水田
電車の窓から水田が見えた。青緑色の宇宙服を着た人が1人で苗を植え付けていた。ヘルメットをかぶって月面を飛び跳ねるように歩く姿はまるで本当の宇宙飛行士のようだ。
気づいたのだが宇宙服は青緑色なのではなく鏡面で周囲の色を映しているのだった。水田の向こうには大きな山が見えた。高くも険しくもなくただただ「大きい」
僕は窓から身を乗りだし宇宙服の農作業員に手を振ってあいさつをした。(いや敬礼すべきだったのかも知れないとあとから思った。)
‥‥電車はゆるやかなカーブを曲がり水田から離れていく。
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