跳ぶ
「この人たち、生きてるよ」僕と女房はマネキンのふりをしていたのだが小さな男の子に気づかれた。
「ねぇこの人たち、生きてるよ!」
やってきた大人に少年は連れて行かれた。危ないところだった。
少年が外に連れ出されたのを見て、僕たちは動いた。
僕たちは中間的な動きができなかった。停止しているか、走るか、どちらかである。歩くことができないのだ。
走り出した。走りながら、大声で喋った。そのときに気づいたのだが、僕は何歩か置きに50mほど跳躍することができた。
「2mくらい跳ぶことができたら便利なのにね」と彼女は叫んだ。
「そうだね」
外に出るとちょうど雨が降り出したところだった。僕は病的に雨を嫌がる。すぐに屋内に戻った。
女房は雨をまったく気にせず、傘もささない。
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