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2025年6月17日

 バスルーム                                                                  

 

 眠っている女の胸に耳を押し当てると、意外なほど速い心音が聞こえた。目を覚ましていたのだ。

 

「私、動物になる」そう言って彼女は身を起こした。

 

「何の動物になるの?」と僕は訊いた。

 

 

 彼女は何も答えずに、服を脱いで、バスルームへ向かった。

 

 すると入れ替わりに、バスルームから、背の高い、痩せた少年が出てきた。ここはホテルの一室だ。少年は財布や時計、メガネやメガネケースがたくさん入った引き出しを開けて、中を見ている。

 

「どれが俺のだっけ‥‥? 何でこんなたくさんあるの?」

 

「まず服を着ろよ、フルチン」と僕は声をかけた。

 

「あんたの服、貸してくれる?」

 

「いいよ」

 

 僕は自分の服を脱いで、下着まで全部彼に渡した。それからシャワーを浴びようと、バスルームに入った。

 

 さっきまで一緒にいた女はいなくなっていた。

 

 バスルームは扉の向こうで隣の部屋と繋がっていて、別の女がソファで雑誌を読んでいるのだ。彼女は僕の裸をジロジロ見てから、「入ってくるなら言ってよ」と笑った。

 

 

 

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