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2025年1月 8日

 義務                                                                  

 

 妊婦との食事会に招かれて僕は来た。ただ1人の参加者だった。僕が席についてしばらくするとホストである彼女はあらわれた。しかしとても大きなお腹がドアにつかえてなかなか入って来れない。双子を妊娠しているのだろう。妹たちが生まれたときのことを思い出した。
 

 さて出された食事は? 皿の上にあったのは食べかけのクッキーが1枚だけ。僕はそれを食べた。「食事会」はそれで終わりである。無事に終ったようね。僕の倍の体重の妊婦は背中にまわった。そしておんぶしてくれと言う。いや実際にはもっと事務的な命令の言葉だった。
 

 それは誰かが果たすべき義務なのだ。
 

 僕は彼女をおんぶした。重かった。命の重みである。それは地球よりも重い。そのままの体勢で彼女は出産を始めた。永遠とも思える時間が過ぎた。そのようにして今日僕は父親になった。

 

 

 

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