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2024年7月18日

 皿                                                                  

 

 2階によじ登り、ベランダの窓を開けて、家の中に入ろうとすると、そこには鎖が、ぐるぐると巻きつけられていて、アラームが9時にセットされた大きな目覚まし時計が置かれているのだが、今はまだ8時だ‥‥

 

 おそらく9時になると、鎖は解かれるのだろう。僕は中にいる人と協力して、家中の皿を、ベランダに並べる。丸い、何の模様もない、白い皿を、月光を、浴びながら。庭にいるおじいちゃんが、その作業に、あれこれと、うるさく、口を出すだろう。

 

 

 

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2024年7月17日

 地上高                                                                  

 

 それは、やけに車高の低いバスだった。席に腰掛けると地を這っているようだ。それでもまだ低さが足りないというのか‥‥エスカレーターに乗ってバスは地下に下りていく‥‥

 

 地下には銭湯があった。銭湯、サウナ。バスは‥‥女湯に侵入した。男性の運転手が僕を振り向いて、ニヤニヤ笑った。

 

 ‥‥こいつは、確信犯だ。

 

「お客さん‥‥女じゃなかったんだね‥‥」

 

 何をわざとらしいことを‥‥

 

 

 

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 イベント                                                                  

 

 狭い道を抜けると駅前だった。体を横にしてやっと通る。目の前が急に賑やかになった。

 

 そこから駅の構内に入るのに、また狭いところを通り抜けねばならなかった。

 

 左足が何かに挟まって抜けなくなった。

 

 駅構内では映画のイベントが催されていた。僕はそれを観に来たのだ。突然駅全体の照明が消えたり、稲妻のようなものが光ったり、そんな演出を楽しんだ。駅を利用する客にとっては馬鹿げたイベントなのかも知れなかった。

 

 

 

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 レストラン                                                                  

 

 一戸建て家の隣に、レストランがあり、そのレストランの隣に、また住宅がある。そんな通りを、車でゆっくりと走っていた。昼どきで、どの店でランチにしようか迷った。ふと気づいた。この通りの家の住人は、毎日必ず隣のレストランで食事をするのだ。玄関を出て、右隣に行くか左隣に行くか悩む。彼らの悩みと言えば、それだけだ。いやもしかしたら、家を出る前に決めてあるのかも知れない。考える時間は、山ほどあるのだから。

 

 レストランは看板を出しておらず、どこで何の料理が食べられるのか、高級店なのか大衆的な店なのか、見当がつかなかった。そうこうしているうちに道が狭くなり、それ以上車が進めなくなった。その時点で、僕たちはやっと車から降りた。右に行くか左に行くか、話し合うために。

 

 

 

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2024年7月16日

 パンク                                                                  

 

 帰宅するとすぐ「出かけよう」と言われた。銀色のリムジンが車庫にあった。運転手はどっか行っていなかったので僕が運転する羽目になった。僕はこんな大きな車を運転した経験がない。

 

 慎重に発進させた。ゆっくりゆっくりと家の前の道路に出た。下校の時間帯で、ギャーギャーうるさい高校生の乗る自転車に僕らは囲まれる。そのとき後ろのタイヤがパンクしていることに気づいた。

 

 僕がブレーキを踏むと、自転車が乗った高校生たちも動きを止めた。話し声も、ピタッとやんだ。車のドアを開け僕は降り立った。制止した彼らの中に。

 

 僕はパンクしたタイヤを見た。しばらく見た後で、「やっぱり自転車で行こう」と言った。けどその言葉を聞いても、高校生たちは、誰も動き出さなかった。固まったままだった。

 

 

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2024年7月15日

 椅子                                                                  

 

 僕は孤児だった。あるとき名家の養子になった。そこには僕より背の高い「妹」がいて、でかい椅子にデンと腰掛けていた。

 

 僕は孤児院から持ってきた小さな椅子にちょこんと座って、ぎこちなく挨拶をした。

 

 その家では話をするときは必ず椅子に座って話をした。当然食べるときも椅子、飲むときも椅子なのだが、椅子に座ってないときに、人と話をしてはいけない決まりだった。

 

 

 

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 怪獣                                                                  

 

