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2025年2月16日

 狂った警官                                                                  

 

 そこはラブホテルだった。僕たち3人はホテルの廊下で歌った。自分たちで作詞作曲した歌だ。すると部屋の中から1人出てきた。制服を着た警官だったのでひびった。

 

「いい歌だね」と彼はしかし言った。

 

「そうですか? ありがとうございます」

 

「ところですごく困ったことが起きているんだよ」と警官は言った。

 

「女がクスリを飲んでしまってね」

 

「何のクスリですか?」

 

「わからない。ただメモがあった」

 

 それは遺書のように見えたが、遺書じゃないようにも見える。

 

 わたし 電話して 狂うと小さいから

 

「どういう意味ですか、狂うと小さいって?」

 

「わからない」

 

「普段はもっと大きいんですかね?」

 

「何が?」

 

「いや、その狂った女」

 

「ふざけないでくれ、私は勤務中なんだ」

 

 

 

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