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2020年8月28日

灯火管制                                                                  

 

 高級ホテルのスイートが用意されていて、スーツを着た男たちがやって来た。僕に、偽証を頼みたいという話だ。

 

 とある会社の社員証、社員寮の鍵、支給されたガラケー、などを持っていて、それらはすべて僕のものだという。

 

「我々に貸しをつくっておいて損はないぞ」

 

 夜景を眺めようとして部屋の明かりを消すと、彼らもどこかへ消えた。だが夜景などなかったのだ、最初から。戦時下のように町の明かりは消されていた。

 

 

 

 翌日、エントランスホールの中2階で本を読んでいると、折りたたみ傘を持ったフロント係がやって来た。「お客様の傘ではありませんか?」

 

 

 

 そうだった。僕はその傘を持って、連れの男と一緒に、あの屋敷の前にいた。重い木の扉が開き、待っていた2人の刑事が、僕たちに何か質問をした。

 

 一緒にいた男は別室に連れていかれた。僕は初老の刑事と部屋のテレビを見て寛いでいた。チャンネル操作の仕方がわからないと、刑事はマニュアルを探しにいった。

 

 僕たちに関する資料が、わざと机の上に投げ出されていた。どうぞ読んで下さい、と言わんばかりに。

 

 

 

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