自転車泥棒
その自転車に鍵がかけられてないのを見て、僕は盗んだ。目撃者は大勢いた。「借りるだけだ」と彼らの前で言った。
100メートルほど走って、また別の、鍵のかかっていない自転車を見つけた。それに乗り換え、また100メートル走る。すると、オートバイがあった。
キーはついてなかったが、跨がると、動き始めた。エンジンはかかっていない。なのに、すごいスピードだ。
夕日に向かって、僕は走った。しばらく走った。あまりにも眩しかったので、Uターンした。すると、僕の正面に、朝日があった。
今度はその朝日に向かって、走った。眩しさが我慢できなくなるまで、走りつづけた。
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