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電話は、黒いダイヤル式の電話だった。ネットに投稿した僕のエッセイを読んだという人から、電話がかかってきた。「嬉しいよ」と言う、その声は知らない、若い男のものだった。たしかに嬉しそうな声であった。
「何が嬉しいの?」僕の返事にも、相手は愉快そうに笑った。その笑い声が僕を不安にさせる中、手にした受話器が、重くなったり、軽くなったりした。この自分の手にしているものは、いったい何なのだろうと僕は思った。
2024年4月21日 | 固定リンク | 0
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