だった。僕の狂った耳に、言葉が君の声で話しかけたのだった。

 

 

 

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鍵を渡す                                                                  

 

 僕は「それ」に鍵を渡した。「そこ」へ入るのに僕はもう鍵を必要としなかった。僕は同時に存在していた、内側と外側に。まるで美しい光のように、

 

 僕は誰よりも速く動くことができたが、どこかに移動する必要はなかった。ありとあらゆる場所にいた。

 

 

 

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美しい光                                                                  

 

「あなたは美しい光」と君は言った。この世には君以外に僕を美しい光だと言う人はいない。けれど僕は最初からわかっていた。この人は僕を美しい光だと思っていると。実際にそう言われる前から知っていた。

 

 僕自身美しい光を見ると自分だと思う。自分を美しい光だと思うし、美しい光は僕のものだとも思う。現実の世界で自分自身であり自分の所有物でもある美しい光に出会うことは不思議だ。

 

 

 

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2020年8月15日

水の底にある床屋                                                                  

 

 女房が客の髪を切っている。僕の家は床屋だった。町のいちばん深いところにあった。

 

 町はだいたい、水の中だった。大洪水以来、水上にあるのは5階以上だった。

 

 どこからが水中で、どこからが空気中なのか、はっきり見分けをつけるため、透明なはずの水に、青く色がつけてあった。

 

 キタノ映画のようなブルーが好きな大部分の人たちは、5階以上の透明な世界で暮らすより、青く静かな下の階を選ぶ。

 

 僕は以前と何も変わらない、騒がしくて透明な世界の天辺から、何かがおかしい青い自分の家へ帰っていくところだった。

 

 

 

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2020年8月14日

『一人称単数』 村上春樹                                                                  

 

 僕の夢の中ではあらゆる不思議が起こり、そのほとんどは現実になる。正夢にならなかった夢を正夢にしていくのが、今の現実での僕の仕事だ。はっきりとそう気づいたのは、何年前だろうか。何十年前だろうか。

 

 僕は僕の潜在意識が望んでいるとおりの僕になり、その僕に相応しい人生を送る。僕はずっと願っていた。40になっても50になっても、ジーンズとTシャツが似合う自由で格好いい大人になりたいと。そしてそうなった。

 

「だから」そうなったのではなく、ただ自然にそうなった。

 

 昔の村上春樹の小説の主人公のような、どこで何の仕事をして生計を立てているのか想像もできない男。自分だけの変わった生活スタイル(を維持すること)に価値を見いだし、一般の社会からは精一杯距離を置いて自由に1人で生きる。あれは僕だと思ったし、実際にそうだった。

 

 僕は僕の夢に忠実に従う。本家の村上春樹はずいぶん変わってしまった。35年前の僕が読んだとしても、そうなりたいとは思わないくらいに‥‥。

 

 新しい短編集が書店に並んでいたのだ。最初の一篇だけ立ち読みをして、結局僕は買わなかった。昨夜は村上春樹を買うという夢は見なかったから。今夜も見ないだろう。そして明日も。

 

 

 

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2020年8月13日

夏だから電車                                                                  

 

 夏だから、という理由を思いつく。明日は暑いから電車に乗らなければならない。夏だから暑いのではなく、夏だから電車。

 

 どうしてかわからないが、切符はカードでは買えない。そもそも紙の切符が要るのか? 小銭入れの中を探した。あるのは1や5の数字のコインばかり。それが何百枚必要なのか。

 

 

 

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黒い夏草                                                                  

 

 幼いときボールをぶつけられたせいで、僕の後頭部は凹んでいる。巨大隕石が落ちてできた、クレーターのようだ。髪の毛で隠せている今のうちはいいが、ハゲたらかなりみっともないことになるだろう。

 

 僕はクレーターの中に手を突っ込んで、夏草のように生えている髪の毛を外へ、なるべくフワっとなるように外へ搔き出すのだ。

 

 

 

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アナウンス                                                                  

 

