レストラン
一戸建て家の隣に、レストランがあり、そのレストランの隣に、また住宅がある。そんな通りを、車でゆっくりと走っていた。昼どきで、どの店でランチにしようか迷った。ふと気づいた。この通りの家の住人は、毎日必ず隣のレストランで食事をするのだ。玄関を出て、右隣に行くか左隣に行くか悩む。彼らの悩みと言えば、それだけだ。いやもしかしたら、家を出る前に決めてあるのかも知れない。考える時間は、山ほどあるのだから。
レストランは看板を出しておらず、どこで何の料理が食べられるのか、高級店なのか大衆的な店なのか、見当がつかなかった。そうこうしているうちに道が狭くなり、それ以上車が進めなくなった。その時点で、僕たちはやっと車から降りた。右に行くか左に行くか、話し合うために。
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