僕を運んで来た誰かが、僕をそこに横たえた。うつらうつらしている間に、引っ越しは終わった。目を覚ますと、新居にいた。僕はタイルの床に寝転がっていた。バスルームにある洗濯機の横。
洗濯は洗いとすすぎが終わって、後は脱水するだけだったが、僕は、スイッチを入れなかった。
僕を運んで来た誰かが、僕をそこに横たえた。うつらうつらしている間に、引っ越しは終わった。目を覚ますと、新居にいた。僕はタイルの床に寝転がっていた。バスルームにある洗濯機の横。
洗濯は洗いとすすぎが終わって、後は脱水するだけだったが、僕はスイッチを入れなかった。
日はすっかり落ちていた。「あぁ、よく寝た」と独り言を言いながら、バスルームを出る。独り言はすごい大声になってしまった。(僕はよく寝たんだよ‥‥)自分の耳で聞くと怯えているような響きだった。
寝室の様子を見てみた。暗かった。明かりを点けようと思ったが、スイッチが見当たらない。
(さっきの洗濯機にも、スイッチやボタンはなかった‥‥)
通路に面した窓は開いたままで、制服を着た女子高校生が2人、外で立ち話をしている。彼女らと目を合わさないようにして、窓とカーテンを閉めた。が、カーテンは短くて、窓の半分しか隠してくれない。
僕は、今日から、いや今から、マンションのこの部屋に住むのか。何階の、何号室なのだろう。
前に住んでいた部屋から、寝室用の遮光カーテンを取ってこなければならない。しかし、どの階のどの部屋に住んでいたのか、もう思い出せないのだ。
いったいどういう経緯で‥‥僕はこの部屋に。
リビングに移動してみた。ここは最初から明かりが点いている。コタツを囲むように、木の椅子が四脚置いてある。椅子の背にはバスタオルがかけてある。椅子は食卓のテーブルに使うものだ。