枕カバー
ベッドの上で、ハードカバーの小説を読んでいる、その僕の前を、いろんな人が通り過ぎる。
1人目は、洗濯物を抱えた女。ふっとこちらを見て、
「その枕‥‥」と独り言のように言う。
枕カバーには、長い髪の毛がたくさんついている。「僕の髪の毛ですよ」と僕は答えるも、女は聞いてない。
洗濯日和だ。
僕は枕についた髪の毛を床に捨てる。
2人目は、スーツを着た若い女。上司と思われる男性に、必死で何か訴えかけているが、彼は素っ気ない。
彼らは「人員削減」の話をしているようだ。
3人目は、酒の入ったグラスを持っている女。見ていると、そのグラスはどんどん大きくなっていく。
巨大な樽のようになった。
それを両手に抱えて女は行く。
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