 女の怪獣が僕と彼女を追いかけてきた。僕らは走って逃げた。歩きでは追いつかれる。怪獣は僕らより速く歩けるから。車でも追いつかれる。怪獣の車は僕らより速いから。でも怪獣は僕らより走るのが遅い。だから僕たちは走ったんだ。眠らないで北海道まで走った。駅に停まっていた北海道行きの急行にも乗らなかった。怪獣は特急に乗るだろうから。

 

 

 

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2024年7月14日

 広角レンズ                                                                  

 

 階段を下りて1階に行こうとしていたとき、僕は自分の目が、超広角レンズになっていることに気づいた。

 

 1階は遥か遠く‥‥

 

 しかし下まで下りてしまうと、目は標準に戻った。

 

 そこから階段の上を見上げる、目は望遠レンズであった。

 

 

 

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 矢ガモ                                                                  

 

 ショッピングモールに、ボウガンを持った男がいた。本物なのかどうかわからなかった、何かの撮影かも知れない‥‥。しかしその男は人を撃った。パニックになった。

 

 撃たれた人は、痛がらなかった‥‥。ただゾンビのようになって、男に操られた。ボウガン男は、そうして、何人かを操り人形にし、SPのように自分を守らせた。

 

 1人の若い女が、立ち上がり、ゆっくりとその男に向っていった。ボウガン男は彼女を撃った。しかし矢が当たっても彼女が操られることはなかった。

 

 彼女は太極拳のような遅い動きで、男に飛びかかり、ボウガンを奪った‥‥

 

 あまりにもそっと、優しく奪ったので、男が自ら、彼女にボウガンを差し出したように見えた。

 

 

 

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 別荘                                                                  

 

 別荘から自宅に電話した。知らない男が出た。僕は「今から帰るよ」と女房に向って言うように話した。

 

「予定より早いじゃない」とその男も女房のように答えた。

 

「ところで誰と一緒にいるの?」

 

「変なこと訊くのね。ここには誰もいないよ」

 

「そうか。じゃ今から帰るから。夕食には間に合うよ」

 

 実際には僕はずっと別荘にいる。当分帰らないつもりだった。

 

 

 

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2024年7月13日

 ブラピ                                                                  

 

 失恋して無人島に行くとブラピがいた。そこは無人島ではなくブラピの島だったのである。ブラピは何年も前から来ていたようで、髪も髭も伸び放題だった。ホームレスと区別がつかなかった。ブラピも失恋したようである。

 

 

 

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 白い犬                                                                  

 

 飼っている白い犬が崖から飛び降りた。下にいる僕に抱きとめてもらえると思ったのだ。しかし僕が避けたので犬は足を骨折した。悪かったな、と僕は声をかけた。

 

「痛いか?」

「痛い」

「左右どっちの足が痛い?」

「左」

「じゃあ左足が折れたんだな。ちなみに前足? 後ろ足?」

「両方だよ! ワンワン!」

 

 オートバイで病院に連れて行った。

 

 

 

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 北海道旅行                                                                  

 

 連休だった。女房が旅行に行きたがった。僕は自転車の後ろに女房を乗せ、全速力を出し、北海道を目指した。高速道路を走った。

 

 途中、グランドキャニオンのような絶景が広がる。高い柵が張り巡らされ、立ち入り禁止だった。「ここはどこ?」と女房が訊いた。「ここは東京だよ」と僕は答えた。「かつて東京と呼ばれていた都市さ」 そしてさらに早く自転車を漕いだ‥‥

 

 知り合いの牧師が北海道にいた。彼の教会の中を自転車で走り回った。子供たちの描いた絵がたくさん貼ってあった。「床に足をついたらだめだよ」と牧師は言った。「壁に手をついてもだめ」「ついたらどうなるの?」「帰れなくなるよ」

 

 だが女房は自転車を降り地面に足をつけた。トイレに行きたかったのだ‥‥ 。女房を待っている僕を雷鳥たちが取り囲んだ。「雷鳥に触れたらだめだよ」 牧師は言った。「天然記念物だからね」 その牧師の言葉が最後になった。

 

 気づくと僕は家にいた。1人だった。手が雷鳥臭かった。手を洗った。すると僕の両手は石になった。さらにゴシゴシやっていると、ぼろぼろに崩れた。

 

 

 

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 ついてきた                                                                  

 

 僕の後を誰かがつけている。僕が振り向くと、その男は近づいてきて、何をしてるんだ、行こう、と言う。「早く」

 

