« 白く暖かい | トップページ | バンビ »
パスポートを開いた。僕の顔写真は剥がれていた。パスポートを入れておいたファイルの中に、それは落ちていた。たくさんの顔写真、けれどどれも僕の顔ではない。性別も、年齢も、人種もさまざまな顔、顔。
飛行機に乗る。空港へ向うバスの中だった。今から再発行してもらう時間はない。僕は僕にいちばんよく似た写真を選んだ。それは少女の顔だったが仕方ない。少女が僕を笑っていた。
2024年4月 9日 | 固定リンク | 0
名前:
メールアドレス: (ウェブ上には掲載しません)
アドレス(URL):
この情報を登録する
コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。
内容:
コメント