ピノキオ
その背の高い女の人との待ち合わせ場所へ向う途中、別の背の高い女の人に出会ったのだが、その人は「自分こそがあなたを呼び出した女」なのだと言った。
僕はウソツキの女に話しかけた、「君が僕を呼び出したとして、何の用なの?」
女はウソを答えた。(ホントウだったのかも知れないが、僕はその話を信じない。)
女は1人で喋りつづけた。ピノキオの鼻がのびるように、女の背ものびた。
僕は黙ったまま歩いた。
僕たちが待ち合わせ場所に着いたときも、まだ女は喋っていた。声は遥か頭上から届いた。女の声を聞くために、僕も少しウソを言った。そうすると僕の背ものびた。
約束の人を待ちつづけている間に、僕は女と同じくらいの背丈になった。
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