 今日は海外から帰国する日だ。空港までの直通列車を待っていた。そこで急に気づいたのだが、首に掛けていたはずのカメラがなかった。着替えを入れたキャリーケースもなかった。

 

 そもそも記憶がなかった。ホテルを出て、どうやって駅まで来たのだろう。チェックアウトしたのは朝だった。突然昼になっていた。カメラが消えていた。記憶も消えていた。

 

 気を取り直して、とにかく空港に向かおう、飛行機に乗って家に帰ろう、と思った。不思議なアナウンスがあった。空港まで急ぐ人は、貨物列車に乗れと。わけがわからないまま、コンテナ車によじ上ろうとする。駅の職員に止められた。

 

 気づくとまた記憶が飛んで、突然夕方になっていた。僕はまだ駅にいた。今度は上着が消えていた。僕はもうシャツ1枚になって、そして列車は行ってしまった。

 

 アナウンスが僕を呼んでいた。遅れていた飛行機が出るという(急げ早く乗れ)。空港に行く列車はもうない。今更飛行機に乗る理由もない。一切の記憶がない。

 

 突然真夜中だった。また記憶が飛んだのだ。特別に車を用意したから、急いでそれに乗れという。そういう問題じゃない。電話中の駅の女性職員が僕を指差し、運転手は鏡で自分の顔を見て、僕の名前を呼んだ。

 

 

 

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バーコードの店                                                                  

 

 僕と友人の大学教授がバスに乗っていると、一緒にいた若い女性のグループ(彼の講義を受講している学生だろう)が、ふざけて問題を出してきて、

 

 アイドルや芸能界の話題なのだけど、僕も友人も何も答えられずに、彼女たちから「無知無能」「非常識人」の烙印を押されてしまう。

 

 バスを降りてからも、からかいはつづいて、「あそこに店があるでしょ」「111って店かい?」「なんで111だと思う?」「理由があるのかい?」

 

「頭のハゲたオヤジがやってる店なんだよ」と僕は自説を述べた。「イチイチイチではなくて、バーコードなんだ。日本ではハゲオヤジの薄くなった髪を、そう呼ぶんだ」

 

 韓国でも、ハゲはバーコードなのだろうか。正解はわからない。急に大人しくなった彼女たちは見ていた。ハゲたオヤジが坂を上って、汗を拭き、次々とそのバーコードの店に入っていくのを。

 

 

 

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母国語                                                                  

 

 君は僕と話をしている。フランス語で、英語で、ときどき韓国語で。

 

 でも僕の心の中には、君の声が全部日本語になって聞こえてくる。

 

 違う。よく聞いてみると、君は本当に日本語を喋っている。

 

 ‥‥そこまでが夢だった。

 

 

 

 僕が「ボンジュール」と言う。君も「ボンジュール」と言い、くすっと微笑む。

 

 それで気づいた。君の心の中で僕は違う言語を喋っている。

 

 そして全然違う話をしているのだ。それは

 

 僕に似ているが、僕そのものではない。

 

 

 

Tu parles japonais

quand je l’entends

Non,

 

C'est à moi

que tu parles.

En français

en anglais

et en coréen parfois.

Mais dans mon cœur

te voix son

en japonaise.

 

Je dis “こんにちは”

et tu dis “bonjour”.

Tu souris aussi

et je le remarque.

Dans ta tête

je parle une autre langue.

 

Je suis en train de parler…

Je suis comme moi

mais je ne suis pas

moi-même. Et

tu écoutes une toute autre.

 

 

 

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2020年8月12日

記憶喪失                                                                  

 

 僕は見知らぬ町にいる。町中を見て回る。電車に乗ったり、歩いたりして。

 

 そのうちに記憶が戻ってくる。あと少しではっきりと思い出す。自分がどこにいるのか。

 

 知らないと思っていた人々も、見たことのある人たちに変わっていき、最後には友達になる。

 

 いつか彼らの1人が、僕の忘れられた本当の名前を呼ぶ。

 

 僕は永久にその名を知らず、僕と、彼らと一緒に、ここにはもう1人別の誰かがいるのだと思い込む。

 

