« 2025年5月 | トップページ | 2025年7月 »

2025年6月26日

 蟹                                                                   

 

 蟹とデートをした。蟹は大阪に行きたいと言った。あの有名な蟹料理店の前に、僕たちは手をつないで立った。そうすると蟹は人間の女の子になった。

「悪い魔法使いにかけられていた呪いが解けたのです」と蟹は言った。

 

「ありがとうございます」

 

「どういたしまして」

 

 僕たちはしばらく無言で見つめ合った。

 

 

 

「蟹、食べる?」と僕は訊いた。

 

「もちろん食べません‥‥」

 

「僕は食べたことあるよ」と僕は正直に告白した。

 

 

 

 

 

「私、スカートがはきたいです」と蟹は言った。

 

「私は女の子なのにスカートをはいたことがないのです」

 

「今はいてるのは何?」と僕は訊いた。気まずい空気は消えない。

 

 それはスカートに見える。

 

 

 

| | | コメント (0)

 裁き                                                                  

 

 何とかさんを殺してしまった。何という愚かなことをしてしまったのだろう。この世で何とかさんに恨みを持っている人間は僕しかいない。僕がやったのだとバレバレではないか。

 

 僕は仕方なく、何とかさんが勤めている会社の人を全員殺した。犯人は何とかさん個人にではなく、その会社に恨みを持っているのだと、擬装するために。

 

 そして僕はサングラスをかけた。ヒゲを生やして、ふだん着ない派手な色の服を着た。白やグレーの服を着た真面目そうな人たちの間で、僕は目立った。

 

 警官は地味な服を着た人たちを1つずつどこかに連れて行った。最後に僕1人が残った。僕が連れて行かれることはなかった。連れて行かれた人たちは、帰ってこなかった。誰もいない場所で、僕は待った。

 

 

 

| | | コメント (0)

 梯子                                                                   

 

 帰宅してみるとランチタイムだった。天井裏につづく梯子は格納されている。僕はその食堂の天井裏に住んでいる。部屋に上がりたかった。客のテーブルの上にあがって、天井から梯子を引っ張りだした。

 

 それを見て食事中の客は文句は言わなかった。ただコンプレックスを感じると言った。

 

「コンプレックス? 劣等感?」と僕は聞き返す。

 

「どういうことですか?」

 

「私は何にでもコンプレックスを感じてしまうんだよ」「例えばトンカツの衣にね」「この皿の白さにもね」

 

「そして今私は梯子に強烈な‥‥劣等感を感じた」

 

「梯子に劣等感を感じるとどうなるんですか?」僕は梯子を上るのを一時中断した。

 

「梯子を上れなくなる」

 

 

 

| | | コメント (0)

 蛇                                                                    

 

 雨は上がったが、道はまだ濡れている。立って歩くことができない僕は困った。蛇のように這って駅まで行く。お気に入りのシャツが水を吸い込んで重い。横断歩道の真ん中でついに動けなくなった。信号が変わる。

 

「立て、立てよ!」と道の向こう側で誰かが叫んでいた。ベビーカーに乗った赤ん坊だ。「お前に言われたくないし」という気持ちが立ち上がる原動力になった。

 

 僕はまっすぐその赤ん坊のところへ向かった。

 

「ずいぶん濡れてるな」とその赤ん坊は僕の傘を指差して言った。

 

「傘が濡れているのは雨が降ったからだよ」と僕は答えた。

 

「電車の中では畳んだ方がよろしいのではないですか?」

 

 急に言葉遣いが変わったと思ってみると喋っているのは若いお母さんである。

 

「私が畳んでさしあげましょうか?」

 

 言葉は丁寧だが表情は険しい。

 

 

 

| | | コメント (0)

 カレーの味                                                                  

 

 カレーの味を訊かれた。カレーはまずかった。相手がそう言ってほしくないのはわかってた。なので僕は冗談を答えようとしたが、うまい冗談を思いつかなかった。それで正直に「まずかった」と答えた。「うんこみたいな味がした」

 

「うんこ食べたことあんの?」

 

 ここでも僕は迷った。僕は冗談で答えようと思った。僕はいつも冗談で答えようとする。しかし何も思いつかないのである。

 

 正直に「あるよ」と答えた。

 

 すると意外にも相手は笑ってくれた。

 

 

 

| | | コメント (0)

 お掃除                                                                  

 

「お掃除」は終わったけれど、「そこ」が綺麗になったようには思えない。むしろ僕のせいで前より散らかってしまったのではないか。

 

 とにかく僕は「呼ばれた」のだ。「もう終わったよ」とその人は言う。

 

「帰ろう」

 

 エレベーターの前だった。上に向かう2台のエレベーター。扉は同時に開いた。

 

 左のエレベーターに乗り込んだ「その人」は、右のエレベーターに乗ろうとする僕に「こっちに乗らないの?」と訊いた。

 

