ごちそう
友達が「ごちそうするよ」と言うのでついていくと、そこはレストランでも彼の家でもない。地下の広場だ。どこからか丸いテーブルと椅子を彼は持ってきた。そこに僕は座った。彼は消えた。
しばらくすると携帯に着信があった。「今日はごちそうさま」と言う声。それは誰なのかわからない。僕はわからないまま「どういたしまして」と答えた。
「エレベーターに乗って最上階に来て」と声。と楽しそうな笑い声。
最上階は図書館だった。ここで待てばいいのだろうか。雑誌を眺めながら待った。しかし何も起こらなかった。時は平穏に過ぎていった。
携帯にワンギリの着信があった。誰からなのかわからない。
僕は地下の広場に戻った。テーブルと椅子は片づけられている。彼はいなかった。
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