 

 

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クレープ屋                                                                  

 

「CIAの者です」

 

「CIA ? どこのエアラインかしら?」

 

 オードリー・ヘップバーンの映画を観ている。

 

「あなたって、アレね」

 

「アレ?」

 

「な・ん・で・も・な・い。 さよなら」

 

 パリ。駅前にいる。朝食にクレープを食べようと思う。クレープ屋が固まってる一画を一周した。

 

 アラブ系の男の子が1人でクレープを食べている。店の子だろうか。その店がいちばん美味しそうだ。テーブルは1つしかない。

 

 

 

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2020年8月11日

筒                                                                  

 

 屋上に置かれた小さな鉢植えが見えた。晴れて乾燥した日がつづいている。そろそろ誰かが屋上によじ上って、水をやる必要があった。

 

 上空を飛ぶドローンが撮影した映像が、僕の頭の中に転送されてきた。僕たちが住んでいるビルを映したもので、真上から見るとそれはずいぶん細かった。丸い電柱のようで、本当に僕たちはこんな細長い筒の中で暮らしているのか?

 

 

 

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ポテチとキャベツ                                                                  

 

 強い風が吹き道路にポテトチップスとキャベツが転がっていく冬に歩き出そう。拾って食べよう。服の埃を払おう。

 

 

 

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過去と未来とコーヒーとカレー                                                                  

 

 彼とカレー屋でカレーを食べた後、向かいの喫茶店に移動して、コーヒーを頼んだ。スマホをいじりながら、コーヒーが来るのを待っている。すると制服を着た事務の女のコたちの大集団が、ドカドカ入店して来た。店内で電話応対の社員研修が始まった。

 

 その中に君がいた。髪をショートにして、紺の地味なタイトスカートを穿いて、20歳ほど若返っていたけれどすぐにわかった。腕に白黒のレトロなブラウン管テレビを抱えている。僕は画面を覗き込んで、君と顔を見合わせた。テレビにはスーツを着た年配の男性が映っている。僕と注文したコーヒーが来るのを待っている彼だ。なんと20年後の世界では、彼が女子社員の指導役だ。

 

 

 

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2020年8月10日

自由観光                                                                  

 

「オプションのツアーには参加しないのかい?」コンダクターのおじさんが僕に訊いた。

 

「自由観光かい?」

 

 そうです。僕と自由は30年前に相互依存の関係になっているので、僕が自由であることは、自由のためにも必須なんです。

 

 はいはい、という感じでおじさんは手をひらひらさせた。

 

「最終日は17時に駅に集合だよ。遅れないようにね‥‥」

 

 時計を見た。もう16時を回っていた。

 

 僕が聞き間違えた可能性もある。17時ではなく午後の7時だったかも知れない。おじさんが言い間違えた可能性もあるだろう。

 

 そんなわけで僕は、町の中心部に留まったまま。

 

 やたらと道幅が広く、建物と建物の間隔もあけてあり、都会の割りには、密度が低い。

 

 今になって思い出した。この町には何度か来たことがある。

 

 懐かしいあの映画館に行ってみようか‥‥

 

 

 

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自由と静寂                                                                  

 

「自由」と聞いて、騒がしいお祭りのようなものを連想する人と、大自然の中の静寂を連想する人と、ふたとおりなんだと思うが、僕は自由と聞くと、黙ってしまうタイプの人間だ。自由というのは、叫んだり、歌ったりするものではなくて、静かに、考えてみるようなものだ、と。そうやって思いついたことを、誰かに伝えようとした瞬間に、自由は自由でなくなる。黙ったまま、1人で過ごしている間に、自由に考えたこと、伝えたくなるまで、もう少し、あと少しだけ、僕が自由でいよう。自由でいてあげよう、と思う。

 

 

 

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2020年8月 9日

コロナは無症状の人からも感染が広がるというSTAP細胞レベルのトンデモ理論。誰が言った話? どこにそんな論文が? いつ検証されたの? 科学的に証明された事実なの?                                                                  

 

