ジャガー
僕は犯罪者である。罪を犯して逃げている。
車を運転しているのは共犯の友人だ。助手席にもう1人の友人、僕は後席に座っている。友人の家に着いた。ここで車を乗り換え、さらに遠くまで逃げる。
友人の車は外車だ。ジャガーだった。韓国では珍しい。しかも色はピンク色だ。こんな目立つ車で逃げるのか。懸念を表明した。
平気さ、と友人は言った。空を見てみろ。空がどうした。雨が降る、この車は濡れると、色が変わるのさ。
雨に濡れると何色になるって言うんだ、そうか、虹色か。
ははは、誰が上手いこと言えと?
友人の家から1人誰か出てきた。その人も車に乗ると言い、僕は撃たれたような気がする。いや違う。僕は自らの意志でトランクに隠れて乗ることにしたのだ。毛布にくるまって、死体のように。友人たちは僕の決断を賞賛した。
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