「いや、僕んちはこっちだからさ‥‥」と断った。

 

「本当にこっちに乗らなくていいの?」

 

 

 

 僕が乗り込んだエレベーターの中にはガラスの窓があった。開けることのできない窓だ。窓の向こうに緑生い茂る庭が見えた。庭の物干しには洗濯物が干されている。

 

 今日こそ取り込まなくてはならない。あれは僕のシャツだ。ずっと何日も干しっぱなしなのだ。

 

 

 

| | | コメント (0)

 磁石                                                                  

 

 それは何でもくっくつ磁石でした。金属以外のものもひっつく。僕はバナナを磁石にくっつけました。するとバナナは金属のように固く、重くなってしまいました。

 

 そして磁石がバナナのようになったのです。

 

 磁石を食べられるわけではないのですから、ちょっと損したと思います。

 

 

 

| | | コメント (0)

 そっくりさん                                                                  

 

 プーチンがステージで歌っている。そっくりさんではなく本人かも知れない。ヘタクソな歌だ。プーチン本人である可能性を考えてみると、笑ってはいけない。絶対に・笑っては・いけない。観客はみんなそう思ったようで、盛大な拍手が送られた。

 

 1曲歌い終わると、プーチンは客席におりてきた。客席にある熊の檻の中に入って、服を脱ぎ始めたのである。裸になったプーチンは、またステージに戻った。

 

 いや、靴下だけは履いていた。あとは全裸だった。プーチンは眩く光り始めた。自身が発光しているのだ。僕たち観客は、どういう反応を示せばいいのかわからない。檻の中の熊を見てみた。熊はプーチンが着ていた赤いスーツを着ている。それは伸縮性のある素材でつくられていた。

 

 

 

| | | コメント (0)

 のようなもの                                                                  

 

 ユニットバスのシャワーカーテンは、赤い色をしていた。それは外れなのか、当たりなのか。ホテルの僕の部屋のトイレを、業者の人も利用する。赤いシャワーカーテンが目印だと、ホテルの人は言っていた。

 

 蛇口をひねってもお湯はでてこない。その代わりに排水口から溢れでてくる液体がある。下水ではないようだがわからない。結果的にバスタブにお湯(のようなもの)が溜まりつつある。

 

 

 

| | | コメント (0)

 小松菜派                                                                  

 

 いったいどういうことだろう、白人の指揮者の顔に黒いマジックで「中国の隠謀だ」と書かれているのは。

 

 曲はラフマニノフの交響曲だった。聴いたこともない斬新なアレンジが施されていてまるで別の曲のようだ。

 

 観客席はステージの正面ではなく左右にあった。向かって左の客席からステージ上に大根が投げ入れられる。

 

 それに対抗して右からは小松菜の束が投げられた。左の大根に対しては「違法栽培されたものだ」「恥を知れ」などと罵声が飛ぶ。

 

 左は僕たちの小松菜を評して「6点だ」「百点満点の6だぞ!」などと叫んだ。

 

 

 

| | | コメント (0)

 鳥籠                                                                  

 

 船に人間の乗客はいない。全員が鳥だった。「早く出せ」と鳥たちは人間の言葉で要求する。その後にやかましい鳥の言葉がつづいた。何を言っているのかわからない。

 

「まだだ」と僕は一蹴した。「鳥籠を持った人がお見えになる」

 

「なんだと?」

 

「鳥籠を持った人が、もうすぐお見えになる」

 

「それは人間なのか?」「鳥籠だと?」

 

 大騒ぎだ。

 

「差別主義者め」

 

「鳥籠は1つだ」と僕。

 

「1つだと? この船にいったい何羽の鳥が乗っていると思っているんだ!」

 

 僕は返事をしない‥‥それ以降ずっと。

 

 

 

| | | コメント (0)

 銀髪                                                                  

 

 髪の毛は白髪、というよりアニメでよく見る銀髪だ。長さは1センチくらい。非常に薄くて地肌が透けて見えるが、ハゲているわけではない。僕は手に持った櫛でその柔らかい毛髪を梳いた。

 

 髪は伸びた。1回櫛を入れるたびに何センチか伸びるようだ。そして黒く、豊かになっていく。アゴの下まで伸びたところで僕は櫛を入れるのをやめ、「出来上がりました」と言った。

 

「鏡をご覧になりますか?」

 

 返事はない。

 

 

 

| | | コメント (0)

 龍                                                                  

 

 カレーは不味かったので正直に不味いと言った。眠った。

 

 すると枕元に村上龍が立って、話しかけてきた。「本棚を見たぞ、俺の本が何冊かあった」

 

 僕は金縛りにあって、動くことも話すこともできなかった。怖かった。

 

「感想を言ってみろ」と村上龍は迫った。

 

 あのカレーをつくったのは村上龍だったのか‥‥

 

