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2024年9月14日

 ボスター                                                                  

 

 暑くて、裸で眠っているところに、いきなり女性が訪ねてきた。

 

 僕はベッドではなく、床に敷いたポスターの上で寝ていた。

 

「うわぁ、仕上がったんですね。彼女さんのボスターですよね。やっぱりセンスあるなぁ」

 

 フルチンの僕は何と答えたか覚えていない。

 

「センパイは、すごく頼りにされているんですよ」

 

 そう言われて逆に僕のチンチンは少し縮んだ。

 

「私、向こうの部屋で待ってますから、早く服を着てください」

 

 女性の着ていたシャツの生地は薄く、黒いキャミソールが透けて見えた。

 

 黒なら見えてもいいんだろう。そう思い込むことにしている女性は多い。

 

 僕も黒いブリーフいっちょうで、出かけることにした。

 

 

 

「お財布をプレゼントします」とその女性は言った。「好きなのを選んでください」

 

 僕たちは大きな机のある店にいた。引き出しを開けると財布があった。

 

「これなんかどうですか?」

 

 彼女はグレーの二つ折りの財布を手に取った。

 

「あっ、これ見てください。私も使っているやつです」

 

 別の引き出しを開けて言う。そこには箱が入っていた。

 

「何に使うものなの?」

 

「やだなぁ、貯金箱じゃないですか」

 

 そうだろうか、貯金箱には見えない。

 

 

 

「早いけど食事にしましょうか? ここ、レストランなんですよ」

 

「えっ‥‥」

 

 彼女はまた別の引き出しを開けた。そこにはナイフとフォークとスプーンと皿が入っている。皿の上には料理がのっている。

 

「箸はどの引き出しに入っているのか」

 

 僕がそう訊くと、彼女はとてもセンスのいいジョークだというふうに頷いてから、笑った。

 

 

 

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