「行くって、どこに?」

 

「あんたが行こうとしてるところに、だよ」

 

「何でついてくるの?」

 

「まぁいいから」

 

 友人と8時に待ち合わせだった。

 

 僕(僕たち)が3時に着くと、友人はいた。改札を出たところで、しゃがみ込み、スマホをいじっている。

 

 僕が振り向くと、ついてきた男は笑った。

 

 みんな、何をやっているのだろう。僕はスマホを持ってこなかったことを思い出した。

 

 

 

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2024年7月12日

 王様                                                                  

 

 空港から、市内へ向う直通電車へ乗ろうとしていたとき、古い友人と出会った。

 

 電車は、既に満員・満席状態だったが、彼と僕が最後に乗り込むと、席が2つ開いた。座ろう、と彼は言った。

 

 僕は立ったままでいたので、彼も立っていたのだけど‥‥

 

 そうすると、車内にいた全員が席を立ち、別の車両に移った。

 

 さぁ、座ろう。彼は言った。

 

 僕が彼と並んで、腰を下ろすと、ドアが閉まる前に、電車は動き出した。

 

 


 

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2024年7月11日

 クラゲ                                                                  

 

 クラゲ。クラゲ。たくさんのクラゲ。珍しいクラゲがたくさん。どこがどう珍しいのか、解説している音声。

 

 ユニコーンのような、角を生やしたクラゲ。ヒョウ柄のクラゲ。これは珍しいだろう、と思う。しかし音声は、どちらも珍しくないと言った。

 

 

 

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 白い車                                                                  

 

 前を走る白い車が、黒い影の中に入る。大きな道路。右に直角に曲がっているが、真っすぐ行こうとすれば行ける。そこは、道なき道。僕のポルシェには、ちょいと狭すぎる道だ。

 

 

 

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 お供え物                                                                  

 

 あの日僕の家の前にお供え物がしてあるのに気づいた。食べ物である。食べてみた。腹は壊さなかった。ちょうどそのとき僕は神になったのだ。正確にはその食い物が僕を神様にした。

 

 

 

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2024年7月10日

 燃料切れ                                                                  

 

 壮年のカップルが目の前を手を繋いで歩いていた。彼らがどんどん若くなり、最後は幼稚園くらいの子供になるのを見た。僕はタイムマシンの背中に乗っているのだとわかった。あぁまた乗っかってしまった。足下のタイムマシンをつかまえる。燃料はもう切れていた。

 

 

 

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 ドローン                                                                  

 

 ヨーロッパ各地の民間施設がドローンで攻撃される夢を見た。

 

 ロシアは関与を否定した。

 

 しかし多くの人がプーチンの仕業と思い込んだまま‥‥

 

 まず最初に攻撃を受けたのは児童が乗ったスクールバスだった。

 

 死傷者は1人も出なかったが人々は戦慄した。

 

 走行中のバスのタイヤがドローンによってパンクさせられたのだ。

 

 ロシアのドローンは、遠隔でこんな精密な攻撃を仕掛けられるのか。

 

 ベルリンで人気の、空飛ぶレストランがドローンの大群に取り囲まれた。

 

 パニックに陥った飛行船のパイロットが、パラシュートで1人脱出する‥‥

 

 

 

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 ホームセンター                                                                  

 

 楽なバイトが終った。僕は立っていただけだった。仕事は周りの人が全部やってくれた。

 

 僕はただ立っていただけだった。ホームセンターのようなところだった。

 

 仕事が終ると夜中だった。僕は階段を下りて店の地下に入った。地下は1つの都市だった。そこは仕事をしている人たちでいっぱいだった。

 

 怪しまれないように、手にバケツを持った。仕事をしているように見えることを期待して。

 

 カラのバケツである。それを持って、朝が来るまでうろついていた。

 

 

 

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2024年7月 9日

 象ボクサー                                                                 

 

 ボクサーがいた。大きさは象ぐらい。目は垂れ目だったが、強そうだった。実際、勝負にならなかった。気づくと、僕はリングに寝ていた。試合は、とっくに終わり。レフリーも観客も、帰った後だった。

 

 トボトボ歩いて、控え室に戻った。象が待っていて、「おかえり」と言った。夕食の支度をしていた。ここに家族が来ると言う。僕はみんなに紹介された。

 