 僕が答えられずにいると、新たに、別の何人かが枕元に立った。

 

 彼ら(全員男だ)は『限りなく透明に近いブルー』を絶賛し始め‥‥

 

 何者なんだ、彼らは‥‥

 

 龍の苛々した様子が伝わってきた。

 

 龍は彼らに訊いているのではない。

 

 

 

| | | コメント (0)

 葬式                                                                  

 

 船上で葬式があったとき、僕は「船上結婚式」なんてものを思い浮かべて、また回想、海草、海葬という連想でひとり笑っていたのだけれど、僕だけが不謹慎というワケでもなかった。

 

 遺体の収められた棺桶は海に流される。しばらくの間は浮いているのだがそれを見て苦笑している参列者もいた。

 

 しかるべき時がくると、棺桶は沈む。海中にはダイバーが待ち構えていると聞いた。海に遺体を遺棄するのは犯罪なので、ダイバーに回収させるのだ、棺桶ごと。

 

 遺体は最終的には火葬にまわされるらしい。何でそんな面倒なことをするかな、と思う。

 

 

 

| | | コメント (0)

2025年6月17日

 バスルーム                                                                  

 

 眠っている女の胸に耳を押し当てると、意外なほど速い心音が聞こえた。目を覚ましていたのだ。

 

「私、動物になる」そう言って彼女は身を起こした。

 

「何の動物になるの?」と僕は訊いた。

 

 

 彼女は何も答えずに、服を脱いで、バスルームへ向かった。

 

 すると入れ替わりに、バスルームから、背の高い、痩せた少年が出てきた。ここはホテルの一室だ。少年は財布や時計、メガネやメガネケースがたくさん入った引き出しを開けて、中を見ている。

 

「どれが俺のだっけ‥‥? 何でこんなたくさんあるの?」

 

「まず服を着ろよ、フルチン」と僕は声をかけた。

 

「あんたの服、貸してくれる?」

 

「いいよ」

 

 僕は自分の服を脱いで、下着まで全部彼に渡した。それからシャワーを浴びようと、バスルームに入った。

 

 さっきまで一緒にいた女はいなくなっていた。

 

 バスルームは扉の向こうで隣の部屋と繋がっていて、別の女がソファで雑誌を読んでいるのだ。彼女は僕の裸をジロジロ見てから、「入ってくるなら言ってよ」と笑った。

 

 

 

| | | コメント (0)

 校舎                                                                   

 

 すべての内壁が取り払われていた。その校舎には机も椅子も、ロッカーも何もない。僕たちは、廊下ではないところをまっすぐ歩いて、また元の場所に引き返す。

 

 階段はあった。けれど2階や、3階といった階層はなくなっていた。天井はある。ほとんど空と同じ高さに天井は見えた。階段はそこまでつづいていたから、屋上に出ることができれば、そこは天国に感じられるだろう。

 

 

 

| | | コメント (0)

 弁護士                                                                  

 

 弁護士はたいへんな美青年だった。そのせいで僕はからかわれているような気持ちになった。どうしてこんなハンサムが、ハタチそこそこで弁護士になれるというのだろう。ドッキリか何かに決まってる。

 

 僕は隠しカメラを探した。どこで撮影しているのか。だが彼はハタチではなかった。50を越えていた。二枚目ふうの前髪をかきあげながら「見た目で誤解されてしまうことが多いのですが‥‥」と言う。

 

「卑怯者?」

 

「えっ?」

 

「えっ? あぁ聞き間違えました。言い間違えたのかな‥‥」

 

「弁護士を雇った覚えはありませんが」と僕。

 

「弁護士ですって?」

 

「えっ?」

 

「えっ? それにしても本当ですか‥‥?」

 

 

 法学部の学生たちが司法試験に落ちた。試験問題と回答は事前に教えてやった。それでも全員が落ちたのである。

 

 

 

| | | コメント (0)

 ゾンビ蝶                                                                  

 

 死んだ蝶がヒラヒラと舞っていた。それは蝶のゾンビだった。蝶は花にとまり蜜を吸った。そうするとその花もゾンビになった。

 

 蜂がゾンビ花の蜜を集めにやってきた。花に触れた途端蜂はゾンビになったが、自分がゾンビ蜂になったことには気づかない。

 

 ゾンビ花の花びらが風に吹かれて舞っている。僕はそれをキャッチしようとしたが逃げられた。ゾンビのくせに逃げるのか。ゾンビはゾンビではない者を追いかけてくるのではなかったのか。

 

 

 

| | | コメント (0)

 ディナー                                                                  

 

 ヨーロッパによくある、安いホテルだった。シャワーを浴びようとすると、ベッドルームまで水浸しになってしまう。水(お湯)をあまり使わせないよう、わざとそういう設計にしてあるとしか思えない。

 

