白い糸
ホテルの広い寝室だった。ダブルベッドが2台。その向こうにシングルのベッドがあって、僕はそこで寝ている。
その隣にもベッドがあって、そこには妹が寝ていた。
僕は横になっていただけで、ちっとも眠れないでいた。
朝の4時だった。もう起きてしまおう。起き上がった。そうすると妹も目を覚ましてしまった。
「どこに行くの?」と僕に訊いた‥‥
「トイレ」
僕は廊下に出た。そこは明るく、たくさんの人がいた。皆、肌が白く、ひどく痩せている。
僕が「すごく痩せた人たち」と意識すると、彼らはますます細くなり、糸のようになって消えてしまう。
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