置き去り
小さかったころ、僕は妹を置き去りにしたことがある。隣町の公園まで手をつないで連れて行き、「さよなら」と言った。子犬を捨てるようにそこに捨てた。
1人で家に帰った。妹を捨ててきたことを話すと、僕は怒られた。そこで少し記憶が飛んでいるが、脳挫傷を起こすくらい殴られたか何かしたのだろう。すぐに僕たちはその公園に向かった。両親は心配していた。人さらいにあったかも知れない。
しかし妹は無事だった。
妹のそばには妹にそっくりのもう1人の女の子がいて、2人は何かよくわからないことを話していた。
その日妹が1人増えたのだ。僕はこの話を双子の妹たちに何度話して聞かせただろう。
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