 僕はその国を訪れたのは、友達に会うためだったが、インスタを見てみると、彼は日本を旅行中であった。何なんだよ、と少し腹が立った。嫌味のつもりで、彼の投稿にいいねしてから、ホテルを周辺をうろついた。

 

 1時間の内に、何度か日が上り、日が落ちた。日が落ちたあとも、暗くはならなかったが、町にはあやしい雰囲気が漂い始めるので、夜なのだとわかる。その「夜」も、あっという間に昼にかわる。

 

 腹が減って、何か食べたかった。インド料理の店があって、うまそうだったけど、ディナーは高い。ランチがお得なのだろう。夜が終わるのを、店の前で10分ほど待った。

| | | コメント (0)

 船旅                                                                  

 

 僕の初恋の人と、僕の女房と、僕と、3人で船に乗っていた。

 

 初恋の人が昔僕に書いた手紙を、なぜか女房が持っていて、声に出して読み始めた。それは彼女が結局出せなかった手紙で、「あなたのことは、本当は好きではないの」という内容であった。

 

 僕の初恋の人も、手紙を持っていた。僕が結婚前、女房に出そうとして、出さなかった別れの手紙だが、それを今から読むと言う。

 

 

 

| | | コメント (0)

 落合                                                                  

 

 彼はずいぶんと太った、足の短い体操選手だ。「若い人には負けない」と言っているところをみると、若くはないのだろう。僕は彼の演技を見た。いや見事なものである。それが彼自身の容姿の醜さをいっそう引き立てているのだ。僕はその残酷さに目を奪われた。むしろ失敗してくれればよかったのに、と思った。

 

 彼の名前は落合といった。その名前を聞いて、なぜか観客たちは笑った。腹を抱えて大笑いしている者もいる。僕は笑えはしなかったが、そこに不思議と「安心した」のだった。

 

 

 

| | | コメント (0)

 鏡文字                                                                  

 

 明日、テストを受ける必要がある。テストの内容をこっそり教えてもらった。鏡文字を書かされるらしい。

 

 左右に反転した文字だけではなく、上下にひっくり返った文字も書かされるとか。

 

 そこに、深層心理のようなものが‥‥出る(?)

 

 僕の何をテストしたいのだろう。

 

 テストの内容を教えてくれた女性は、僕の名字の鏡文字を書いた。

 

 彼女はなぜか僕の住所を知っていて、それも鏡文字にしてみせた。

 

 

 

| | | コメント (0)

 バス停                                                                  

 

 朝食を食べてから家を出るまで余裕を持って30分。その30分のほとんどをネクタイを締めるのに費やした。ブレザーの上着を着て、その上にハーフコートを羽織るか悩んだが、それはもう少し寒くなってからにしようと思う。

 

 歩いて5分のところにあるバス停には長蛇の列ができていた。このへんでは見慣れない外国人たちだったが観光客とも思えない。サラリーマンのようだ。どこに勤めているのだろう。

 

 僕は最後尾に並んだ。すると「バス停が前方に動き出して」、僕との距離を取った。空いた隙間にあとから来た外国人が割り込んでいく。そのようにして列はどんどん長くなった。

 

 

 

| | | コメント (0)

2025年6月13日

 木刀                                                                  

 

『何でも鑑定団』という番組があったはずだ。我が家の家宝を鑑定してもらうため、テレビ局の中を歩いていた。家宝というのは木刀である。それを持って受付を訪ねた。

 

 受付嬢は「社長」と呼ばれている人物と話をしていたので、僕は少し待った。

 

 

 

 さて僕の順番が来た。「この木刀なんですが‥‥」と僕が始めると

 

「鑑定のご依頼ですね」さすが話が早い。

 

「この専用の袋に入れて○○番にお持ちください」

 

「袋は、有料ですか?」

 

「いえ、もちろん無料です。私がお入れしますね」

 

 その袋の中には、本榧の囲碁盤と碁石が一緒に入っていて、非常に重かった。片手で持てるようなものではない。

 

 

 

| | | コメント (0)

 議論                                                                  

 

 僕は突然、「そこ」に出現した。半屋内・半野外といった感じの商業スペースで、人々が2つのグループに分かれて、何か議論をしていた。「こいつに訊いてみよう」と誰かが言う。誰だろう。「こいつ」というのはもちろん、突然あらわれた僕のことだ。

 

 ワケがわからぬまま、僕は片方のグループの主張を支持した。本当によくわからないのだが、それが決定打になったらしい。もう一方のグループは、負けをみとめて、すごすごと退散した。マンホールの蓋を開け、地下におりていく。

 

 僕は「勝った」グループのあとをついて、上りのエスカレーターに乗った。すると上の方から、さっきのグループの一員と思われる(ファッションや髪型でそれと知れるのだ)、金属バットを持った若者たちが、すごい勢いで逆走してきた。

 

 

 

| | | コメント (0)

