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2025年5月13日

 サイン                                                                  

 

 彼女のテーブルの周りに円く僕たちは集まった。ファンの差し出す色紙に彼女は順番にサインしていく。最後に僕の番が来た。

 

 僕が差し出したのは色紙ではなく、3つの詩が印刷された1枚の紙だった。

 

「私の大好きな詩よ」と彼女は喜んだ。

 

 テーブルの下から彼女は1枚の紙を出し僕に見せた。そこには僕の好きな詩が印刷されていた。

 

「すごい、これは‥‥」

 

「サインはこっちの紙にするね」と彼女は言った。

 

 握手をしてもらおうと思って出した僕の手にも彼女は何か書いた。詩の文句のようである。

 

 僕は目を開けそれを読んだ。確認した。それからもういちど目を閉じ、夢の中に戻った。

 

 

 

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