ビーチサンダル
服を選んでいる女は、スマホで自撮りをしながら電話の向こうの彼氏に、似合うかとかどうとか訊いている。男には同情してしまうが、それは僕の思い込みで、意外と楽しんでいるのかも知れない。
僕は壁に大きなポスターがたくさん貼られている階段をゆっくりと下りた。画鋲が取れてだらんと垂れ下がっているポスターが何枚かある。何のポスターだろう。足元に画鋲が落ちているかも知れない。その2つのことを同時に考えると、それで頭はいっぱいになった。
階段を下まで下りてみると、脱ぎ捨てられたビーチサンダルが‥‥。なぜか裸足だった僕はそのサンダルを履き、階段の上の方を振り返った。
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