 ネギ                                                                  

 

 僕たちは熊を追うハンターだった。猟犬とともに山を駆け巡った。獲物は見つからなかった。さらに奥深くに分け入った。

 

 すると雑草ではなく、刻んだネギが敷き詰められた斜面に出た。(食べられるのではないだろうか。)その斜面を滑り下りると、ブランコのある児童公園だった。

 

 何かがおかしい。そう気づいたが遅かった。熊が・目の前に・あらわれた。そのとき2匹の猟犬は夢中でネギを食べていた。

 

 

 

| | | コメント (0)

 免許                                                                  

 

 大人の女性が2人倒れた。毒を盛られたようで1人は亡くなっていた。もう1人はまだ息があった。麓の病院まで運ぶのに車を貸してほしいとお願いした。僕はまだ中学生だったから「運転できるのか?」と大人たちは訊いた。

 

 僕が免許を取ったのは遥か40年以上昔だ。

 

 2人の女性を乗せて僕は走り出した。道には砂利の代わりに百円硬貨が敷き詰められていて、帰りに拾おうと考えた。このような経緯で僕は大金持ちになったのである。

 

 

 

| | | コメント (0)

 水田                                                                  

 

 電車の窓から水田が見えた。青緑色の宇宙服を着た人が1人で苗を植え付けていた。ヘルメットをかぶって月面を飛び跳ねるように歩く姿はまるで本当の宇宙飛行士のようだ。

 

 気づいたのだが宇宙服は青緑色なのではなく鏡面で周囲の色を映しているのだった。水田の向こうには大きな山が見えた。高くも険しくもなくただただ「大きい」

 

 僕は窓から身を乗りだし宇宙服の農作業員に手を振ってあいさつをした。(いや敬礼すべきだったのかも知れないとあとから思った。)

 

 ‥‥電車はゆるやかなカーブを曲がり水田から離れていく。

 

 

 

| | | コメント (0)

 自動券売機                                                                  

 

 駅の自動券売機にお金を投入したら詰まった。

 

 スケルトンの券売機だった。詰まっている箇所が見える。カバーを開け、自力で直した。

 

 周囲の人たちが驚嘆の目をこちらに向ける。

 

 いやいや、たいしたことじゃあないだろう。

 

 名乗るほどの者ではございません。

 

 人として当たり前のことをしただけですよ(棒)

 

 あたらめてお金を入れ直した。

 

 すると切符の代わりに五百円玉が大量に出てきた。

 

 すべてポケットに入れた。

 

 

 

| | | コメント (0)

2025年6月10日

 職人                                                                  

 

「仕事は何?」と訊かれて嘘を答えた。「職人」と。

 

 あぁ職人という嘘を答えるのは初めてだ。

 

「職人? 何の職人?」

 

「鑑定士さ」

 

「カンテイ? 何を鑑定するの?」

 

「抽象的に言えば『技』を」

 

「どうやって?」

 

 そこで、あぁ、僕の周囲に「鑑定会場」が‥‥つくりあげられた。

 

 広い倉庫のような会場。

 

 展示された品々を鑑定して回る。

 

 

 

| | | コメント (0)

 テレビ                                                                  

 

 真夜中にトイレに起き出してみると居間ではテレビがついていた。この音だったのか。なんかうるさいなぁと思っていた。

 

「ちょっと音量を下げてくれないかな」と僕は耳栓をしたままお願いしてみた。

 

 ソファに寝転がっている女のコは返事をしたのかも知れないが聞こえなかった。

 

 聞こえなかったとしたらそれは耳栓のせいだろう。

 

 

 トイレから女性が出てきた。入れ替わりに僕が入ろうとするとタオルを渡してきた。濡れたタオルだ。「これ、まだ乾いてないよ」と僕は言った。彼女も返事をしなかった。

 

 あるいはしたのかも知れないが、耳栓をしているせいで聞き取れなかった。

 

 

 

| | | コメント (0)

 ヤキソバ                                                                  

 

 兄と、双子の姉と、私の3人で食事をした。6人掛けのテーブルに、出てきた料理も6人前。私たちは2人前ずつ食べる。

 

「イカの唐揚げ、2人前はきついね」と姉は言った。

 

「揚げたてはいけるんだけど、冷めてしまうと‥‥」

 

 お茶で流し込もう、と姉は言って、ペットボトルを持ってきた。

 

「気づいたけどあんた、今日は一言も喋ってないじゃない」と姉。

 

「食べるのに忙しいんだ」

 

「てゆうかこれ、全部食べる必要あるのかしら」

 

 姉は珍しく眼鏡をかけている。

 

「あんた、何観察してるのよ」

 

「観察‥‥?」

 

「見るひまがあるなら口を動かしなさいって」

 

「そうだね‥‥(もぐもぐ)」

 

 

