2008年8月 4日

詩が死んだのか、詩は死んだのか

 力は神の側にではなく、神の力を崇め奉る僕たちの側にあった。ジョン·レノンが世界を変えたとは思わない。世界は変わったとして、それを変えたのはビートルズの詩や音楽ではなくて、ビートルズを聴いていた若者たちである。


 ビートルズは偉大ではなかった。ジョンは素晴らしくなかった。僕たちが偉大だったのであり、それが革命だったのである。60年代という時代を、「革命」という言葉を、当時の文化を、僕はそのように解釈している。


 だから僕は、時代は変わったと思うが、時代が変わったとは思わない。音楽はつまらなくなったと思うが、音楽がつまらなくなったとは思わない。変わったのは僕の方なのだから。


 失ったのは僕の方なのだから。


 ロックが死んだのか、ロックは死んだのか。死んだのはロックを聴いていた僕たちなのだ。すべてをなくした僕たちは今、アートが力だ、ミュージシャンが神だと自ら主張する死んだはずの彼らに、平伏し、返す言葉もない。


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2008年7月22日

毎日

 僕は繰り返すことができて、繰り返すことを倦むことができる。


「まるで恋だね」


 レコード屋で、うっかりパフュームを買ってしまいそうになる。


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2008年7月13日

内側

「できる」という思いが、「できない」という思いの内側に、包み込まれていく。


 彼らは僕のために歌っている、彼らは僕のために歌っているわけではない、包み込まれていく。


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2008年6月28日

「お前」という演技を

 Everybody's got a hungry heart

 飢えた心を抱えたみんな

 Everybody's got a hungry heart

 痩せた心を抱えたみんな

 Lay down your money and you play your part

 お前の金を賭けて

 Everybody's got a hungry heart

「お前」という役を演じろ


"Hungry Heart"


 ‥‥


 Come on, baby, light my fire

 僕に火をつけてくれ

 Try to set the night on fire

 夜を燃やしちまおうぜ


"Light My Fire"


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2008年6月25日

All You Need Is Love 意訳

 女ができなかった、という理由で人を殺すような人間は、ハーレムに住まわしてやっても、また別の理由で、人を殺すだろう。


 仕事上のストレスを理由にして、動物を虐待するような人間は、ストレスから解放されても、すぐにまた、何かのきっかけで、虐待を再開するだろう。


 インターネットは悪くない。携帯電話は悪くない。社会は悪くない。いや社会は悪いけど、何が良くなっても、人は変わらないだろう。


 たぶん。


 そして僕は落ちていくのだ。憎しみではなく、尊敬の念と、愛と感謝の気持ちが連鎖していく関係を、思い描くことの中に。


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2008年6月11日

to here knows when

 最後に好きになったバンドを、いちばん好きになった。代わりになるようなバンドは、結局見つからなかった。マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン。


 彼らは奪った。何も与えてはくれなかった。あの音を聴いていると、僕は息ができなくなった。それが良かったわけだが、心臓を動かせなくなり、その場に崩れ落ちる。


 僕が彼らを聴くことをやめると、そのあとで彼らは、僕に与え始めた。何を? 時間を。でもその時間を、僕は待つことにしか使えなかった。17年経って、彼らは活動を再開した。またすべてを、奪いにきたのだ。


 お帰りなさい、としか言えない僕。


 でも、それで良かった。


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2008年5月 8日

甘く危険じゃない香り

 うちに来て、部屋の中で、オレンジ色のビーチサンダルを履いている僕を見たら、あなたは、そう思うだろう。


「ヘイ・ジュード」を、「ロング・アンド・ワインディング・ロード」のように歌う、僕を見て、そう思うだろう。


「ヘイ・ジュード」が、「ロング・アンド・ワインディング・ロード」に聞こえたよ、数日前、どうかしてたんだ。


 あの日は、ちょっと疲れててさ‥‥


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2008年4月23日

「(Just Like) Starting Over」意訳

時が流れた。僕は成長した、と思う。


でも彼女は、僕を、(まるで)一からやり直し、みたいな気分にさせるんだ。


    .


もう以前のようには愛せない。翼を広げ、飛び立って行く時期が来たと思う。


でも、僕たちの愛は、あまりにも特別なもので、僕たちを、(まるで)最初からやり直し、みたいな気分にさせるんだ。


    .


時が過ぎて行くことを、批難することは誰にもできない。


わかってる、‥‥でも彼女にはできるんだ。


僕は、(まるで)一からやり直し、みたいな気分になるんだ。


    ☆


僕は君の彼氏で、君は僕の彼女で‥‥


         でもそうじゃない、ってふりをするんだ。


それで一からやり直し、みたいな気分になるんだよ。


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2008年4月 9日

999

お花見に行ったと思う。


桜は綺麗だったと思う。


僕は心の中で銀河鉄道999の歌を歌っていたと思う。


20080409


さぁ行くんだと思う。


新しい風に心を洗おうと思う。


銀河鉄道が僕を終わりのない旅に連れていってくれると思う。


あの人はもう思い出だと思う。


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2008年4月 8日

一匹の魚

 英語の歌が聞こえる。


 そして今私は一匹の魚を見た。でもメロディは「マイ・ウェイ」なのだから、そんなはずはない。


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2008年4月 1日

エリーゼのために

 交響曲第七番を演奏しているのが僕で、交響曲第七番を指揮しているのも僕で、ベートーベンも実は僕だったりしたら、面白いと思う。


 でも僕が、実はベートーベンだったとしたら、これは面白くないだろう。全然。僕は耳も聴こえるし、作曲なんてしないから。日に10時間以上眠って、その上で3時間昼寝してピアノなんか売って、そのようにして、世界は失われる。偉大な作曲家がひとり。


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2008年3月19日

ひどい話

 アバのドラマーが死んだ。割れたガラスで喉を切って。警察は事故だと言う。アバのドラマーなら誤って割ったガラスで誤って喉を切り誤って死ぬこともあるだろう、と見ているのだ。


 いや僕もそう思うけど。僕のせいじゃない。どんな過ちだって起こりうる。


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2008年2月14日

ベートーベンは流れない、ただ積み重なる

 ベートーベンは流れない。英雄は流れない。運命は流れない。第九は流れない。ただ積み重なる。幾重にも積み重なり、勇気と、諦め、喜び、悲しみ、そして愛、さらに愛。そういった、形のないものが今積み重なり、今手でつかめる何かとなり、目の前にある。


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