 

 

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 あるノート                                                                  

 

 あるノートが回ってきた。長い間順番を待った。何でも願い事が叶うノートだ。僕は「ガイジンとつき合いたい」と書いて、次の人に回した。

 

 普通は「映画スターになりたい」とか書く。「永遠の命」と書いてあるのも見た。

 

 アホウドリ並みのアホウだ。

 

 彼らは映画スターになっても、ガイジンとはつき合えない。永遠に生きても、永遠につき合えない。「ガイジンとつき合いたい」とノートに書いたやつは、僕の他にいないからな。

 

(ガイジンとつき合えるのは僕だけなのだ。)

 

 

 

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2024年7月 8日

 ノート                                                                  

 

 僕が描いた絵を表紙に印刷したノートが教会で販売されていた。何冊かは売れたようだった。僕も自分で1冊買い、来ていた友達のお母さんにあげた。

 

「この絵はあなたが描いたの?」「私の娘を描いてくれたのね?」僕はどちらの質問にも「はい」と答えた。

 

 

 

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 ゴリラ                                                                  

 

 彼の小便は臭くなかった。むしろ、いい香りがした。「俺は弱いからだ」と彼は説明した。「弱者の小便は臭くない」

 

「あんた、何言ってんだ?」

 

「ゴリラの群れを見てみろ。ボスゴリラの小便は鼻が曲がるほど臭い」

 

 

 

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 かさぶた                                                                  

 

 そのコは顔に怪我をしていた。茶色いかさぶたが、右目から頬にかけての皮膚を覆っていた。僕たちは誰もそのことには触れなかった。本人もいつもどおりに振る舞っていた。そこに無理してるような、痛々しい印象はなかった。

 

 僕は画家で、別のコとつき合っていた。その恋人をモデルに、絵を描いた。彼女の顔に、同じようなかさぶたを描いた。それはあのコのかさぶたより、もっと広範囲に、醜く顔半分を覆う。

 

 

 

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2024年7月 7日

 エアカー                                                                  

 

 その教会はホテルであり、デパートでもあり、今日はコンサートホールでもあった。ロビーにたくさんの椅子が並べられていた。

 

 ステージは遠くにあった。建物のほとんど外にあるように見えた。

 

 僕が予約していた席は、ホールの反対側だった。そこに行くには、エレベーターで地下へ下り、そこからエアカー(空飛ぶ車)に乗らなければならない。

 

 エレベーターには大勢の人がいたが、エアカーに乗るためにそこまで下りた人は僕1人しかいなかった。

 

 制服を着たエアカーの運転手がドアを開けてくれた。

 

 多額のチップを期待する、恭しい手つきで。

 

 

 

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 橋                                                                  

 

 橋を歩いているとホテルが見えてきた。映画の舞台となった有名なホテルだ。僕は立ち止まりじっくり見ようとする、そうすると何も見えない。また歩きだす、どんどん早歩きになる‥‥スピードをあげればあげるほど、そのホテルははっきり見えてくる‥‥

 

 僕の移動の速度があがると、橋は長くなった。こんな長い橋は渡り切れそうにない。僕は立ち止まる。そうすると橋は消えてなくなる‥‥みんな川に落ちた。

 

 

 

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2024年7月 6日

 ルル                                                                  

 

 昨日と同じ夢を見たが、今日も同じように忘れてしまった‥‥それは「○○の夢」というように一言で言い表せる単純な短い夢だった。メモするまでもないと油断していたら忘れてしまって‥‥

 

 夢の背景に聴こえていた「ルールール、ルルルルル、ルルールル」という音は覚えているので忘れてしまう前に書き留めておく。この「音」に節をつけて歌うことができるようになったクールな僕は、今ピアニストの友人の気を引こうと鼻歌にしてみるのだが、あまりにもわざとらしく子供っぽい行動ゆえ‥‥誰の関心も引けそうにしない。

 

 

 

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2024年7月 5日

 カー                                                                  

 

 マイクロバスに乗っていた。予備校の先生の引率で東京に向う。僕たちは医大を受験するのだった。何年も浪人しているのが僕ともう1人。髪の長い男。前の方に現役の高校生たちが固まって乗っていた。彼らは合格するだろう。先生が今になって予想問題のプリントを配り始めたが、浪人組は目も通さなかった。挙げ句に長髪の男はカーセックスがしたいとか言い出してひんしゅくを買う始末だ。僕が「カーカー」と言い、男は「セックス」と応じて、大笑いするのである。