 そもそもPCR検査自体無効と言っていい。ウイルス検査に使うものではないと、製品の説明書にも書いてある。「感染」の前提となる検査が根拠レスであるばかりか、無症状の人から感染するというのも、科学的に立証されていない。完全なる都市伝説。STAP細胞レベルのトンデモ理論。テレビ以外のところからも情報取ってる人なら、コロナ対応のそういう矛盾、おかしな点には気づいているはず。

 

 つまりマスク着用に象徴されるほとんどの「対策」は、エピデンスに基づく科学的行動ではなく、対策を取っているという姿勢をアピールするだけポーズ、たんなるイメージ戦略、イメージ行動に過ぎないと。

 

 いい子ちゃんたちのイメージ戦略に、これ以上つき合ってられるか。アホらしい。いち抜けた、にー抜けた、でいいのではないかと思う。

 

 僕がいつも読んでる、理系の学部を卒業されたというブロガーの皆さん。フェイスブックのお友達。ねぇ教えて。 コロナは無症状の人からも感染が広がるって、誰が言った話? どこにそんな論文が? いつ検証されたの? どのようにして検証されたの? 

 

 それは本当に科学的に証明された事実なの? 

 

 

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2020年8月 8日

味噌汁の味                                                                  

 

 家を出るまでずっと、僕は朝食に味噌汁を飲んでいた。正確には飲んでいたわけではなく、具を食べていただけだが。汁は一滴も飲まずに捨てていた。

 

 一人暮らしをするようになってからも、最初のうちは味噌汁をつくっていた。だが具だけ食べ汁を捨てるのは、もったいないと思い始めた。何十年前か忘れたが、それでいつのまにか、僕は味噌汁を飲むのをやめた。

 

 この間、外国から友達が来た。2人で日本料理の店に行くと、味噌汁が出てきた。僕は昔のように、汁は飲まないように気をつけて、小さな具だけを食べていた。

 

 しかし味噌汁の匂いだけで、僕はどんどんと気持ちが悪くなっていった。ショックだった。こんなに嫌いなものを、嫌いだと気づかず、ずっと習慣で、自然に食べていたのか。僕はもともと、味噌汁が大嫌いだったんだな、そのときになって初めて気づいた。

 

 

 

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シーソーゲーム                                                                  

 

 誰もが西を目指した。もともと西にいた連中は、さらに西を目指した。西の果てにいた人々は、どこも目指さなかった。そんなわけで世界は、シーソーのように傾いてしまった。

 

 僕は1人で、東の果てまで行った。そしてシーソーの向こう側に言った。こっち側に僕が乗っていて良かったね。世界に僕がいて良かったね。小さな声で、独り言のように言った。

 

 

 

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犬の気持ちのワルツ                                                                  

 

 姉妹はピアノの勉強をしていた。学校のとんでもなく広い敷地。あちこちに電子ピアノが置いてあった。姉妹は目指す校舎に向かう旅の途中、電子ピアノで課題曲を練習していた。ディアベリのワルツだ。

 

 

 

 広い教室に2台、ピアノがあった。僕の目の前に1台、となりの男のコの前に1台。楽譜があった。歌曲のようだ。犬の気持ちを歌った詩は面白いのだが、曲は退屈で、僕は練習中にウトウト寝てしまった。

 

 夢の中で、僕もディアベリのワルツを弾いていた。はっと目を覚ます。ピアノの先生が来ていて、課題の歌曲を演ってみろと言う。隣の男のコが弾き、練習不足の僕は歌った。犬になったような気持ちで。

 

 すると僕たちの後ろで、ピアノの演奏が。誰が弾いているのかは、振り返らなくてもわかった。退屈だと思っていた課題曲も、君が弾くとこうなるのか。

 

 

 

 完全に目覚めたまま、もういちど夢を見た。風変わりなコンサートだ。ステージの上に僕がいる。客席にピアノがあって君が弾く。僕は演奏するのではなく聴くのだ。観客の目の前で聴くのだ。

 

 

 

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2020年8月 7日

日曜の市場                                                                  

 

