抽選
部屋のドアの前に扇風機が置いてあった。ためしにつけてみる。するとクーラーのような冷風が出た。暑くなったら使おうと思う。(それにしてもどういう仕組みになっているのだろう。)
もう昼過ぎだ。今から学校に行かなければならない。僕は卒業した高校にまたもういちど通っている。今日は大幅に遅刻だ。
今度進路指導の面談がある。
けれど先生たちは僕をどう扱っていいのかわからないでいる。
1階の居間には母がいた。「今日は学校はどうしたの?」
「今から行くよ。ってかそれ何?」
「韓国産フルーツの盛り合わせよ。これを今から送るの」
「送るって、どこに? それ、もらったんじゃなかったの?」
「これを韓国に送るのよ、そうすると抽選で葉書がもらえるの」
「えっ、葉書?」
「あんた、韓国に友達いるでしょ。そこに送るから、住所教えなさい」
「葉書もらってどうするの?」
「あのね、抽選だから必ずもらえるってわけじゃないのよ」
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