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2025年1月 1日

 真夜中の産卵                                                                  

 

 真夜中に起き出して、冷蔵庫の中を見てみると、買った覚えのないケーキが入っていた。はて? 一口食べようと、手を伸ばす僕の背中に、視線を感じた。

 

 振り返ってみると、和服を着た、若い女がいた。美人だったが、魚のような顔をしていた。なのに、綺麗すぎた。しかも、2人いた。化け物の姉妹だろう。僕の家には、こんなのが棲みついていたのか。

 

 

 

 ケーキについて、言い訳がましい言葉を口にしようとしたときには、すでに彼女たちの姿は消えていた。

 

 いなくなったわけではなく、透明になって、見えなくなっただけだということは、すぐにわかった。冷蔵庫の扉が、勝手に開き、ケーキが取り出された。

 

 ケーキは3等分され、その2/3はすぐに消えた。

 

 僕は残り1/3になってしまったケーキの上に、ふと思いついて、射精した。興奮もしてなかったが、思いついただけで、そんなことができるのは不思議だった。

 

 あとは、彼女たちが、ここに産卵すればいい、と思う。(えっ?)

 

 その場面を想像して、興奮している自分に、混乱を覚えた。動悸が異常に激しくなり、息切れもしている。そうか、これで死ぬんだなと気づいた。

 

 

 

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