 食べ物は、どこに行けば買える? マルシェに、あまり食料品はなかった。代わりに並べられていたのは、花だ。たくさんの客がいた。ほとんどが白人のファミリーで、幸せそうな彼らは、食べ物には興味がないようだった。

 

 

 

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北斗の拳                                                                  

 

 僕は、北斗神拳の使い手になって、知らない誰かと、戦っていた。指先で人の太腿をつついて、ひでぶと言わせている。それも、遠い過去になった。

 

 町を歩いていると、バッグ屋のバーゲンに出くわした。バックパックが、たったの3フランだ。店内に入り、さらなる掘り出し物を、夢中で探した。知らない誰かが、横から指先で僕をつつくまで。

 

 

 

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新型コロナのワクチン接種 実質義務化に反対します                                                                 

 

おそらく来年、ほぼすべての日本人は、新型コロナの危険なDNAワクチンを打つか、拒否して仕事と移動の自由を失うか、究極の選択を迫られるだろう。

 

政府は薬害が起きること前提で、新型コロナワクチンを海外に発注していることがわかった。

 

 

「新型コロナ 副作用訴訟費、政府が負担 ワクチン確保、メーカー要望」

 https://mainichi.jp/articles/20200722/ddm/001/040/134000c 

(毎日新聞)

 

 

薬害が起きて製薬会社が訴えられた場合、訴訟費や賠償金を政府が肩代わりするという。

 

薬害が起きた場合、本来製薬会社が払うべき賠償金を、政府が日本の税金で肩代わりすると言っている(日本人は足元見られているのか)。

 

開発中の新型コロナワクチンは、いわゆるDNAワクチンで、わかりやすく説明すれば、それは遺伝子組み替え作物のワクチン版といったところ。

 

接種した人間に、長い目で見てどういう影響がでるのかは、はっきりとわかっていない。

 

そのリスクを冒してでも、ワクチン接種しなければならないほど、新型コロナは危険な病気なのか?

 

医療関係者や、介護福祉士、教員など、ワクチン接種が実質強制になる職種は多いだろう。

 

高齢者にとっては、ワクチン接種が老人ホーム入居の条件となるかも知れない。

 

1年の1/3を海外で過ごしているという、僕のような旅行者階級も、ワクチン接種の証明がなければ、もうどこにも行けなくなるかも知れない。

 

あのときもっと反対していれば良かった、と悔やむのは嫌なので、今のうちに、精一杯じたばたしておこうと思う。

 

無名の一個人にできることはあるだろうか? わからないが、とにかくできることから行動を起こしていきたい。

 

 

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2020年8月 6日

キス                                                                  

 

 夢を見ていた。君が僕にキスした。夢から覚めた。君がまた僕にキスした。また夢から覚めた。また君が僕にキスした。やっと僕は気づいた。

 

 夢を見ていた、と思い込んでいただけだった。僕は君とキスした。本当に、ほんとうに。思い出せない夢を見て、それから眠りに落ちた。

 

 

 

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ワンダーフォーゲル                                                                  

 

 神戸から横浜へ歩いて行こうとしている。充分歩ける距離なのだ。以前と比べて日本はずいぶん小さくなった。

 

 30分ほどで横浜に到着した。景色は神戸と変わらない。ここは本当に横浜なんだろうか。まったく見分けがつかない。僕は今どこにいるのだろう、と思った。まっすぐ、どこまで歩いて行っても、また同じ道に出る。右手に、夏の海が見える。

 

 

 

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2020年8月 5日

天国への梯子                                                                  

 

 紙の地図を広げて、見ながら、海沿いの道を歩いていた。半ば、迷っていた。前を行く人が、急に方向を変え、建物の中に入った。どこに向かうのだろう、狭い階段を駆け上っていった。衝動的に、僕も後を追った。

 

 階段を上り切った先には、梯子が掛けられていた。「天国への梯子」だった。どんなところだろう、天国は。梯子を上り切った天井に、マンホールのような蓋がしてあった。押し上げて外に出てみると、さっきの海沿いの道だった。

