盲目
目が見えなくなった僕のもとに、身の回りの世話をしてくれる、たくさんの親切な人がやってきた。実は僕は手のひらで見ることはできたため、みんなの顔がどれだけ醜いかは知っていた。
人間だけではなく、犬や猫も集まった。耳や目が半分なくなった、ぞっとするような皮膚病の犬猫ばかりだ。醜い人たちは、その犬猫たちを保護したが、決して病院に連れていこうとはしなかった。みんな‥‥障害者だった。身体だけではなく、精神にも少なからぬ問題はあった。僕はそんなすべてが、見えないふりをしなければならなかった。
目を閉じるようにして、拳を握りしめていた。
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