雲の踊り
最初に踊った人たちの顔には、数字や記号が大きく書かれていた。そういうお面をつけているようにも見えた。どっちにしろ表情はよくわからなかった。その踊りも何を表現したものなのか知れなかった。
その踊りが終ると美しい人が舞台にあらわれた。その人は踊らなかった。ただゆっくりと歩いていた。男なのか女なのかわからない。髪は長かったが男なのか‥‥
その人は去った。するとその後に、帽子をかぶった男たちが出てきた。いや違う。雲だ。黒雲を帽子のように頭に乗せているのだ。
彼らもまた踊った。顔を伏せて踊った。どう解釈したらいいのか。どう受け取ったらいいのか。理解できない踊りを。激しい踊りだった。その踊りは長くつづいた。
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