みかん
上空から自宅周辺を見ると、僕の家を一軒だけ残して、更地になっている。何でこうなったのか。詳細が知りたくて僕は高度を下げようとしたが、できなかった。
飛行機やヘリコプターを操縦しているわけではなかった。僕は魂のようだ。いつの間にか幽体離脱してしまった。ぷかぷか浮いている。あの家のベッドで僕の肉体は眠っているのだろうが、そこに下りることができない。
それどころか‥‥
自分の意志とは裏腹に、僕はどんどん上に行ってしまう。雲の上に出た。そこにも地上の自宅と同じような家があった。ただ1つの違いは、庭にみかんの木があることだ。
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