 兄は仕事の話をしている。東南アジアに出張したときのことだ。現地でペヤングソースヤキソバを食べた。

 

「よくヤキソバの話なんかしながら違うもの食べれるね」と姉。

 

「あたしは無理」

 

 

 

| | | コメント (0)

 コスプレ                                                                  

 

「ミミズ・フェルジナンドのコスプレをしてあげる」とその子は言って、僕の髪の毛をいじった。

 

 ヘアメイクはすぐに終わった。僕は仕上がりを確認したくなって顔を映すものを探した。

 

 反射するものであればなんでもよかったのだが‥‥

 

 学校の授業だった。コスプレをして教室の窓から身を乗り出すという課題だ。

 

 落ちないように二人一組でやる。僕は本当は身を乗り出した相方を支える役だった。

 

「やっぱり長髪は映えるわね」としかし、その子は褒めた。そう言われると悪い気はしない。

 

 僕の好きな背の高い女の子は首に包帯を巻いて「ろくろ首」のコスプレをしている。

 

「寝違えたのがやっと治ったのよ」

 

 首が長いとそういうとき苦労するのだろう。

 

「ミミズ・フェルジナンドのコスプレ素敵」とそのろくろ首の女の子も僕の髪型を褒めた。

 

 

 

| | | コメント (0)

 傘                                                                   

 

 電車に乗っているとき、雨が降ってきた。僕は傘を持っていた。傘を持っているのは、僕1人だった。

 

 雨は、ますますひどくなった。

 

 しかし途中の駅から乗ってきた乗客も、誰1人傘を持ってない。

 

 それは、環状線だった。1時間ほど乗っていると、最初に乗った駅に着く。僕はその駅で降りた。

 

 改札を出ようとすると、駅員に注意された。「その傘を持ち出すことはできませんよ」

 

「なぜですか? これは僕の傘ですよ。外はひどい雨なのに‥‥」

 

 とにかくだめなのだ。傘は駅で預かるという。次に乗車するとき、返してもらえる。

 

「本当にどうしてなの? 乗車するときに返してもらったところで、電車の中で傘は必要ないでしょう」

 

「必要ないのなら、駅でずーっと預かっていることもできます」

 

 

 

| | | コメント (0)

 自転車泥棒                                                                  

 

 その自転車に鍵がかけられてないのを見て、僕は盗んだ。目撃者は大勢いた。「借りるだけだ」と彼らの前で言った。

 

 100メートルほど走って、また別の、鍵のかかっていない自転車を見つけた。それに乗り換え、また100メートル走る。すると、オートバイがあった。

 

 キーはついてなかったが、跨がると、動き始めた。エンジンはかかっていない。なのに、すごいスピードだ。

 

 夕日に向かって、僕は走った。しばらく走った。あまりにも眩しかったので、Uターンした。すると、僕の正面に、朝日があった。

 

 今度はその朝日に向かって、走った。眩しさが我慢できなくなるまで、走りつづけた。

 

 

 

| | | コメント (0)

2025年6月 7日

 王様                                                                  

 

 王様と話す機会が与えられたのに誰も話しかけようとしない。僕は床に落ちていた挽肉を拾い集め王様のところに持っていった。そしてカレーの話をした。王様もカレーが好きなんだそうだ。

 

 付き人がやってきて僕の挽肉を下げた。それと同時に厨房から挽肉のカレーが運ばれてきた。僕の挽肉が使われたわけではないことはわかった。しかし王様と一緒に食べるカレーはおいしくて、僕は与えられた機会を最大限に活かすことができたとわかった。

 

 

 

| | | コメント (0)

 抽選                                                                  

 

 部屋のドアの前に扇風機が置いてあった。ためしにつけてみる。するとクーラーのような冷風が出た。暑くなったら使おうと思う。(それにしてもどういう仕組みになっているのだろう。)

 

 もう昼過ぎだ。今から学校に行かなければならない。僕は卒業した高校にまたもういちど通っている。今日は大幅に遅刻だ。

 

 今度進路指導の面談がある。

 

 けれど先生たちは僕をどう扱っていいのかわからないでいる。

 

 1階の居間には母がいた。「今日は学校はどうしたの?」

 

「今から行くよ。ってかそれ何?」

 

「韓国産フルーツの盛り合わせよ。これを今から送るの」

 

「送るって、どこに? それ、もらったんじゃなかったの?」

 

「これを韓国に送るのよ、そうすると抽選で葉書がもらえるの」

 

「えっ、葉書?」

 

「あんた、韓国に友達いるでしょ。そこに送るから、住所教えなさい」

 

「葉書もらってどうするの?」

 

「あのね、抽選だから必ずもらえるってわけじゃないのよ」

 

 

 

| | | コメント (0)

 待合室                                                                  

 

 病院の待合室には大勢の人がいた。予約のない僕が診てもらえるかわからなかったが、いちおう整理券を引いた。(キャンセル待ちということになるのか。)腰掛けて待つことにした。