 

 

 

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 免許                                                                  

 

 飛行機の操縦免許を取るのに、教習所に通う必要があった。教習所は全米各所にあった。アメリカはとても広い。NY以外見たことがなかった僕は、この機会を活用できると考えた。第一段階は東部で、第二段階は南部で、仮免を取って第三段階は西部で、と各地を巡ろうと思ったのだ。

 

 

 

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2024年7月 3日

 ビートルズ                                                                  

 

 ガラス張りの温室の中で僕たち4人は演奏した。観客はそれを囲む広大な庭園にいた。観客の大半は若い女性だった。僕たちはビートルズのように人気のあるロックバンドだった。

 

 コンサートはしかし最後の1曲を残して中断された。庭園のどこかに爆弾が仕掛けられたというのだ。「俺たちも逃げようぜ」ジョージが言った。「逃げたきゃ逃げろよ」ポールが言った。「臆病者が」ジョンも言った。

 

 ファンの1人が花束を持ってやって来た。「ありがとう」リンゴが受け取った。

 

「君は逃げないの?」

 

「そうだ、早く逃げないと危ないぜ」ジョージ。

 

「曲を思いついた」ポールが演奏し始めた。ジョンがそれに詩をつけて歌った。

 

「素敵」とファンの女のコは言った。

 

 

 

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 ぬいぐるみ                                                                  

 

 大きな段ボール箱、その中にぬいぐるみとカップ麺を入れる。それが僕の仕事だった。

 

 ぬいぐるみとカップ麺は別の箱に入れるべきではないかと思っていた。しかし箱は1つしかないのだった。(大きさのわりには重くない。)

 

 すべて入れ終わると、誰かがその箱を持っていった。また人が来た。大きな段ボール箱を1つと、ぬいぐるみとカップ麺を抱えて。

 

 

 

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 麻酔銃                                                                  

 

 麻酔銃を撃っても撃ってもその人は眠らなかったので家に連れて帰った。一緒にコタツに入った。じきに眠るだろうと思った。しかし夜遅くになっても眠らなかったのでまた麻酔銃を取り出した。

 

「眠らないと撃つよ」

 

 やっぱり眠らなかった。僕は何発も撃った。弾がなくなった。

 

 

 

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 地平線                                                                  

 

 地平線ははっきりとした1本の線だった‥‥絵の下手な人が書いた絵のように黒く太い線だ。その線の上に魚が並べられていた。頭を左側に向け、等間隔で置かれている。

 

 それぞれ色は違ったが、同じ種類の魚だ。

 

「あれはしんでいるの?」と僕は問いかけた。「それともいきているの? たべられるの?」 誰となしに問いかけたが、答えはなかった。ただ優しい人がいて、僕に画用紙をもう1枚渡し、絵を新しく書き直してみることを勧めた。

 

 

 

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2024年7月 1日

 セミ自慢                                                                  

 

 そいつの口の中で、セミが鳴いていた。そいつは口を大きく開けて、みんなにセミを見せている。おそらく自慢しているのだが、僕たちは誰も羨ましくはない。

 

 耳が死んで、目が泣く。カネを払おうか、と僕は考える。でもいくら払えばいいだろう。わからない。

 

 

 

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 ズボン                                                                  

 

 彼女たちはウエストがゴムになっているズボンを僕にはくように勧めた。濃い紫色で、縦に細いストライプが入っている。鏡で見てみると、悪くない。それとセットになった、ロングコートを羽織った。長髪と相まって、まるでロックスターのようだった。

 

 その服を着たまま、店を出た。支払いはしなかったが、何も言われなかった。ホテルに戻り、昼過ぎまで寝た。目を覚ますと清掃の人が部屋にいた。ブティックにいた彼女たちだった。僕は「手伝いますよ」と言ってシーツを張り替えた。

 

 あのズボンとコートは、着たままだった。

 

 チェックインしたときには気づかなかったが、部屋はベッドが3台もあるスイートだった。使わなかった2台のベッドのシーツも、僕は張り替えた。そうすると少し疲れた。

 

 

 

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