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2025年4月30日

 武田                                                                  

 

 寝ていると、枕元に誰か立って、車を買えと言う。「そんな金ないぞ」と答えて、目を開けた。朝だった。

 

 食堂には初めて見る顔が2つあって、1人は武田、もう1人は北澤と名乗った。

 

 僕は自分の名前を忘れてしまったと言って詫びた。

 

「俺はあなたの名前を知ってますよ」と武田が言った。

 

「俺は知らないな」と北澤。

 

「教えてやろうか?」

 

「いや、いい」と北澤。

 

「ところでしばらく連絡ができなくなるんだ」と武田は僕に言った。

 

「連絡?」

 

「事情があってな。それで困ったことがあったら‥‥」

 

 何を言ってるんだ、この人は。

 

 

 テーブルの上に食事が出ていた。3皿とも僕の分だろう。しかしすべての料理はデザートに見えた。

 

 

 

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