 

 窓の側の席だった。外は曇りで、雨が降りそうに見える。「1人なの?」とおばあさんが馴れ馴れしく話しかけてきた。

 

「え? ええ。ええと、保険証も持ってないし、帰ろうかな」

 

「やっぱり、1人なのね」おばあさんは僕のとなりに腰掛け、腕を取り、体をぐいぐいと密着させてきた。

 

 

 

| | | コメント (0)

 渦巻き                                                                  

 

 エレベーターはまっすぐではなく、渦巻き状に回りながら上昇した。

 

 まっすぐ行く普通のエレベーターは2時間停止したままだった。いつ動き出すのかわからないというので「渦巻き」に乗ったのだが後悔した。

 

「渦巻き」は最上階まで行く。途中の階では止まらない。

 

 僕は途中の階に用事がある。階のボタンはある。「これを押せばいいんですよね」と僕は言う。

 

 エレベーターは加速する。

 

「17を押せば17階に止まるんですよね。そうですよね?」

 

 と僕は言ってボタンを押す。全部の階のボタンを押す。

 

 

 

| | | コメント (0)

 案内所                                                                  

 

 通路の突き当たりに案内所があってスーツを着た男女がパイプ椅子に座っている。歩いてくる僕を彼らが見ているのはわかっていたが、僕は彼らには目を向けないようにしていた。

 

 話しかけられるのは億劫だ。わかっているよ、

 

 と左の壁にあるドアを開けた。

 

 そこは空の上だった。どういう仕掛けなのか1枚の細長い板が空中に浮いていて、その向こうに「客車」がある。

 

「板の上を歩くのです」

 

 後ろから女が声をかけてきた。

 

「あいにく高所恐怖症なんでね」

 

 僕は振り向かずに答えた。

 

「あちらに渡ればソファがありますよ」

 

「いいんだ、やめとくよ」

 

 そこで男の方が立ち上がって近づいてきた。

 

「私の勤務時間はまだあるのですが、そういうことでしたら‥‥」

 

 と言って板の上を歩いて客車に行ってしまった。

 

 

 

 ‥‥女は恨めしそうに

 

「あなた、もしかして女性という可能性は?」

 

「ないよ」

 

「これから女性の連れが来られるんですよね?」

 

「どうかな。ところで僕はまだ勤務時間前だったね」

 

 と断って歩いてきた通路を引き返した。

 

 

 

| | | コメント (0)

 明暗                                                                  

 

「明暗が分かれるというでしょう」

 

「『明と明』、または『暗と暗』に分かれることって、あるのかしらね」

 

「明と明だったら、どこが境目なのかわからないんじゃないでしょうか」

 

「暗と暗でもね」

 

「あなたは明よね、私も明だわ」

 

「同じ明るさ」

 

「私たち、分かれることはないのよ」

 

「ずっと一緒にはいられなくても、同じ明るさでいる限りは」

 

 

 飛行機の客室はまるで高級ホテルのスイートルームのように贅沢だった。乗客は僕ともう1人だけで、僕らの何倍の数の客室乗務員がいた。

 

 そのもう1人の乗客というのは大統領の奥さんだ。仕切りの向こうの、おそらく僕のいる部屋よりももっと豪華な客室に乗っている。僕は挨拶に行った。

 

 

 彼女は占い師を思わせる格好をしてテーブルの向こうに座っていた。客室は赤い敷物とカーテンに覆われていて暗い。「ずいぶん遠いところからいらっしゃったのね」と彼女は言った。僕のことを知っているようだった。

 

「そして遠いところまで行くのよね」

 

「ええ、まぁ、奥様と同じところまで」

 

「私は降りないのよ、この飛行機からは」

 

 僕は実は来月もまた○○国を訪れるのにこの飛行機に乗ると言った。

 

「降りて、また乗る」

 

「そうですね」

 

 

 

| | | コメント (0)

 クジラ                                                                  

 

 1人で飲んでいると、知り合いの男がやって来て誘ってくれた。

 

「向こうのテーブルに来ないか、ドイツから○○が、フランスから××が来日してるんだ」

 

「知ってるよ、実は彼らとはここで待ち合わせていたんだけど‥‥」

 

「そうだったのか? あいつら、お前抜きで飲んでるぞ(笑)」

 

 

 男と一緒に彼らのテーブルに行くと、2人はもうだいぶできあがっていた。

 

「遅かったじゃない」とフランス人の女は言った。

 

「うん、場所わかんなくて」

 

「俺たちは、お前に会いにきたんだぞぉぉぉ」とドイツ人の男は言った。

 

 そして鼻からビールを吹き出した。「クジラ」という、彼が昔から得意としている一発芸だ。

 

 

 

| | | コメント (0)

 ミサイル                                                                       

 

