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2025年3月20日

 青森                                                                  

 

 それは、自動運転のバスだった。運転手の制服を着た女性は、何のためにいるのかわからない。彼女は僕たち乗客と一緒に、席に腰掛け、スナック菓子を食べている。

 

「食べる?」と言って、菓子の袋を持ち、僕の側に来た。

 

「ありがとう。でもいらない」と僕は答えた。そのとき、バスは前方で起きた事故を避けるように、脇のトンネルの中に入った。

 

 

 トンネルの中は「青森」だった‥‥

 

 男は上半身裸で、女も水着のようなものを着て、道を歩いている。それを見て

 

「アオモラー」と運転手は言った。「私、青森出身なの」

 

「こういうの、恥ずかしくて‥‥」

 

「だから東京に出てきたの?」と僕は訊いた。

 

 

 

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