それ
「それ」が何かを当てるゲームに、盲目の人が参加した。触ってはいけないというルールがあるのは知っている‥‥
でも特別に触らせてもらえないだろうか、と頼んできたのである。
「触るのは禁止です」と僕は断った。
「わかってます。けれど直に触るのでなければどうですか?『それ』をバッグの中に入れてもらって‥‥そのバッグを触るのだったら?」盲人は食い下がった。
そこまで言われては仕方がない。正直バッグを触って何になるんだとも思った。僕は「それ」を入れたバッグを、盲人の1m前に置いた。
態度が冷たいと思われるかもわかならかったけど、手渡すことはしなかった。
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