コスプレ
「ミミズ・フェルジナンドのコスプレをしてあげる」とその子は言って、僕の髪の毛をいじった。
ヘアメイクはすぐに終わった。僕は仕上がりを確認したくなって顔を映すものを探した。
反射するものであればなんでもよかったのだが‥‥
学校の授業だった。コスプレをして教室の窓から身を乗り出すという課題だ。
落ちないように二人一組でやる。僕は本当は身を乗り出した相方を支える役だった。
「やっぱり長髪は映えるわね」としかし、その子は褒めた。そう言われると悪い気はしない。
僕の好きな背の高い女の子は首に包帯を巻いて「ろくろ首」のコスプレをしている。
「寝違えたのがやっと治ったのよ」
首が長いとそういうとき苦労するのだろう。
「ミミズ・フェルジナンドのコスプレ素敵」とそのろくろ首の女の子も僕の髪型を褒めた。
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