タクシー
タクシーの運転手が私を待っている。
彼の体毛は濃い。私は卑猥な想像を止められない。
私は全然違う場所で違うものを待っている。
暑い日だった。
駐車場に戻る。運転手はまだ私を待っていた。
「お弁当を買ってきたよ」と私。
タクシーの中で私たちは食べる。
インド料理のサモサの中にキムチが入っている。
「うまいな」
「意外に」
タクシーの屋根につけられた扇風機が回っている‥‥
「食べたら出発しよう」と運転手。
「あ、でもまだちょっと待って」と私はお願いした。
絵の具と、絵筆を置いてきてしまったのだ、どこかに。
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