 どこからかミサイルが飛んで来た。標的が何だったのかはわからないが、とにかくそれに命中して、それは爆発した。その爆風に乗って、僕はジャンプした。空高く舞い上がった。

 

 空には、サーフボードのような細長い板が1枚浮いていた。僕はボードに飛び乗り、雲の海を滑った。眼下に、ひどく小さい富士山が見えた。

 

 

 

| | | コメント (0)

 テーマパーク                                                                  

 

 僕は1人で登山をした。連れの女性は「寝てないから」と言って断った。登山と言っても大した山ではない。人工的につくられた山で、登山道もよく整備されている。

 

 山の中腹にテーマパークが建設中だった。サンリオのキャラクターとつくりかけの城が見えた。建設作業員はみんなアイドルのような美少年、美少女で、登山中の僕に笑顔で手を振ってくれた。

 

 もしかしたらこの山自体がテーマパークの一部なのかも知れない。登山というのもアトラクションで‥‥

 

 山頂に着いた。そこは海抜ゼロメートルで、海岸と港があった。砂浜に老夫婦が座っていた。奥さんがご主人に、「お父さん、来てよかったですねぇ」と何度も繰り返している。

 

 海岸にはやたら長いバゲットが置いてあった。何十メートルあるのだろう。食べられるのかどうかわからない。僕は記念に写真を撮った。

 

 

 

| | | コメント (0)

 白い象                                                                       

 

 二足歩行する白い象が、黒い傘をさし、降りしきる雪の中を歩いている。象の背丈は僕と同じくらいだったが、子象というわけではなさそうだ。どこへ行くのだろう。

 

 というか、ここはどこなのだろう。都会の真ん中のはずだが、あるはずのものが何もない。地平線の果てまで見渡しても‥‥

 

 象を追いかけた。

 

 それと不思議なのは雪に足あとが残らないことだ。象の足あとも、僕の足あとも。傘の黒だけが目印だった。

 

 いつの間にか雪はやみ、象は黒い傘を畳んだ。そうすると白い雪に、象の白い体が紛れて見えなくなった。

 

 

 

| | | コメント (0)

2025年6月 1日

 トイレ                                                                  

 

 友達が部屋に持ってきたCDを聴く、立ったまま、抱えた頭を揺らして。「とても斬新な聴き方だ」と彼は褒めてくれたので、僕は彼の音楽の好みを「センスがいい」と褒めた。そうしてさらに強く頭を抱え、大きく揺らした。

 

 熱い音でできたプールの中に頭を突っ込んで限界まで呼吸を止める。顔を上げて、激しく息を吸い込む。そうすると音楽が肺の中に入ってくる。ずうっと目は瞑ったままだ。ちなみに僕は泳げない。

 

 曲が終わった。僕は疲労している。「もう休もう」と友達は言って、トイレに立った。彼は部屋に泊まっていくつもりだ。僕が床に布団を敷いていると、戻ってきた彼も手伝い始めた。

 

「トイレで父に会ったかい?」と僕は訊ねた。

 

「いや、トイレには誰もいなかったよ」

 

「そうか、父はいつもトイレにいるんだがな」

 

「男親ってのは‥‥そんなもんだよな」

 

 僕が冗談を言ったのだと思って友達はそんなことを言う。

 

 

 

| | | コメント (0)

 ロープ                                                                  

 

 社員食堂のようなところに集まっていた僕らの首にロープがかけられた。処刑がまさかこんな食堂で執行されるとは思わなかった。あっけないものだ。

 

 次の瞬間僕は床に倒れていた。首のロープは外されている。意識はあった。死んではいない。「彼ら」が僕たちを見て言う、

 

「まだ足がピクピクしてるぜ」「キモチわりー」

 

 ここは死んだふりをしていた方がよさそうだ。目を閉じたまま考えた。周りの死体は足をピクピクさせているらしい。僕もマネてみる。

 

 そのうちに「彼ら」はどこかへ行ってしまった。

 

 僕は目を開けて周囲を見た。みんな生きていて足をピクピクさせている。生きているのだ。全身をワザとらしくピクピクさせている者もいて、それはたしかに‥‥気持ち悪い。

 

 

 

| | | コメント (0)

 冷蔵庫                                                                  

 

 冷蔵庫の扉を開けると中に僕がいた。僕は冷蔵庫の中にビールの缶を積み上げている。声をかけようか迷った。

 

 その缶ビールは僕が買ってきたものだが、僕は酒は飲まない。「僕は酒は飲まないんだよ‥‥」結局声をかけた。

 

 だが彼は振り向かなかった。

 

 冷蔵庫の中にはビール以外に何の食材もない。僕は憐れむような気持ちで冷蔵庫の扉を静かに閉めた。そして今見たことを忘れようとした。

 

 

 

| | | コメント (0)

« 2025年5月 | トップページ | 2025年7月 »