完全なる飼育
そのジャーナリストさんは、僕の質問に、テンノーの好物はライチョウの丸焼きだと答えた。オレも毎日食べてると言った。
天然記念物じゃないか、と僕は思った。食べていいのか。そもそも毎日食べられるほどの生息数なのか。
ジャーナリストさんに連れられて、皇居の中に入った。
地下では秘密裏にライチョウが飼育されていた。
しーーーーん
クローンで増殖するのである。
「わかった、これはGHQの隠謀だ」と僕は冗談を言った。
「‥‥」
彼は笑わなかった。ただ「ここから二転三転するよ」とだけ言って、僕を皇居の外に放り出した。
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