ロープ
社員食堂のようなところに集まっていた僕らの首にロープがかけられた。処刑がまさかこんな食堂で執行されるとは思わなかった。あっけないものだ。
次の瞬間僕は床に倒れていた。首のロープは外されている。意識はあった。死んではいない。「彼ら」が僕たちを見て言う、
「まだ足がピクピクしてるぜ」「キモチわりー」
ここは死んだふりをしていた方がよさそうだ。目を閉じたまま考えた。周りの死体は足をピクピクさせているらしい。僕もマネてみる。
そのうちに「彼ら」はどこかへ行ってしまった。
僕は目を開けて周囲を見た。みんな生きていて足をピクピクさせている。生きているのだ。全身をワザとらしくピクピクさせている者もいて、それはたしかに‥‥気持ち悪い。
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