 

 道沿いに、赤い花が咲いている‥‥。天国と、天国以外。目に付く違いといえば、それぐらいだった。

 

 

 

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2020年8月 4日

健康                                                                  

 

 列ができている。人が並んでいる。彼らは健康になる順番を待っているのだという。

 

 まったく不健康には見えない彼ら。僕は手に葉を持っている。その過度に鮮やかな緑。

 

 

 

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駅前                                                                  

 

 収穫の終った秋の田んぼを歩いて、僕は駅に向かっていた。前を行く頭に包帯を巻いた男は、昔の知り合いに似ている(芸能人の誰かにも似ている)。それにしても包帯、怪我でもしているのかと思ったら‥‥、それは白い包帯のように見える帽子だった。男が帽子を脱ぐと、田んぼの中に、いきなり「駅前」が出現して、目指す駅もすぐそこなのだった。

 

 

 

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2020年8月 3日

バヤリース                                                                  

 

 ウェイターが缶詰のみかんをデザートとして運んで来た。何かの企画だろうか、隣のテーブルでは高そうなスーツを着た男が、目隠しをしてストローでバヤリースのオレンジジュースを飲んでいる。きっと高価なジュースだと思い込んでいる。

 

 

 

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2020年8月 2日

座敷童                                                                  

 

 その部屋の中で、僕は幽霊か座敷童のような存在だった。

 

 姿は誰にも見えないが、確かにいる。いないものとして扱われているが、完全に無視されているわけではない。何となく気にかけてもらっている。

 

 それでその部屋には絵に描いたような「嫁と姑」が住んでいた。姑の息子(嫁の配偶者)の姿は見えない。

 

 僕がそうだったのかも知れない。

 

 姿の見えない僕が冷蔵庫を開けて中のものを食べてしまうのを、彼女たちは気づいていたのだろうか?

 

 心の中はわからない。家の中でときどき起きる不思議なことを、嫁は姑のせいにしていたし、姑は嫁のせいだと思い込んでいた。少なくとも表面上は。

 

 

 

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オレンジ色                                                                  

 

 窓の内側に、十字架があって、オレンジ色に光り輝いていた。

 

 そのさらに内側には、雲が出ていて、満月の光を遮っていた。

 

 部屋の中は、そんなだった。

 

 窓の外の、現実の世界で、その間に何が起きていたのかは知らない。

 

 

 

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2020年8月 1日

秘密の店                                                                  

 

 自動車用のエレベーターで地下2階に下りて、そこで別のエレベーターに乗り換え、1階に戻った。そうしないと辿り着けない秘密の1階に、その秘密の店はあるのだ。

 

 その店の本棚に本はなく、代わりにヘアブラシが置いてあった。そのヘアブラシはヘアブラシとしてではなく、靴用のブラシとして売られていた。

 

 いやそのブラシは売り物ではなく、売っていたのは一緒にディスプレイしてある「靴の写真」なのかも知れない。僕たちは裏の裏まで読まなければならない。

 

 別の棚にあった『愛と幻想のファシズム』を読み返すと、別の話になっていた(それも僕の記憶違いかも知れない)。村上龍は本当はこういう話を書いたのかも知れない。

 

 

 

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マスク着用を一生涯拒否する                                                                  

 

 無症状の人の鼻の穴に綿棒突っ込んで、ウイルスの死骸が1個でも出て来たら、その人は新型コロナ。

 

 雑菌だらけの布で口と鼻を覆うこと推奨、って、私たちはいったいどんな病気に感染させられようとしているの?

 

 交通事故で死んだ人の鼻の穴に綿棒突っ込んで、死体から新型コロナウイルスの死骸が出て来たら、死因は新型コロナ。

 

 熱中症で死んだ人の鼻の穴に綿棒突っ込んで、死体から新型コロナウイルスの死骸が出て来たら、その人の死因は、新型コロナ。

 

 この状況に絶望して、もし僕が自殺したとしても、僕の鼻の穴に綿棒突っ込むのは、絶対にやめてください。

 

 

 

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